<FUJI ROCK FESTIVAL’17>
2017.07.30(SUN)
Bjork@GREEN STAGE

Björk(ビョーク)の出演が発表された時、勘の良い人はこう思ったかもしれない。「今年は雨が降るぞ」。2003年<フジロック>の来日時はもちろん、2013年<フジロック>の来日でも、ものすごい量の雨が降ったことが記憶に残っているためである。

最新作『Vulnicura』のプロデュースには、金曜日のレッド・マーキー深夜枠PLANET GROOVEで、エネルギッシュかつアブノーマルでハンパなくぶっ飛んだステージを観せてくれたArca(アルカ)が参加していた。

また今回、彼はビョークのパフォーマンスにDJとしても出演しており、『Vulnicura』の特徴であるストリングスは室屋光一郎ストリングスが担当、その音を再現する装置は揃っていた。

定刻になってパフォーマンスが始まると、オープニングナンバーは『Vulnicura』の1曲目でもある“Stonemilker”。一瞬でビョークの世界に引き込まれていく。

登場してからすぐに、変わることのない彼女特有の歌声だけでなく、進化を続ける彼女の服装はオーディエンスの(そしてSNS上でも)注目の的となった。

『Vulnicura』からの楽曲が中心であったが、披露された旧作の楽曲ほぼ全てがストリングスでアレンジされていた。スクリーンには蜂などによる弱肉強食を思わせるドキュメンタリー映像や、排卵の映像が映し出され、諸行無常を感じさせる。

これこそが、ビョークのパフォーマンスだけでしか味わえないものである。2011年リリースの『Biophilia』に収録されている“Mutual Core”で本編を終了させると、アンコールに応え“History of Touches”を演奏。

まだこの不思議な空間は続くのかと安堵したところで、“Hyperballad”のイントロが静かに始まった。以前の<フジロック>のパフォーマンスでは、途中からLFOの“Freak”がミックスされてダンスチューンと化していたが、今回はアルカらしい本能を刺激するような電子音が盛り込まれたバージョンになっていた。これもまた素晴らしくうっとりしてしまったのも束の間、花火が打ち上がり壮大なフィナーレを迎えた。

【フジロックライブ&フォトレポ】ビョーク、怖いぐらい美しくフジロックの最後を飾る bjork-170830-1-700x484
(C) Santiago Felipe
【フジロックライブ&フォトレポ】ビョーク、怖いぐらい美しくフジロックの最後を飾る bjork-170830-3-700x484
(C) Santiago Felipe

RELEASE INFORMATION

[amazonjs asin=”B00U9MYQP4″ locale=”JP” title=”ヴァルニキュラ”]

text by Qetic・船津晃一朗