◼︎スポーツの「エミー賞」も獲得した、究極の3次元エンターテインメント
世界でもトップクラスの飛行技術を誇るレースパイロットたちが、操縦技術だけでなく、知力、体力、精神力のすべてを駆使し、3次元で戦う<レッドブル・エアレース>。高速で機動性と敏捷性に優れた幅約8mの競技用1人乗りプロペラ飛行機を操り、高さ25mのバイロン(エアゲート)で構成されるコースを様々な高度・姿勢で周回、F1マシンを超える最高時速370km、最大重力加速度10Gという過酷な状況で飛行タイムを競うもので、選手には我々の想像以上の負荷がかかります。そのため、元空軍パイロットだった選手が第一線で活躍しているのも納得……といったところでしょうか。2009年からは日本人選手・室屋義秀氏も参戦、彼はアジア人初のエアレーサーでもあり、2014年の選手権ではクロアチアで行われた第2戦で3位表彰台にも上っている実力者です。
また、視覚的にもインパクト絶大な<レッドブル・エアレース>は、毎年テレビ中継においても多大な注目を集めています。2010年にFox Sports Network(FSN)を通じて放送された「レッドブル・エアレース・チャンピオン・シップ」の模様は、米国テレビ芸術科学アカデミー主催の<第31回スポーツ・エミー賞>で見事「最優秀中継技術チーム賞」を受賞。2年連続の受賞という快挙で、高精細度テレビジョン放送(HD)、時速368kmの世界を捉えるためのオンボードカメラの設置、そしてヘリコプターからのレース中継に至るまで、ありとあらゆる部分にエキスパートの知識とスキルが結集されていたことが受賞へと繋がったのでしょう。そう、<レッドブル・エアレース>は、選手もスタッフも“超一流”だからこそ成し得る究極の3次元エンターテインメントなのです。
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都内近郊で約10万人規模のモータースポーツが開催されること自体が大事件ですが、今回の<レッドブル・エアレース>を逃してしまったら、来年も日本で開催されるという保証はどこにもありません。運命の日は5月16日(土)、17日(日)の2日間。競技スポーツとしての歴史はまだ浅いかもしれませんが、超高速&爆音でプロペラ機が駆け抜けるド迫力のレースは、きっとあなたの価値観を変えてしまうかも。
(text by UK)