James Blake
2013.06.04(Tue)@Studio Coast
“CMYK”でも、“アンラック”でも、“リミット・トゥ・ユア・ラブ”でもなく、“レトログレード”がハイライトになっていたのが素晴らしい。ダブステップという言葉など知らず、ましてやフロアの住人ではない人たちにもジェイムス・ブレイクがしっかり届いていることを実感する。
彼の美しい歌声を満喫しようとして意気込んでいたクラウドの裏をかくように、プレイは意外にフロア仕様。特に“デジタル・ライオン”と“ヴォワヤー”はヒプノティックで、スタジオコーストのサウンドシステムに支えられた地鳴りのような重低音はかなり気持ち良い。
この中盤辺りは若干置いてきぼりを食らった人も多かったかもしれないが、それで良いと思う。レディオヘッドだからオウテカやスクエアプッシャーを押し付けることが出来たように、彼だからこそ届けられることもある。でもジェイムス自身は霞を食って生きているような人なので、フロアの温度感になんてまるで気を留めてすらいない様子(笑)。そんな屈託のない彼のキャラクターも含めて受け入れられている感じすらある。
アンコールでの“ウィルヘム・スクリーム”、そして最後に一人でさらりと披露した“ケース・オブ・ユー”で上がった歓声は、あれだけ記名性がなかった彼の歌声が今では人々に深く根を下ろしていることを、そして本編ラストで見せた圧巻の“レトログレード”はこれから何十年経っても忘れ去られることのない楽曲を彼が作っていくのだという確信を与えてくれた。いや、いいもん観たわ。
text by Keigo SADAKANE
ジェイムス・ブレイク – “レトログレード”
Event Information
James Blake
★名古屋、大阪公演共に当日券販売予定!!
●名古屋公演
2013.06.06(木)@DIAMOND HALL
OPEN 18:00/START 19:00
DOOR ¥6,000(ドリンク別)
JAIL HOUSE:052-936-6041
●大阪公演
2013.06.07(金)@NAMBA HATCH
OPEN 18:00/START 19:00
DOOR ¥6,000(ドリンク別)
SMASH WEST:#06-6535-5569
主催:FM802
※1F:スタンディング、2F:指定席
協力:UNIVERSAL INTERNATIONAL
お問合わせ:SMASH 03-3444-6751