1996年、フランソワ・ケヴォーキアン、ダニー・クリヴィット、ジョー・クラウゼルの3人のレジェンドによってスタートした伝説的なパーティ、<Body & SOUL>が今年で20周年を迎える。2002年からは日本でも開催されており、今年は6月12日(日)に晴海客船ターミナルでおこなわれる。今回の特集では20周年を記念し、改めてこの偉大なるパーティの歩みや魅力を振り返ってみたいと思う。

<Body & SOUL>が誕生した場所は、ニューヨークのトライベッカ地区にあったクラブ「VINYL」。1996年7月にはじめてフランソワ・ケヴォーキアン、ダニー・クリヴィットの2人が一緒にプレイしたのが最初のきっかけで、その数日後のラリー・レヴァンのバースディ・パーティで前出の2人にジョー・クラウゼルを加えた3人が一緒にプレイし、現在のスタイル(3人によるバック・トゥ・バック)が生まれたとされている。これをレギュラー化するべく、音響設備やコンセプトをはじめ、あらゆる観点から精査がおこなわれ、3人が選び出したヴェニューが「VINYL」であり、日曜日の午後からスタートするサンデー・アフタヌーン・パーティというスタイルであり、<Body & SOUL>というコンセプトだった。

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Body & SOUL Live in Tokyo 2005@velfarre

<Body & SOUL>をはじめるにあたり、彼らがお手本にしたのは、1960年代後半にニューヨークでデヴィッド・マンキューソが創始した伝説のパーティ<THE LOFT>(特に初期の)だという。デヴィッド・マンキューソとはこの地のパーティ・シーンにおけるゴッドファーザー的な存在であり、<THE LOFT>とはかのラリー・レヴァンの<パラダイス・ガラージ>やニッキー・シアーノの<ギャラリー>にも影響を与えたこの地のアンダーグラウンドなクラブ・パーティの源流ともいえるパーティとして現在に語り継がれている。

初期の<THE LOFT>はデヴィッド・マンキューソの自宅に独自のサウンド・システムを構築し、インビテーションを持つ者にのみ参加を許可、アットホームなプライベート・パーティのような空間でおこなわれていたという。というと、どこか排他的なイメージを持つかもしれないが、決してそういうわけではなく、商業的なディスコに異を唱え、音楽を愛する者たちやアウトサイダーたちのための理想の空間を作りたいというデヴィッドの妥協なき信念を具現化したものが<THE LOFT>であった。そこでは人種や性や年齢やライフスタイルの壁がなく、誰もが音楽に身をゆだね、魂を開放することができた。「最も理想的なパーティは?」という問いに対して、<THE LOFT>を挙げる人はいまだに少なくない。

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加藤直宏

加藤直宏

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