——フォーメーションのサウンドは、ベースとドラム、それにカウベルからなるダンス・グルーヴにも特徴があります。そのインスピレーション源はどこから得たものですか?

ウィル カウベルを使うアイデアは、アフリカの音楽から着想を得てる。例えば、フェラ・クティとか。

ジョニー リズム・セクションで影響を受けたと思うのは、ジェームス・ブラウンとかのファンクだね。あとは、イエスのようなプログレッシヴ・ロックにも。ベースとドラムの作用って意味では、ヒップホップのサンプリング・ビートも参考にしてるよ。

カイ その黒いビートに、パンク・アティチュードを加えてるんだ。 

【インタビュー】分断を超えていく。フォーメーションが放つ唯一無二のグルーヴ、そして「自由」とは formation__F7Q6987-700x467

——確かに、フォーメーションの音楽からは一つのジャンル、シーンに留まらない、多様な音楽からの影響を感じます。

マット 自然とそうなっていくんだ。俺たちはみんな、たくさんの異なった影響を受けてきている。もちろん同じ音楽を楽しんでる時もあるけど、みんなバラバラの音楽を聴いている場合だって多い。それが出ているんだと思う。

——ちなみに、それぞれのメンバーが好きな音楽を教えてください。

マット 最近だと、パフューム・ジーニアスの新しいアルバムは素晴らしかったな。」

ウィル 俺はジャズが好きなんだ。

カイ 自分はずっとヒップホップを聴いて育ってきた。

ジョニー ノイズだね。全ての音っていうのは、つまりはノイズなんだよ(笑)。

サシュ 俺もヒップホップとかパンク・ロックをたくさん聴いてきたよ。

——多様なバックグラウンドを持つフォーメーションの音楽を、あえて一つの単語で表すとしたら何?

マット うーん、難しいな。Goodとか(笑)。

ウィル たぶん……、Freedom(自由)が一番良い言葉なんじゃないかな!

——『ルック・アット・ザ・パワフル・ピープル』というのは、ジノ・ヴァネリが1974年に発表したアルバム『パワフル・ピープル』のタイトル・トラックからの引用だそうですが、そのタイトルに決めたのはなぜ?

ウィル ジノ・ヴァネリのあの曲は本当に素晴らしい曲なんだ。彼が《Look at the powerful people》っていう最初のラインを歌い出すと、まっすぐにそのリリックの感情が伝わってくる。アルバム・タイトルとしても、その言葉を引用することに意味があると思ったんだよ。

——フォーメーションの“パワフル・ピープル”は、マイク・スキナー(元ザ・ストリーツ)がMVの監督を務めています。彼との出会いについて教えてください。

ウィル レーベルを通して知り合ったんだ。マイク・スキナーがミュージック・ビデオを撮りたいってことで、いろんなレーベルにアプローチしていたみたいで、それで彼に監督してもらうことになった。

マット その話を聞いて、「イエス!」って即答したよ。だって、あのマイク・スキナーなんだから! 俺らはただ彼と一緒につるんでみたかったんだ。

——バイカーが派手に走り回るあのビデオのアイデアを聞いた時、どう思いましたか?

ウィル 俺たちもあんな感じになるとは思ってもいなかったよ! 現場にいるのは、俺たちとバイカーと彼だけで、安全性も何もなかった(笑)。マイクは想像してた通り、本当にクールな人だったけどね。

マット 同時期に、マイクが彼らバイカーのドキュメンタリーを撮影してたんだ。それで彼らにミュージック・ビデオに出てみないかって交渉して、ああいうビデオになった。

——ザ・ストリーツ(The Streets)の音楽は、あなた方にも多少なりとも影響を与えていますよね。

ウィル もちろん! 彼の音楽はとてもユニークで誰とも似てない場所から来ている。そして、あの当時に本当に様々な人達に届く音楽になったんだ。彼がやったことは誰にも出来なかったし、あんな音楽は他にないよ。俺たちもそうなれたらいいな、とは思ってる。

【インタビュー】分断を超えていく。フォーメーションが放つ唯一無二のグルーヴ、そして「自由」とは formation__F7Q7067-700x467
——イギリスのストリートで生きる若者のリアルを描写した歌詞の面で、フォーメーションとストリーツには通じる所もあると思います。

ウィル ザ・ストリーツの歌詞はもっとパーソナルで、ある意味ジャーナリスト的なアプローチだと思う。でも、俺の書く歌詞は政治的な部分もありつつ、それに広がりを持たせた言葉にしている。共通しているのは、そこにとてもポジティヴなメッセージが含まれているところかな。ストリーツの場合はそれをもっと面白おかしく表現しているけど、ポジティヴでクリエイティヴな言葉を伝えたいって意味では同じだね。

——フォーメーションのホームページを見ると、トップに「WE ARE NO LONGER INDIVIDUALS/WE ARE THE POWERFUL PEOPLE(我々はもはや個人ではない/パワフル・ピープルなんだ)」というラインから始まるスローガンが掲載されています。これはイギリスのEU離脱問題(通称ブレグジット)など、分断が目立つ現代社会に対する意思表示とも取れるのですが、いかがですか。

ウィル そうだね。でも、それだけじゃなくて、あらゆる西洋社会の分断を超えていくための言葉なんだ。1つの物事に対してのステートメントというよりも、ユニヴァーサルなメッセージなんだよ。だから、もしかしたら日本語のバージョンも用意した方がいいかもしれない(笑)。

——では、最後にこれから目指す目標があれば、教えてください。

マット まずは、また日本に戻って来る! あとはセカンド・アルバムを作ることだね。もっと多様性があって、もっとたくさんの楽器を使ったりして、ファーストとも全く違った作品にしたい。

サシュ ギターとかね!(笑)。

【インタビュー】分断を超えていく。フォーメーションが放つ唯一無二のグルーヴ、そして「自由」とは formation__F7Q7002-700x467 【インタビュー】分断を超えていく。フォーメーションが放つ唯一無二のグルーヴ、そして「自由」とは formation__F7Q7118-700x467 【インタビュー】分断を超えていく。フォーメーションが放つ唯一無二のグルーヴ、そして「自由」とは formation_F7Q7090-700x467 【インタビュー】分断を超えていく。フォーメーションが放つ唯一無二のグルーヴ、そして「自由」とは formation__F7Q7140-700x467

RELEASE INFORMATION

ルック・アット・ザ・パワフル・ピープル

NOW ON SALE
フォーメーション
HSE-6400
¥2,400(+tax)
[amazonjs asin=”B06WP5HM3J” locale=”JP” title=”ルック・アット・ザ・パワフル・ピープル”]
詳細はこちら