もなく師走ということで、各国のメディアやレーベルが「年間ベスト・アルバム」などのランキングを次々と発表しておりますが、買い逃がしたCD/レコードの捕獲や、自分なりのリスト作成に奔走する読者も多いのではないでしょうか? そんな中で、ついつい動向を追ってしまうのが世界最高峰の音楽の祭典<グラミー賞>です。

来年2月に授賞式が行われる<第57回グラミー賞>のノミネーションは、12月5日(アメリカ現地時間)に米CBSのモーニングショーで発表されます。その夜、ノミネーション発表を盛り上げるノミネーションコンサートが放送され、その中で年間最優秀アルバムの候補作品が発表されることになっています。日本では同日の12月6日(日本時間)14時よりWOWOWにて無料放送でオンエア。先日、LAのシュライン・オーディトリアムにて<A Very GRAMMY Christmas>と銘打って開催されたこのノミネーションコンサートでは、過去に受賞歴のあるマルーン5、ティム・マックグロウ、ファレル・ウィリアムス、さらにアリアナ・グランデ&恋人のビッグ・ショーンといった豪華面々がライヴ・パフォーマンスを披露しています。

そこでQeticでは、今年もライター陣&編集部の独断と偏見でノミネーション予想をブチ上げます。予想したのは、もっとも栄誉ある賞のひとつ「年間最優秀アルバム」と、「個人的に気になるで賞」の2つずつ。東京のみならずベルリン、ロンドン、ニューヨークという主要4都市に在住するライター/コラムニストからもアンケートを実施して、昨年よりもグッとワールドワイドな内容になりました。知らなかったアーティストやバンドがいたら、ぜひYouTube動画もチェックを!

ライター・UK氏の予想(from 東京)

★年間最優秀アルバム
セイント・ヴィンセント『セイント・ヴィンセント』

選んだ理由:
4作目にしてセルフ・タイトルを冠した超・意欲作。マシナリーなビート&奇天烈ギターが絡むシングル曲を筆頭に、尋常ならざるテンションで突っ走る女帝アニー・クラークの本領発揮とも呼べる1枚で、パフォーミングアーツにも迫る<フジロック>のステージも最高でした。LAのグラミー・ミュージアムでもライヴを披露しているし、プロデュースを手がけた盟友ジョン・コングルトンは過去にノミネート経験がある人物だけに、期待大。

★個人的に気になるで賞「年間最優秀楽曲」
シーア – “Chandelier”

選んだ理由:
『ファーストクラス』のCMに使われたのはビックリでしたが、この圧倒的な歌唱力/表現力に胸を打たれるリスナーは数知れず(ビデオも3億PV突破)。元々はリアーナに提供予定だったこともあり、キャリア史上最もキャッチーな楽曲ですが、恋人の事故死やアルコール&ドラッグ中毒といった悲劇を背負っている点も忘れてはなりません。新作のプロモやTVライヴでは一貫して顔出しを拒否してますが、またあの笑顔を見たいです。

編集部・ヤーマネの予想(from 東京)

★年間最優秀アルバム
エド・シーラン『x』

選んだ理由:
<第55回グラミー賞>で受賞は逃したものの、エルトン・ジョンとのパフォーマンスで一気に注目度が上昇したエド。その後はテイラー・スウィフトとのツアーや人気映画の主題歌起用、と話題に事欠かず。今年6月に満を持して発表された2ndにはファレル・ウィリアムスらも参加し、エドらしさ+キャッチーなポップソングなども散りばめられた作品に。今回は作品の素晴らしさ・間違いない実力・話題性から同賞のノミネートの可能性は大かと!

★個人的に気になるで賞「最優秀ダンス・レコーディング」
カルヴィン・ハリス –“Summer”

選んだ理由:
近年で流れが変わりつつあるこの賞。EDM系DJ達のノミネートが増え、12年・13年とスクリレックスが受賞、14年はゼッドが受賞しました。そんなEDMアンセム受賞の流れでいえば、今年は間違いなくカルヴィン・ハリス“サマー”に一票入るはず。定評あるカルヴィン節でダンスシーンを盛り上げているけど、実は13年・14年とノミネートは同賞での受賞を逃しているカルヴィン。そろそろノミネート→受賞コースを歩んでもらいたいトコロ!

次ページ:コラムニスト・宮沢香奈の予想(from ベルリン)