THE THIRD MIND──Leh、2023年春夏コレクションが届ける新しい視点｜ルックに山川冬樹、アオイヤマダ、松岡俊介

インドをはじめ世界各地へ旅をし続けながら、海外と日本に共通する民族衣装等の引き継がれてゆくべき文化性を「身に纏うもの・日常で機能するもの」としての生活的要素へと感性に沿って作りかえ、ジャンルにとらわれない自由な思考でものづくりをしているブランドLehが、2023年1月より2023春夏コレクションのリリースをスタート。今期のテーマ「THE THIRD MIND」は造語で、多面的に物事を考えたり、物を見る時にもより奥行きを感じたい、そして感じて欲しいとの思いから生まれた。それに沿った様々な角度からアプローチしたアイテムを展開している。ルックには山川冬樹、アオイヤマダ、松岡俊介が登場。撮影は山谷佑介が担当した。

Leh「THE THIRD MIND」

全体的に多く使用されているデジタルプリント生地は、1960年代に発刊されたアメリカの雑誌『Whole Earth Catalog』の実物からLehオリジナルでコラージュし直したもの。この雑誌は当時のヒッピーカルチャーや日本のサブカルチャー、また世界中の多くの偉人の人生や思想に、多大な影響を与えたとされ、その一人である故スティーブ･ジョブズがスタンフォード大学の卒業式でのスピーチで引用した「Stay hungry. Stay foolish」という伝説のフレーズは、この雑誌の最終刊（1974）の裏表紙にあったもの。

また、ビッグシルエットによるハイネックポンチョ型のトップスや、山岳雪山系ミリタリーパーカーをベースにしたメキシカンパーカーは手織手紡ぎのカディのブランケットで制作。デジタルプリント生地はリネン糸を使用したアフガン生地で制作されたMA-1、インドの伝統的クルタをベースにしたシャツなど、多くのアイテムに使用されている。

他にも、非常に高い縫製技術で作成されているアートワークパンツは、ミリタリー的要素を含み、脇のポケットのパターンはまるで折り紙を折ったようなディティール。ラバリジャケットは、西インドのラジャスタン州で暮らすラバリ族の本来は男性が着る民族衣裳。今シーズンは布をダイヤモンド形に裁断して全面パッチワークで作成された。定番のトラックパンツはどっぷりとした太幅のシルエットで、履き心地ストレスフリー。サイドの独特な色合わせのストライプテープは少量生産されている太幅のフランス産の物。今シーズンはファスナー内側にヴィンテージのシルクスカーフを使用しており、全て1点ものとなる。

袖を通すと生活や世界が変わって見えてくる。装いに合わせた所作が新しい視点を与えてくれる。Lehが届けるアイテムの数々をぜひチェックしてみてほしい。

MODEL：山川冬樹／アオイヤマダ／松岡俊介
PHOTOGRAPHER：Yusuke Yamatani
HAIR：Kunio Kohzaki（W）
STYLING：Leh
DIRECTION：Takuya Mikami

Leh