MCバトルブームに続いて、スキルフルなDJ同士が戦う<Redbull 3 STYLE>や<OUTLOOK FESTIVAL(ROAD TO OUTLOOK)>などの大会が世界規模で開催され注目を集めています。今回は、8月26日(土)に渋谷WOMBで開催された、DJの技を競う歴史ある大会<DMC JAPAN FINAL>の模様をお伝えします。今年シングル部門で優勝したDJ RENAは、なんと弱冠12歳でした。
<DMC>関東予選大会の会場にはR指定とDOTAMAの姿も!
まずは<DMC(Disco Mix Club)>について簡単に解説します。<DMC>はロンドンでスタートした35年の歴史を持つDJの世界大会で、出場するDJはターンテーブリストと呼ばれ、2台のターンテーブルとミキサーでスキルを競い合います。
<DMC JAPAN>は、シングルとバトルの2部門で構成されています。シングル部門では全国7カ所で行われる予選に勝ち抜いたDJ、バトル部門では公募のビデオ審査を通過したDJがそれぞれJAPAN FINALのステージで戦い、そこで優勝したDJだけが、10月にロンドンで行われる世界大会への出場権を獲得できます。
ターンテーブリストといっても、あまり馴染みがないかもしれませんが、実は有名ラッパーと組んでいる人もいるので、まとめてみました。
サイプレス上野:ロベルト吉野
晋平太:PACHI-YELLOW
ACE:DJ SION
DOTAMA:DJ YU-TA
R指定:DJ松永
やはりラッパーも、腕のあるターンテーブリストと組みたいのかもしれません。
6月にageHaで行われたDMC関東予選大会シングル部門には、R指定のバックDJであるDJ松永と、DOTAMAのバックDJであるDJ YU-TAが出場しました。会場では、R指定とDOTAMAがそれぞれ応援に来ている姿が目撃されています。
次にDMCを楽しむためにおさえておきたい審査のポイントを紹介します。
・技術:スクラッチやビートジャグリングなど。
・パフォーマンス:ボディトリックやワードプレイ(音源にある言葉をつなぎ合わせる)など。
・エンターテイメント:構成力や選曲など。
細かいポイントはたくさんありますが、ひとまず上記の3つをおさえておけば、ターンテーブリストのルーティン(プレイ)が楽しめます。
シングル部門の王者DJ RENAは中学1年生!?
ここからは、<DMC JAPAN FINAL>についてお伝えします。まずはシングル部門から。
シングル部門では、地方予選大会を勝ち抜いてきたDJのみがJAPAN FINALの舞台に進むことができ、コンテスト形式で順番に6分間のルーティンを披露していきます。会場が盛り上がるシングル部門の結果は……。
第3位はDJ松永。R指定とのユニットCreepyNutsでの活躍と、2016年のJAPAN FINALで第2位だったという成績により、多方面から今年の優勝候補と注目されていました。トラックメイカーならではの構成能力で考え抜かれ、緩急を付けたルーティンは素晴らしいものでしたが、結果発表に観客は一様にどよめきました。
第2位はDJ BUCK$。今年の<DMC>ではチェックしていなかった人も多く、新しいキャラクター誕生の瞬間でした。突如PCからUSBを引き抜き、アナログレコードで宇宙を表現する斬新なルーティンに、その場にいた全員の視線と耳が釘付けに。
第1位は若干12歳のDJ RENAでした。技術面では完璧なオペレーションを保ちつつも、子どもらしい柔軟さを併せ持ち、臆することなくのびのびとしたプレイを披露。中学1年生という年齢のアドバンテージを差し引いても堂々たるステージングで観客を魅了し、第1位を獲得しました。
<DMC>世界最年少チャンピオンホルダーはA-Trak/当時15歳ですが、DJ RENAならその記録を塗り替えてくれるのではないでしょうか。
舞台裏ではDJブースの高さに身長を合わせるため、今年も特製の足場をお父さんが作ってきてくれていました。(写真はリハーサル時のものです)。
DJ RENAに優勝の感想を聞くと、「世界を目標に練習してきました。そのために<DMC WORLD>のDVDばかり見てイメージしていました! 僕に足りないところは身長だけです(笑)。世界チャンピオン目指してがんばってきます!」と答えてくれました。