<ATP Iceland>のフェス飯について
最後に、フェスにおける大きな楽しみの一つ。“フェス飯”についても紹介しておこう。
<ATP Iceland>にも小規模ながらも、いくつか屋台が出店している。アイスランドは島国の為、とにかく魚介類が美味しいと聞いてはいたのだが、実際に食べてみたら、これが非常に美味しい。特に、アイスランドの名物だというロブスターのサンドウィッチと、如何にもヨーロッパのフェスらしいフィッシュ&チップスは絶品だった。また、アイスランドは水が綺麗なのも自慢で、水道水から直接水を飲むことは勿論、ビールがとても美味しいのも嬉しいポイントだ。
ただし、少しばかり物価が高いのが痛いところではあるが……ここは、フェスの高揚感に身を任せて細かいことは気にせず、現地のフェス飯を楽しみたいところである。
ちなみに、現地では何故か、寿司とラーメン(スペルは、“ramen”)の屋台も出店していた。……何故、アイスランドで寿司とラーメン(ramen)……?
もしかして、海外では、定番の屋台なのだろうか? 非常に疑問だが、そんなビザールな組み合わせもご愛嬌。こんな不思議な光景も、海外フェスの味だろう。
2016年も開催決定!是非とも、現地でその楽しさを実感すべし!
日本人には、なかなか馴染みの薄いアイスランド。知っているようで知らない国、アイスランド。
そんなアイスランドで開かれる<ATP Iceland>は、インディーロック、オルタナティヴ・ミュージックにおけるアイコンであるATPによる最高のステージングと、その先鋭的な音楽の数々と相反する自然豊かで牧歌的な景色が渾然一体となったアンビバレンツな魅力を持つフェスであった。
日本からの直行便がなく、現地入りに丸一日かかるという移動時間の長さは一つのネックだが、この時期はヨーロッパ各地でロックフェスが行われている為、スケジュールを調整すれば、ロンドンやコペンハーゲン、ヘルシンキといった中継点でフェスを楽しみ、その前後に<ATP Iceland>に参加する……なんて、贅沢な楽しみ方も可能だ。
また、アイスランドはヨーロッパ諸国の中でも非常に治安が良い国として知られている。その為、海外初心者のフェス参加における選択肢としてもピッタリだろう。現に、筆者も今回のアイスランドが人生初のヨーロッパ旅行だったが、滞在中は特に心配や不安を感じることもなく、<ATP Iceland>を心から楽しむことができた。
早くも来年度の開催が決定している<ATP Iceland>。夏を彩るロックフェスの一つとして、是非とも読者の音楽体験の一つに加えていただきたいところだ。