コラムニスト・宮沢香奈の予想(from ベルリン)

★年間最優秀アルバム
コールドプレイ『ゴースト・ストーリーズ』

選んだ理由:
コールドプレイの通算6枚目となる今作は、ファンの間でも原点回帰と賛されているアルバムであり、世界の<グラミー>である年間最優秀アルバムに最も相応しいのでは? と思っています。<ピープルズ・チョイス・アワード>のアルバム賞にノミネートされたこともあり、その期待はさらにアップ!! アルバムの中に収録されている先行リリースされたシングル曲“Magic”や“Midnight”をはじめ、コールドプレイらしい、メランコリックで美しいロックが胸の奥に響く素晴らしい作品集です。

★個人的に気になるで賞「ミュージックビデオ部門」
FKAツイッグス“Two Weeks”

選んだ理由:
海外アーティストのミュークビデオは映像美とストーリー性も高く、見ているだけでおもしろいため、<グラミー>の中でもミュージックビデオ部門が特に気になります。今年は、ファッショニスタからも注目されているFKAツイッグスの“Two Weeks”がノミネートされるのでは? と思っています。フレンチヴォーグ監修のもと制作されたとあって、不気味な美しさの中にモードを感じる作品で、衣装も素晴らしいです。

コラムニスト・nekomeguro Londonの予想(from ロンドン)

★年間最優秀アルバム
サム・スミス『イン・ザ・ロンリー・アワー』

選んだ理由:
イギリスに住んでいてこの男を押さないわけにはいかない! UK国内だけでも<グラストンベリー>を筆頭に数多くのフェスティバルに参加し、ヘッドライナーを超すステージングを披露するなんて当たり前。もちろん秋からの単独公演も全てSOLD OUT! 今年の音楽シーンを語る上では外せない存在サム・スミス。「金のためじゃなく、愛のために唄を書く」(#1 MONEY ON MY MIND 歌詞)、この男、本物、色気ハンパナイ。

★個人的に気になるで賞「最優秀新人賞」
ヴァンス・ジョイ

選んだ理由:
オーストラリア出身のシンガー・ソングライター、ヴァンス・ジョイ。オーストラリア人の友人に彼の存在を教えてもらったのは2013年の夏。既に地元で圧倒的な評価を得ていた彼は、今年はデビューアルバムを引っさげ、UK、USでもツアーを敢行。英グラスゴーで11月に行われたMTVアワードでも代表曲「Riptide」を披露するなど、じわじわと世界的なムーブメントに。マムフォード・アンド・サンズに続くフォークの天才に1票!

元編集部・山田泰介の予想(from ニューヨーク)

★年間最優秀アルバム
アーケイド・ファイア『リフレクター』

選んだ理由:
現地のメディアではビヨンセやファレル・ウィリアムス、サム・スミスといった予想が数多く出ていますが、2011年以来ここでまたアーケイド・ファイアがノミネートされたら面白いのでは? と思い、チョイス。特異なプロモーション、楽曲の素晴らしさ含めて評価してもらいたいところです。ヘッドライナーを飾った今年の<フジロック>での好演も記憶に新しいだけにどうか勢いをつけてオルタナミュージックの素晴らしさをまた世界に届けて欲しい!!

★個人的に気になるで賞「最優秀楽曲賞映画、テレビ、その他映像部門」
スパイク・ジョーンズ&カレンO -“The Moon Song”(『her/世界にひとつだけの彼女』)

選んだ理由:
今年6月に公開されたスパイク・ジョーンズ最新作『her/世界にひとつだけの彼女』の主題歌“The Moon Song”を選曲。センシティブな愛や恋について描いた世界観とカレン・Oの歌声が重なった瞬間のあの切なさといったら『アナ雪』の“レリゴー”にも劣っていないはず。余談ですが、タムくんの愛称で知られる、アニメーション作家のウィスット・ポンニミットが手がけた映像も素晴らしいので、ぜひチェックしてみてください。

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――振り返れば、2014年はエイフェックス・ツインやピンク・フロイドのようなカムバック組をはじめ、U2、コールドプレイ、フー・ファイターズ、カサビアンら大物/中堅ロック・バンドも充実した新作を届けてくれましたし、シーア、アリアナ・グランデ、FKAツイッグス、最後の最後で傑作ニュー・アルバム『1989』をドロップしたテイラー・スウィフトといった女性シンガーソングライターの活躍も話題に事欠きませんでした(もちろんEDMの隆盛も)。

しかし、12年がアデル、13年がゴティエやマムフォード・アンド・サンズ、そして昨年がダフト・パンクと明らかにその年の「本命」と呼べる候補者がいたことを踏まえると、<第57回グラミー賞>は実に予想が難しいと同時に、久々の番狂わせも期待できる“神回”となる可能性があるかもしれません……。1月から2月は来日ラッシュが控えており、ただでさえ洋楽ラヴァーにはウハウハな季節でもありますが、Qeticでは引き続き<グラミー賞>のゆくえを追っていく予定です。続報を待たれよ!

(text by UK)

Program Information

グラミー賞ノミネーションコンサート

2014.12.06(土)14:00 ※無料放送
放送チャンネル:WOWOWプライム

2014. 12.13(土)22:30 ※字幕版
放送チャンネル:WOWOWライブ

収録日:2014.11.18(火)
収録場所:アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス シュライン・オーディトリアム
出演:アリアナ・グランデ、ファレル・ウィリアムス、マルーン5、ティム・マックグロウ