前作から3ヶ月という短期間でリリースされた最新作の『クール・プラネット』は、ライヴ指向を突き詰めた作品。先述の“Littlest〜”や“Planet〜”で相性抜群だったフィル・マハフィーによる、ライヴ・アルバムのように臨場感のあるサウンド・プロダクションも、ケヴィン・フェンネルに代わり加入したケヴィン・マーチ(GBVがライヴ・バンドとして成熟を極めていた02年〜04年にドラムスを担当)の安定したドラミングも、本作のライヴ映えする楽曲の魅力を引き出すのに大きく貢献している。

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クール・プラネット

ピート・タウンゼンド風のカッティング・ギターがザ・フーを思わせる“Pan Swimmer”、浮遊感のある声のトビン・スプラウトによる中期ビートルズのようにサイケデリックな“All American Boy”、ロバートとトビンの盟友二人がデュエットする人懐っこい“Bad Love Is Easy To Do”、ギターをボウリング玉で破壊する攻撃的な“Fast Crawl”など、生で聴いてみたくなるような曲ばかりが並ぶ。

一時はライヴから遠ざかりつつあった彼らが、本作を引っさげて再びツアーをする気になった(先日のライヴでは新曲ばかりを披露!)のも納得の内容だ。2作とも収録曲の大半が1分〜2分台という短さ故にさらっと聴くことができるので、入門盤としてもお薦め。再結成以来の最高潮に達している彼らの音楽が一人でも多くの人の耳に届いて欲しい。

“All American Boy”

(text by Kenji Kiuchi)

Release Information

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