ベース・ミュージック、サウンドシステム・カルチャー、それらのファンデーションとしてのレゲエ、東京のシーンにおいて、それぞれの交点にて長らく活躍してきた1TA(Bim One Production)のひさびさのミックスCD『SEX, DRUGS and RIDDIMS』が〈BLACK SMOKER〉から登場。2月9日に発売される。
〈BLACK SMOKER〉の2022年初となる極上ミックスのアートワークを手がけたのはMars89。本作について河村祐介氏よりコメントが到着しているので、ぜひご一読を。
1TA『SEX, DRUGS and RIDDIMS』
レゲエ・シーンにおいてセレクター、そしてプロデューサー/エンジニアとしても活躍するベテラン、e-muraとのユニット、Bim One Production、関西のダブ・シーンの台風の目、Osaka Dub Meetingの一角を成す、Elementとのレーベル〈Riddim Chango〉の運営を中心に、ブリストル・サウンドxカッテングエッジなべース・ミュージックxサウンドシステム・カルチャーの交点として、DISC SHOP ZERO店主、故飯島直樹らともにスタートさせたパーティ/ポッセ、BS0、さらにサウンドシステムとダブ・サウンドの東京での最高峰の体験を用意するTOKYODUB ATTACK、またその派生企画とも言える「映像」とサウンドシステムを結びつけたDUB CINEMA、さらには多様なるダンスホールのリディム文化を新たなスタイルとして追求する、RIDDIM GOLDなどなど刺激的な現場において彼のプレイを体感した人も多いだろう。
今回『SEX, DRUGS AND RIDDIMS mix』は、そんな彼のスタンスの一部が垣間見れる、そんな1枚と言えるだろう。ディージェイやシンガーが鎮座する「表」の文字通り「裏」に、底なし沼のように広がるダンスホールのリディムの世界(もしくは類似するグルーヴの全く別のもの)を徘徊したものだけが見せることのできる、強陣なるグルーヴの構築。ここ数年、『Now Thing 2』の例を出すまでもなく、いまテクノやべース・ミュージック方面からダンスホール・リディムの新たな解釈、援用が頻繁に行われいているが、付け焼き刃ではなく、むしろそこにもともとの軸足のあった彼だからこそできる解釈がそこには横たわっている。それでいてミックスのマナーは、いわゆるレゲエの、ジョグリンなミックス・スタイルとも違った、テクノ~ベース・ミュージック的なミックスの妙でストーリーを紡いでいく。ダンスホール・レゲエを「ディープ・ハウス」的なムードでゆっくりとムーディにミックスしていく冒頭から、ときにエキゾチックに、ときにアシッディーに展開していく。リディムの魅惑の世界、ヴァージョン文化から派生した新たなダンス・ミュージックのマナーをご堪能あれ!!!
(河村祐介)
RELEASE INFORMATION
SEX, DRUGS and RIDDIMS
1TA
2022.02.09(水)
BLACK SMOKER RECORDS
Time 61:10
Mastered by 1TA
Artwork by Mars89