水曜日のカンパネラ、最高傑作『ジパング』をクリエイター陣と紐解く

――次にみなさんでまた仕事をする機会があるとしたら、どんなことをやってみたいですか。

コムアイ　今回、初めてファミリー感みたいなものを感じたんです。サックスを吹いてくれた人がいるんですけど、その人も友達なんですよ。これまでは「そういうのってやだな」と思っていて。「水曜日のカンパネラは商業的にやっているから、そこは区切ろう」、「周りにいいクリエイターがいてもそういうのは別なのかな」って考えていたんです。でも、今回上岡さんもそうですけど、すごく上手い形で関わってくれたんですよ。ちなみに、上岡さんは家族なんですよ。未来のお兄ちゃんなんですけど。

――えっ！　そうなんですか！

コムアイ　拓也さんのお母さんと、うちの父親が恋愛しているんです。だから、リアルファミリー（笑）。

上岡　まぁ楽しそうですよ（笑）。

――えー！！

上岡　（笑）。そういう関係があったから知り合って、今回呼んでもらえたというのもあって。すごく面白いなって思いますね。

コムアイ　だから今度はもっと家族を呼んで……。

――え、そういう話になるんですか（笑）。

全員　ははは（笑）。

コムアイ　うちの父親とお母さんに捧げるアルバムになればいいな、とか（笑）。デュエット・ソングを歌ってもらおうかな（笑）。すごく関わりたがってくれていて、お母さんは「物販やりたい」って言ってくれたりもするんです（笑）。今回、そういうこともあって、拓也さんにお願いしていいものができたのを、両親が何よりも喜んでくれていて。それは本当によかったですね。

――いい話ですね……。

白玖　親より先に、2人が共同作業をしたという感じで（笑）。

――（笑）。他にやってみたいことはありますか？　現実的でなくても、何でもいいんですが。

白玖　僕らは水曜日のカンパネラの3人にプロデュースしてもらいたいですね（笑）。

コムアイ　白玖さんがラップして、平岡さんが歌っているとか？　なんかいいなぁそれ。作ってレコーディングしようよ（笑）。

白玖　いいんですか？（笑）。

コムアイ　描くから。

白玖　となると……〈つばさ（レコーズ）〉からのリリースかぁ。前座で使ってもらって、「誰やねんあいつら」みたいになるっていう（笑）。

平岡　そういえば、こないだカラオケで水カンの歌を歌ったら――。

上岡　歌うんだ（笑）。

全員　ははははは（笑）！

平岡　「水カンにお金が行くように。」って思って（笑）。そうしたら、「こんなん歌っていたんだ。歌えない。」って思ったんですよね。“桃太郎”でさえも無理だった。

白玖　「コムさん、よくこれを歌ってたなぁ。」っていうね。

――コムアイさんは、これから水曜日のカンパネラでどんなことをしていきたいですか？　

コムアイ　変なところをツアーしてみたいですね。全国工事現場ツアーで、住所しか送られてこないみたいなこととか（笑）。とにかく、ライヴをやったことないところでやってみたいです。ライヴハウスでやるの、飽きちゃった。舞台装置って難しくて、なかなかアイディアが叶わない面もあるんですよ。

――でも、シカの解体などなど、かなり面白いことをやっていると思いますけどね？

コムアイ　あー確かに。持ち込んだらそうかも。そういえば、こないだサンリオピューロランドでライヴをして感動したんです。「ゴンドラに乗って天板から登場する、みたいなことが出来るんだ！」って。すごいんですよ。天井がパカッって開いて、そこから人が登場出来るんだ……っていう。なんじゃタウンとかでもやってみたいな。

白玖　あとは、ゆるキャラやご当地キャラと一緒に、とか？

――ゆるキャラにコムアイさんが入っていて、バーン！　と登場するのも面白そうです。

コムアイ　それもやりたーい！　「脱皮！」みたいな感じ（笑）。

――オタミラムズのお2人と上岡さんは、水曜日のカンパネラがどんなグループになってくれたら嬉しいと思っていますか。

白玖　僕は今回のアルバムで、コムさんの歌い方が劇的に変わったな、と思っていて。いつもクレジットで、自分を「主演」って書いているんで、つねづね演出面は本人も意識してるとは思うんですけど……。そのうえで、勝手なことを言わせてもらうと、たとえば宝塚歌劇団の中に入って一緒にやってもらったり、落語好きだと思うんで落語をやってもらったり……「舞台上、敵無し」といった印象なんで、音楽以外の舞台にもクロスオーバーしてくれたらいいなぁと思いますね。そうなる姿が想像できるというか。近い将来できそうだなと思うし、Dir. Fさんが何か企んでいるんじゃないかな、と思うんですよね。

（同席していた）Dir. F　企んでいます（笑）。

――はははは（笑）。平岡さんと上岡さんはどうですか？

平岡　そうだなぁ。水曜日のカンパネラのMVを撮りたい人って、きっと沢山いると思うんですよ。だから、若手の登竜門的な感じになってくれたら嬉しいし、しかも水カンのレベルはどんどん高まっていく、みたいな感じになっていってほしいです。海外の監督でもいいと思うし。そうして過去に水カンのMVを作った人たちが悔しがって、お互いに切磋琢磨していく／競争し合っていく、そんな感じになったらいいなと思いますね。

上岡　俺はあくまで絵を描く人だし、あんまないというか……。とにかくビッグになってくれたらいいなと思います。すごく刺激を受けたい存在でもあるから、ガンガンやっていってくれたら、俺も頑張ろうってなると思うし。そういう感じですかね（笑）。