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前作『リフレクター(Reflektor)』から約4年、二日目のヘッドライナーを務めた<FUJI ROCK FESTIVAL ‘14(フジロック)>来日ライブからちょうど3年となるアーケイド・ファイア(Arcade Fire)が最新アルバム『エヴリシング・ナウ(Everything Now)』をリリースする。本記事では名曲“ウェイク・アップ(Wake Up)”収録の『フューネラル(Funeral)』から始まるアーケイド・ファイアの音楽の変遷、数々のフェスへの出演、ウィル・バトラーをはじめメンバーのソロ活動、一風変わったプロモーションなどについて振り返り、新作の魅力を紐解く。

前作『リフレクター』から約4年、二日目のヘッドライナーを務めた<FUJI ROCK FESTIVAL ‘14>での来日ライブからちょうど3年。カナダはモントリオールが世界に誇るバンド、アーケイド・ファイアの通算5作目となる最新アルバム『エヴリシング・ナウ』がついに届けられた。

彼らは、大所帯のバンド編成(現在のパーマネント・メンバーは6人だが、ライブではサポートも含めて常に10人前後のミュージシャンがステージに上がる。)から繰り出される圧倒的なライブ・パフォーマンスで、これまでイギリスの<グラストンベリー>、アメリカの<コーチェラ>、スペインの<プリマヴェーラ・サウンド>、ブラジルの<ロック・イン・リオ>といった世界各地の音楽フェスでヘッドライナーを務めてきた。

また、ライブでの動員力のみならず、批評面においてもアルバム・リリースのたびに世界中の賞にノミネートされ、受賞してきた経歴を持つ。特に2010年発表の3作目『ザ・サバーブス』は、グラミー賞の最優秀アルバム賞に選ばれたほか、ブリット・アワードのインターナショナル部門、地元カナダのジュノー賞やポラリス・ミュージック・プライズといった名だたる音楽賞を総ナメに。名実ともに、押しも押されもせぬ世界最高峰のバンドの一つだと言える。

『リフレクター』から4年。アーケイド・ファイアが最新作『エヴリシング・ナウ』で示す本物の「バンド」の在り方 music_arcadefire_4

最新作『エヴリシング・ナウ』は、そんなアーケイド・ファイアが2017年に完全に照準を合わせて作り上げた一枚。これは、今年最も重要なロック・アルバムだと断言していい。「何もかもが『すべて、今すぐ』という世の中で、その欠点も栄光も全部ひっくるめて、今を生きるという経験を捉えようとした」とウィン・バトラーが語る本作の情報が伝わってきたのは、今年5月末のこと。出演予定だった<プリマヴェーラ・サウンド>の出番直前に、Twitter上にはロシア語のスパムボットを模した、謎めいたアカウントが登場。

そこにはビデオが2本アップされ、ロシア語でリード・シングル“エヴリシング・ナウ”の情報が「リーク」されていた。アメリカの新大統領、ドナルド・トランプ率いる政権がロシアとの関与を追求され、それを大統領自らが「フェイク・ニュースだ」とツイートする現代社会への痛烈な皮肉。それを皮切りに、彼らは「Everything Now Co」という架空の企業とサイト、Everythingnow.comをローンチして『エヴリシング・ナウ』の情報を解禁し始めた。

Everythingnow.com

まず同サイトでは、アルバムのジャケットにもなっているデスバレーに設置された巨大看板を映すライブ・ストリームが行われた。ただ、ほぼ何も起こらないその中継では、ときおり「LIVE」の文字が「LIE」に変わる瞬間があり、本当に生ライブ配信なのかどうかさえ分からない。その後、そのサイトはアルバムの詳細やツアー日程、ミュージック・ビデオのアップ等、新作についての情報を伝える内容となったが、それらの情報はいくつものポップアップ・ウィンドウで無造作に配置された、カオティックなデザイン。

また、新たに作られたTwitterアカウント(@EverythingNowCo)では、嘘か本当か判別できない企業とのタイアップ商品(車、コンドーム、シリアル、ロボット、イヤホン、ジーンズ等々)の情報が垂れ流され続けている。グローバル企業が知らない間に消費者の情報を吸い上げ、パーソナライズしてマーケティングに使用する世の中。フェイク・ニュース、ポスト真実といった言葉がメディアを賑わし、「無限のコンテンツ」に囲まれて、何が本当で何が嘘なのか、もはや誰にも分からない。『エヴリシング・ナウ』のテーマは、そんな現代社会の混沌とした状況そのものなのだ。

『リフレクター』から4年。アーケイド・ファイアが最新作『エヴリシング・ナウ』で示す本物の「バンド」の在り方 music_arcadefire_6
『エヴリシング・ナウ』ジャケット

新作リリースに合わせたインタビューにおいて、メンバーのリチャード・リード・パーリーは本作のテーマについて、こんなことを言っている。

「行き過ぎた商業主義だったり、なにもかもが商品と化してしまっていること、欲しいものはいつでもすぐに手が届く場所にあること……まさに我々が生きているこの時代の有り様、だね。ここにきて、昔デヴィッド・ボウイが言ったことが現実になったんだよ。彼は『いつか蛇口をひねれば音楽が流れてくるような時代が来る』と予言したんだ。ついにそういう時代がやって来たのさ。僕たちはそんな大きな変遷の過程を、実際に生きて体験するという奇妙な機会に恵まれた。ひとつの時代から全く違う時代へと。さらにこの先なにが起きるのか、さっぱり見当がつかない。っていうか、今の状況に対処する方法すら分からなくて、こんがらがった時代に当惑している。そういったことがアルバムに反映されているんだ。」(以下、リチャードの発言は全て同オフィシャル・インタビューから引用)

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青山晃大

青山晃大

ライター

1983年三重県生まれ、音楽ライター。〈サイン・マガジン〉〈CROSSBEAT〉他で執筆しています。最近はアメリカのヒップホップ・シーンに夢中。

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