世界最大規模の野外音楽フェス<コーチェラ(Coachella Valley Music and Arts Festival)>が、今年も4月12日(金)〜14日(日)と19日(金)〜21日(日)の計6日間に渡り開催される。1月早々にラインナップが発表され、日本からはPerfumeの出演も決定し、これまで以上に様々な層に話題だが、今年も嬉しいライブストリーミングが決定した。
豪華ラインナップはもちろん、時代を象徴するパフォーマンスが生まれることでも定評のあるコーチェラ。昨年、女性アーティストとして初のヘッドライナーを務めたビヨンセはなんとTwitterのトレンドで8時間1位をキープ、ステージ自体のクオリティも見どころだ。しかも毎年のラインナップは日本でのフジロックやサマソニの出演者の希望的観測として音楽ファンには重要事項。
さぁ、各日見逃せないアーティストを紹介していこう。
【金曜日:4/12&19】
チャイルディッシュ・ガンビーノ
Childish Gambino – This Is America (Official Video)
まずは昨年発表した“This is America”のミュージックビデオがアメリカで1週間で1億回以上再生(現在、世界で48億回再生に迫る勢い)されたチャイルディッシュ・ガンビーノ。単なる銃規制問題ではなく、アメリカの複雑な人種問題を膨大な比喩を用いた表現は世界で高く評価された。
その切り口と音楽性で第61回グラミー賞で年間最優秀楽曲賞、年間最優秀レコード賞の主要2部門計4部門の最多受賞となった。俳優ドナルド・グローヴァーのラッパー名義で、昨年をもって音楽活動を休止というアナウンスがあったが、その予定は目下延期中。とはいえ、次作がラストアルバムという情報は確実で、自ずとキャリアの集大成的なステージになることは確実だろう。
ジャネール・モネイ
Janelle Monáe – Make Me Feel [Official Music Video]
なんとフジロックへの初登場も決まったジャネール・モネイ。最新アルバム『Dirty Computer』は第61回グラミー賞最優秀アルバム賞ノミネートに終わったが、存在感を見せた。生前のプリンスが関わった本作には、プリンス“Kiss”時代のエレガンスと実験性の香りが確かに存在。
またアルバムにはファレル・ウィリアムス、ブライアン・ウィルソン、グライムスといった多彩なゲストが顔を揃えている。映画『ムーンライト』や『ドリーム』での存在感のある演技でも注目され、またパンセクシャル(全性愛主義者)であることも表明。そのスタンスをミュージックビデオでも表現しているだけに、ステージ演出にも注目したい。
The 1975
The 1975 – Sincerity Is Scary (Official Video)
バンドというスタイルが苦戦を強いられる昨今、新作『ネット上の人間関係についての簡単な調査』で、ポップミュージックの最前線に帰還した印象のあるThe 1975。フィジカルでセクシーなこれまでのイメージから一転、ギターとピアノ主体の曲、ポストエレクトロニカ、オーガニックR&Bなど楽曲のバラエティが時代を反映している。今年5月には本作と2部作となる『Notes on a Conditional Form』のリリースもアナウンスされており、コーチェラでもこの2作を軸にしたステージが見られるのではないか? 何しろサマソニ出演がすでに決定しているわけでモチベーションを高めるにはうってつけだ。