【レポート】ブランキーのナンバーも轟く最高の夜！ 熱狂が止まない浅井健一のツアーファイナルをレポート！

浅井健一& Bad Teacher Kill Club
＜Pocky in Leatherboots Tour FINAL＞
2013.03.04（mon）＠SHIBUYA-AX

開演直前、フロア後方から「ベンジー！」　コールが起こる。若干不穏な空気が流れるかと思いきや、コールは間もなく伝染して、最終的には「せーの、ベンジー！！！」　にまで発展。予想だにしない煽りに笑い声も上がり、フロアは温かい空気に包まれる。まだステージ上には誰も姿を現していないのに、ベンジーこと浅井健一を迎えるための準備は万全だ。

2月6日の札幌公演を皮切りにスタートした＜Pocky In Leatherboots Tour＞は、渡辺圭一（ベース、HEATWAVE、JUDE）、加藤隆志（ギター、東京スカパラダイスオーケストラ）、茂木欣一（ドラム、東京スカパラダイスオーケストラ、FISHMANS）によるBad Teacher Kill Club（2月15日の福岡公演前に命名）と回り、バンドのアンサンブルとグルーヴを培ってきた。

ライブは最新アルバム『PIL』の収録曲“見た事もない鳥”からスタート。序盤にもかかわらず、モッシュどころかシンガロングとクラウドサーフが巻き起こり、早くもボルテージは最高潮に。“原爆とミルクシェイク” “BPR” “OLD PUNX VIDEO” “危険すぎる”とアッパーチューンが続く中、BLANKEY JET CITY時代からの往年のファンをはじめ、オーディエンスは絶妙のタイミングで合いの手を入れる。前半の攻撃的な展開とは対照的に、“MORRIS SACRAMENT”では、フロントの三人がギターとベースを揃って左右に振り、最後は上にかざすパフォーマンスを披露。オーディエンスも気持ち良さそうに体を揺らしていた。

とにかくこの日のライブは、最後まで凄まじい盛り上がりが続いた。それはツアーファイナルというトピックだけでなく、当日のセットリストも影響している。セットリストは『PIL』の収録曲が中心ながら、JUDEとPONTIACSの楽曲も盛り込んだベンジーの別プロジェクトにも触れるラインナップ。しかし、それだけではなかった。ライブ中盤に演奏されたのは、なんと“ガソリンの揺れかた”。イントロと同時に、ブランキーをリアルタイムで体験したファンが青春時代が蘇る。その瞬間、オーディエンスのテンションは限界点を超えた。なお、アンコールまでに演奏されたブランキーの楽曲は、“ガソリンの揺れかた” “SWEET DAYS” “SALINGER”“SKUNK”。思い出の数だけ、大歓声が上がり、拳も振り上がった。

欣ちゃんは「またとない最高の夜だね！」　と、あの欣ちゃんスマイル全開で感想を口にすると、加藤は「20代の頃から大きく影響を受けてきた」と、彼にとってベンジーが憧れの存在であることを感慨深く語る。「三人と一緒にやれてすごく嬉しい」と話すベンジーの言葉からも、JUDEのメンバーでもある渡辺を含めた浅井健一＆Bad Teacher Kill Clubとしての時間が充実感にあふれていることを物語っていた。

大団円で本編とアンコールが終わり、退場SEが流れるも、オーディエンスは一向に帰る気配がなく、ハンドクラップとベンジーコールを続ける。すると間もなくして、メンバーが再び登場。ダブルアンコールでは“SEA SIDE JET CITY”を演奏して、最後の最後までSpark！　ツアー以前のライブでも、ブランキーの楽曲を演奏することはあったが、この日は新旧の楽曲とバンド、オーディエンス、その全てが作用し合っていた。得体の知れないケミストリーが終わらない夜。今もあの興奮が残っている。

（text by Shota Kato［CONTRAST］）

セットリスト
01. 見た事もない鳥
02. 原爆とミルクシェイク
03. BPR
04. OLD PUNX VIDEO
05. GALAXY HEAD MEETING
06. 危険すぎる
07. FRED & SUSAN
08. MORRIS SACRAMENT
09. そーゆーこと
10. Locker Room’s Mirror
11. ガソリンの揺れかた
12. 人はなぜ
13. エーデルワイス
14. MAD SURFER
15. SWEET DAYS
16. DEVIL
17. WAY
18. SALINGER
19. LOVE LIVE LOVE
En1
01. Mona Lisa
02. SKUNK
03. チキチータブーツ
En2
04. SEA SIDE JET CITY

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