〈BLACK SMOKER〉の異端DJとしてカルト的人気を誇るBLUE BERRY a.k.a BABAが新作MIX CD『BACK TO THE STONED AGE(side A)』を自身主宰レーベル〈BLACK MOB ADDICT〉からリリースする。
ストリートノベル・サウンドトラックミックス「SMOKING BARREL」シリーズ、ジャズやビートに着目したフレッシュでドロドロ、サウンドフリーク感嘆のミックスを作り続けてきたBLUE BERRYが届ける最新作は「“90年代のクラブを再現した”ヒップホップ・ミックス」。ライター・二木信とレーベルによるコメントが到着している。
“90年代のクラブを再現した”ヒップホップ・ミックス!
これは単なるクラシックの見本市ではない。90年代のルードボーイの体験の再現だ!
あのBLUE BERRYの気迫に満ちたヒップホップ・ミックスだ。ベテランの好事家が熱くなるのは必至だろうし、一方、若い人の耳には新鮮に響くのではないかと想像する。なぜならここにはユニークなテーマがあるから。いま音楽の世界では、いよいよ“90年代リヴァイヴァル”の予兆を感じさせる作品を耳にしたり、批評を見かけたりする機会が増えてきた。そうしたタイミングで、00年代以降の国内のインディ・ヒップホップの礎を築き、10年代以降は世界的にみても稀有なアプローチでこのジャンルの総合芸術としての可能性に挑んできた重要レーベル〈ブラックスモーカー〉のDJが作り上げたのは、“90年代のクラブを再現した”ヒップホップ・ミックスだ。これは単なる偶然か、それとも必然か。いや、そんなことよりも、ヒップホップにおいて、数十年後の現在をも支える、このカルチャーの基盤が形成された90年代にDJを開始、キャリア初期ではターンテーブリズムを追求、その後、レゲエ/ダブ(ダンスホール、ニュールーツやダブステップ等を含む)、ジャズやロック(アヴァンギャルドやブルース・ロック等々を含む)などを貪り聴きDJプレイで混ぜまくってきたBLUE BERRYが、自身の原点に立ち返ったことが、このミックスの最大の個性であり魅力なのだ。主に90年代前半の米国東海岸の楽曲(ビッグ・ダディ・ケイン、ブランド・ヌビアン、EPMD、ジェルー、ATCQ等々)、あるいは、ジェイ・Zやビッグ・パン&ファット・ジョーのあの名曲等々を矢継ぎ早に、荒々しく繰り出していく。しかしこれは間違っても、整然とした博物館や90年代クラシックのお行儀の良い見本市ではない。90年代にヒップホップ・クラブで遊び倒したルードボーイが、その濃密な体験を、ミックスという創造行為で再現したものである。ほぼレコードでプレイされ、秘密の機材を通したファットなサウンドは、過去であり、現在であり、未来だ。説得力が他とは違うに決まっている。(二木信)
レーベルコメント
「どんなえらい奴が来てもキミはキミの夢を主張できるかい? 俺は主張できるよ。だって俺は最高のダイヤモンドさ HEY、キミは違うのかい? キミが最高のダイヤモンドじゃないなんて初耳だな。」そんな事を言えてた90年代はもう過去のことさ 個性豊かなキャラクターが群雄割拠していた クラブからクラブへ移っても誰もがスターでいた 冬将軍が現れるとストーブの前でストーンしてストーリーを 回想させられる コンテンポラリーもいいけどアバンギャルドだろってさまずは「SIDE A」こいつは序の口に過ぎない これが言葉の汚ねえラップ・ミュージック!!