カニエ史上最大の失態……棒立ちのテイラーと困惑のビヨンセ
Kanye West interrompe Taylor Swift no VMA 2009
カニエの妄想がとまらない! 本人出演、35分のアルバムイメージPV!
Kanye West – Runaway (Full-length Film)
そしてカニエは新世界の神となる
辛口のピッチフォークが過去最高の10点満点の評価を与え、過去の失態はそれとして、音楽的な信頼度は不動の存在となったカニエ。2011年には『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』の連作ともいえる趣向の、ジェイ-Zとのコラボアルバム『ウォッチ・ザ・スローン』をリリース、自身のレーベルのコンピを出しながらも次作の制作期間に入る。シカゴ・ドリルやアシッド・ハウス、インダストリアル他、建築への興味、そして巨匠プロデューサーのリック・ルービン、ハドソン・モホークやアルカといった若手の起用により、ノン・プロモーションで急遽『イーザス』は2013年にリリースされる。これは壮大な妄想を広げた大風呂敷的な前作の反動からかもしれないが、一転してミニマルでソリッド、刺激的な音像に満ちたアルバムを完成させた。
キム・カーダシアンとこの頃結婚し、第一子を授かる。数々のパロディを生んだ残念すぎる夫婦出演MV
Kanye West – Bound 2 (Explicit)
『イーザス』リリースをきっかけにファッション・ブランドとして「YEEZY」を立ち上げ(ここ日本でも限定モデルのスニーカーは超高騰!)、シングルではポール・マッカートニーやリアーナと共演、まさに順風満帆なようにみえるカニエだったが、2015年のMTV Video Music Awardsのスピーチで大統領選挙出馬表明したり、突如自分は約60億円の借金があるなど告白してFacebookのCEOマーク・ザッカーバーグに泣きついたり、その他問題発言やビーフ、ゴシップといった話題に事欠かすことなく、今後はCDのリリースは行わないと宣言。ジェイ-Zらと共同運営を行う音楽配信サービスTIDAL限定で『ザ・ライフ・オブ・パブロ』を2月にリリースし、4月1日からはアップル・ミュージックでも聴けるようになった。
今後『ザ・ライフ・オブ・パブロ』のCDリリースがあるのかはイーザスのみぞ知るところ。こうして彼のキャリアを遡ってみると、自己顕示欲の塊のような男だが、途方もない想像力と実現力、そしてそれに裏打ちされたとてつもない自信が漲っているのだろう。精神状態は不安定ながら、自分を見捨てることをしない、どうにも憎めない魅力と、若いアーティストを率先して起用し牽引していく姿勢は素晴らしいと感じる。4月16日(土)にて彼のMVを特集した番組と、<Glastonbury Festival 2015>での貴重なライブの映像が放映されるので、このテキストと共に振り返りながら、番組を楽しんでみてはいかがだろうか。
最後に。番外編・カニエ・ウェストのキャリアを1分で振り返る(英語)
Kanye West in one minute, in one take
PROGRAM INFORMATION
カニエ・ウェスト:VideoSelects
【初回放送】
2016.04.16(土)START 19:00/FINISH 20:00
【リピート放送】
2016.04.26(火)START 23:00/FINISH 24:00
詳細はこちら 視聴方法はこちら
PROGRAM INFORMATION
カニエ・ウェスト:Live from Glastonbury 2015
【初回放送】
2016.04.16(土)START 20:00/FINISH 22:00
【リピート放送】
2016.04.18(月)START 21:00/FINISH 23:00
2016.04.26(火)START 21:00/FINISH 23:00
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text by Yu Nakazato