＜コーチェラ＞でアーケイド・ファイアとも共演！ ミュージシャンからの愛されっぷり
“Heart Of Glass”の大ヒットで、一躍トップ・バンドの仲間入りを果たしたブロンディ。当時のデボラ・ハリー（愛称はデビー）はセックス・シンボルとして注目を集め映画界にも進出、その麗しき唇に億単位の保険（！）をかけるなど、音楽以外のトピックばかりが取り沙汰されてはいたものの、ブロンディがいかに素晴らしいバンドであったのかは、他でもない同業のアーティスト／ミュージシャンたちが証明している。
今年の＜フジロック・フェスティバル＞で来日予定のアーケイド・ファイアは、最終日のヘッドライナーを務めた4月の＜コーチェラ・フェスティバル＞においてデビーをステージに招き入れ、“Heart Of Glass”を共演。その1ヶ月前にも彼女はテキサスで開催された＜SXSW＞にて、LAのガールズ・バンド＝ダム・ダム・ガールズと共に“Dreaming”を熱唱しているし、過去にはラモーンズ、イギー・ポップ、エルヴィス・コステロ、モービー、フランツ・フェルディナンド、フォール・アウト・ボーイといった錚々たるメンツとコラボレーションを実現してきた。
Arcade Fire＆Blondie“Heart of Glass／Sprawl II” @ Coachella 2014
Dum Dum Girls＆Debbie Harry”Dreaming”（Live At SXSW）
03年に＜サマーソニック＞のため来日した際には、大トリのレディオヘッドやNYの後輩に当たるストロークスと同じ出演日だったのだが、熱烈な“ブロンディ信者”であるもう1組のヘッドライナー、ブラーのデーモン・アルバーンが「ブロンディを（こっちの日に）よこせ」と主催者に直談判したというエピソードは、ファンならずともご存知かもしれない（しかもデーモン、アーティスト写真でデビーのコスプレ経験も……。）
全盛期のブロンディは本国アメリカよりもイギリスで絶大な人気を誇っていたらしく、ダニー・ボイル監督の映画『トレインスポッティング』（96年）における、ディスコ→ベッド直行のシーンで流れるスリーパーの“銀河のアトミック（Atomic）”もまた、ブロンディのカヴァー曲だ。さらに、世界を席巻中のUKボーイズ・グループ＝ワン・ダイレクションによる、ブロンディの“どうせ恋だから（One Way Or Another）”とアンダートーンズの“Teenage Kicks”をマッシュアップしたチャリティ・シングルも（ノエル・ギャラガーからのDisも含め）大きな話題に。世代も国籍も超えてミュージシャンからの寵愛を受け続けているアイコン、それこそがデボラ・ハリーであり、ブロンディなのである。
SLEEPER“Atomic”（TRAINSPOTTING Soundtrack,1996）
One Direction“One Way Or Another”（Teenage Kicks）
