年共演したピーター・フックから絶賛され、今春、マンチェスターが誇る伝説のクラブ 「FACTORY 251」での公演を含むUKツアーも成功を収めたDAMAGE。新作リリースも待ち遠しい彼らだが、UKツアー時の滞在記が届いた。DAMAGEがUKで感じた体験とは? 4回に渡ってお届けするので是非楽しんでほしい。

DAMAGE:UKツアー滞在記③

“運命とは、最もふさわしい場所へとあなたの魂を運ぶ。” W.シェークスピア

ここだけの話。90年代の洋楽をリアルタイムで聴いて10代を過ごした。ニルヴァーナにストーンローセズetc…。でも、好きになればなるほど、距離を感じるようになった。当たり前だけどカート・コバーンはアメリカ人で、イアン・ブラウンはイギリス人、ぼくたち日本人に向けて歌っていない。そう考えると、なんとなく借り物のような気がしたのだ。かといって、当時の邦楽は一部を除いて、歌謡曲にロックのビートが入ったようなものばかりで、何だか違う…。そうして、なんとなく音楽自体から遠ざかっていった。

そんな時、DAMAGEを観た。顔が火照った。ドキドキした。DAMAGEは洋楽を消化して「これが自分たちの音楽だ!」と、心の底から思える曲を演奏していたのだ。今から10年前のこと。

そして、ファンの一人として、DAMAGEが海外でどのように受け取られるのか見てみたいと思った。

それが実現し、まさかぼくがDAMAGEに加入してUKツアーへ行く事になるとは。その時は考えてもみなかったが…。

神様はたまにアジなことをする。

とういわけで、UKツアー。ラストはカムデンタウンの「Dublin Castle」だ。手前がパブ、奥がライブハウスという設計で建物全体から歴史を感じる。マッドネスやブラーを輩出した老舗で、エイミー・ワインハウスも働いていたらしい。「ロンドンでバンドをやるなら、ここでやって一人前」と聞き、気合が入る。

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その日は、地元ロンドンで活動する4バンドと共演だった。芯のしっかりしたロックンロールバンドが多く、打ち込みを使っているのはDAMAGEだけだったが、バッド・ブレインズを彷彿させるドレッドのPAさんが抜群の仕事をしてくれる。グレイト!

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日本ではアンプやドラムセットはライブハウスに用意されているが、イギリスではバンドが自分たちの機材を持ち寄る。対バンの人にアンプのレンタルを申し出ると、快く承諾してくれた。ただしドラムのシンバルやハイハットは、乱暴に叩かないようにと注意される。シンバル類は「breakable」(壊れ物)という扱いでドラマーが私物を用意するのだ。マンチェスターで借り物を思いっきり叩いて大目玉を食らった事を思い出す…。ドラムは大きい音が格好いいと考えていたが、イギリスでは軽く叩き、出音はPAに任せるのがクールらしい。

日が沈みいよいよロンドン最後の夜がはじまる!

ライブは3番手。パブにいたお客さんが徐々にフロアへ集まってくる。イギリスでのライブも3回目とあって、ぼくらもリラックスして演奏に集中できた。こちらが楽しんでやっていると客席にも伝わる。日本から来たバンドを物珍しそうに見ていた人たちも、最後にはビール片手に踊りだした!

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ライブが終わると、スイスのクラブマネージャーに声を掛けられた。オフを利用してバンドを探しにきていたそう。

「ヨーロッパ・ツアーをやる時は是非スイスに来てくれ」 と、出演オファーを貰う! 

「エレクトリックでチルでパンク」

マネージャーはDAMAGEの音楽性をドンピシャで言い当て

「オリエンタ~ル」とため息を吐いた。

ここからはぼくの勝手な想像だが、ヨーロッパの人がDAMAGEを観て思う感覚は、もしかするとぼくら日本人がアジアのドラマを楽しむ感じに似ているのかもしれない。

アジアのドラマの中には、日本のドラマの演出やストーリーを手本に作られているものが多い。そんな作品を見ると、自分たちが慣れ親しんた表現が翻訳されていることを不思議に感じつつ、日本と同じようでいて微妙に違う部分に、新鮮さや、その国の情緒を感じる。それが面白い。

自分たちは意識していないが、DAMAGEの音楽にも日本的な部分が出ているのかもしれない。

スイス人のマネージャーから「オリエンタ~ル」と評されて、そんな事を思った…。

以上で、DAMAGEのUKツアーは終了!

そうだ、イギリスで演奏した新曲は7月10日(水)発売の『QUADROPHENIX』に全部入ってます!

次回は、総集編!

text by MxRxMxN(DAMAGE)


Release Information

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