タワーレコード渋谷店・北爪さん
⇒ Three O’Clock/ザ・スリー・オクロック
出演日:2日目 12:40 レッドマーキー
驚いた。80年代末に解散したはずのザ・スリー・オクロックが初来日、しかもその舞台が<フジロック>だなんて……! といっても、多くの若いリスナーの方々にとっては「なんやそれ?」に違いないだろうし、今まで再評価めいた動きもたいしてなかったバンドなのでそれも仕方ないだろう。80年代前半のL.A.で勃興した60’s回帰的ムーブメント「ペイズリー・アンダーグラウンド」から登場したバンドだが、他の連中がヴェルヴェッツやドアーズ直系のサイケ・ロックを奏でるなか、彼らはとにかく図抜けてキャッチーであった。モンキーズばりのバブルガムでファニーなパワーポップ風のサウンドと、マイケル・クエシオの甘酸っぱいにも程があるヴォーカルには、青春丸出しのキラキラとした魅力があったのだ。どうやら2013年にこっそり再結成したようだが、昨年のコーチェラの映像を観ても、その胸躍るサウンドは相変わらずで涙が出そうになった。確かにイマドキ感は皆無だ。けれどそれは「いまこんなバンドは他にいない」ということでもある。そう思うと、なんだかちょっとカッコイイじゃないか。
Hostess Entertainment(レーベル)・飯沢さん
⇒ WILD BEASTS/ワイルド・ビースツ
出演日:1日目 14:50~ ホワイトステージ
念願の初来日! UKアートロック界を代表するバンド、ワイルド・ビースツ! 2008年にデビュー・アルバムをリリースして以降、6年かかってついに初来日を果たします(泣)。この日をどれだけ首を長くして待っていた事でしょう。ザ・エックス・エックスが注目される中、彼らも地道に近年のUKインディー・シーンを盛り上げてきたからこそ、アルト・ジェイ等が注目されるようになったんだよ! と私は勝手に思っています。出てきた当初はちょび髭&白のタンクトップ姿にファルセット・ボイスという奇天烈な印象を持った人もいるでしょうが、その後彼らは耽美な独自の世界観を極め、マーキュリー・プライズにノミネート、NMEやガーディアン誌等様々なメディアの年間ベストアルバム上位に選出、今年リリースされた最新作『プレゼント・テンス』はついにUKチャートトップ10にチャートインするなど、満を持しての来日となります。ちなみに先日行われた<グラストンベリー・フェスティバル>に出演、パフォーマンスが絶賛されていました。日本で観れるこの機会、逃すわけにはいきません!
Qetic・wb
⇒ THE HEAVY/ザ・ヘヴィー
出演日:2日目 11:00~ グリーンステージ
小栗旬が“桃太郎”を演じた「ペプシネックス ゼロ」のCMで起用された“Same Ol’”がYouTubeで120万回以上再生されるなど大きな話題となったザ・ヘヴィー。彼らのデビューから追っている者からしてこの日本でのブレイクは嬉しくてたまらない。ヘヴィー・ロックなギターとベース、そしてリズムはヒップホップ以降の現代の感覚も感じさせるサウンド・プロダクション、そこに加わるのは黒人ヴォーカル、スワビーが歌うブルージーなソウル。米人気番組「レイト・ショー・ウィズ・ デイヴィッド・レターマン」に出演した際にレターマンがアンコールをリクエストするという前代未聞の伝説も残す彼らの熱いライブが<フジロック>で日本初見参! 2日目の時間は早めだが大舞台グリーンステージでこれは見逃し厳禁だろう。
Qetic・石田
⇒ THE ROOSTERS/ザ・ルースターズ
出演:3日目 17:30~ グリーンステージ
「めんたいロック」を代表し、ミッシェル・ガン・エレファントなど多くのフォロワーを生み出した伝説のバンド、ルースターズ。男の渋さとはなんたるかをウブだった私に教えてくれた彼らの正式な解散ライブが行われたのが2004年の<フジロック>でした。ギラついて尖ったナイフのようなライブパフォーマンスはまだまだ失われていなかった! と、後から動画を見て嬉しくなったものです(笑)。そして2014年。結成35周年を迎えた今年、“恋をしようよ”や“Rosie”など名曲揃いのアルバム『THE ROOSTERS』(80年)を発表した当時の初期メンバーが苗場に帰ってきます! 長い活動期間の中でメンバーチェンジを繰り返し、シンプルなR&Rからパンクロック、さらにはニュー・ウェイヴに傾倒したりと様々な音楽性を模索し続けた彼ら。近年は徐々に活動を広げてきおり、今年の<フジロック>はウォーミングアップで体が温まっている状態でのライブが見れるのでは。今度こそ動画ではなく生で「テキーラ!!」を叫びたい! 伝説はまだまだ終わらないでしょう!!