濃厚すぎた2日間のクロージングに抜擢されたのは、ご存知ブルックリンの異能集団ダーティー・プロジェクターズである。最新アルバム『スウィング・ロー・マゼラン』のリリース後の秋には、<朝霧JAM>出演を含むジャパン・ツアーで溜息もののライヴ・パフォーマンスを見せてくれた彼らが、ラ・ラ・ライオットを引き連れてのアジア・ツアーの一環で早くもカムバック。ダーティー・プロジェクターズの何がすごいって、まずアイディアと実験と変拍子だらけのアルバムのサウンド・メイキングが目の前で、それもすべて「人力」で再現されていくこと。そして、美女メンバー3名による人知を超えたコーラス/ハーモニー。『スウィング・ロー・マゼラン』と名盤『ビッテ・オルカ』の収録曲を中心にセット・リストが組まれたこの夜も、ありえないほどラウドなのに安定感のあるリズム隊に支えられて、バンドの頭脳=デイヴ・ロングストレスが演歌歌手顔負けのヴィブラートと奇天烈ギター・アルペジオを繰り出したかと思えば、女性陣のコーラスがビシっと空間をひとつにまとめ上げていく。ギターレスで演奏された“Gun Has No Trigger”や、どんちゃん騒ぎの祝祭感を味わった“Useful Chamber”を経て、本編ラストにはレア曲“Rise Above”を投下。これまたワンマン級の豪華セトリだったが、やはりアンコールで披露された“Stillness Is The Move”におけるフロアの爆発ぶりは、<HCW>2日間最大のハイライトだったと言えるだろう。やたら超難易度のハンド・クラップにオーディエンスもしっかりついて行こうとしていたし、デイヴのMCにもあったがバンド仲間のヴァンパイア・ウィークエンドやラ・ラ・ライオットと一緒に日本にいるからか、メンバー全員が楽しそうにプレイしてる姿が印象的だった。デイヴなんかロック・スターばりの大ジャンプを何度もキメていたもんね。
さて、2013年もノンストップの<HCW>は、早くも第5回の開催が6月に決定している。まだラインナップは不明だが、1~2回目の舞台でもあった古巣・恵比寿ガーデンホールに帰還することがアナウンスされた。サイン会やシークレット・ギグでバンドとファンが触れ合う機会を作ったり、ステージ転換中に所属アーティストのMVやドキュメンタリー・フィルムを上映したり、長丁場のイベントを飽きさせない仕掛けはもちろん、「次もまた来たい!」と思わせてくれる細やかな心配りはいち音楽ファンとしても本当に素晴らしいと思う(良心的なチケット価格も含め)。〈ホステス〉代表のプラグさん、僕からもぜひニック・ケイヴの出演をお願いします!
text by Kohei Ueno
photo by 古溪 一道(コケイ カズミチ)
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Event Information
Hostess Club Weekender
2013.06.08(土)、06.09(日)@恵比寿ガーデンホール
TICKET
先行2日通し券 ¥13,900(各日1ドリンク別)
2月17日(日)24:00までチケット販売サイト“ticket board”にて限定枚数で販売中!
購入者特典:最速セットリスト配信/オリジナルライヴ写真配信