バート・プラントの<サマーソニック>出演が、いかに熱くてヤバくて間違いないかは先日お伝えしたとおり。6月には初期作の再発も予定されるなどレッド・ツェッペリン熱が高まってるなか、WOWOWでは4月20日(日)にライヴ映画『祭典の日』を放送する。なんてベリーグッドなタイミング!

かねてより、世界最強のライヴ・バンドと謳われるツェッペリン。1976年にはライヴ映画『狂熱のライヴ』も公開されているが、このときフィルムに焼き付けられた熱量は、たしかに「狂ってる」としか表現しようがない圧倒的なものだ。しかし彼らも1980年に解散。その引き金となったジョン・ボーナムの死もあって、本格的な再結成は長らく叶わなかった。特に80年代以降、CDの普及やヒップホップのサンプリングを通じて彼らを知った世代にとっては、初めからバンドを生で目撃できるはずもなく、彼らのライヴにまつわる伝説が一人歩きしている状況が続いた。おかげで、海賊盤で人生が狂ってる方も多いでしょう。

そんなZEPが、2007年に一夜限りで歓喜のリユニオン。その一部始終を収めたのが『祭典の日』だ。「若いファンに、ツェッペリンが何たるかを知らしめたかった」とジミー・ペイジは述懐しているが、ここではなんと、27年ぶりに2時間超に渡るパフォーマンスを披露。長期間のリハーサルを積んでからの一発勝負は、オールド・ファンをも降伏させる、バンド史上屈指の好演となった。老いを感じさせぬロバート・プラントの熱唱。ギターの冴えを取り戻したジミー・ペイジは、得意のバイオリン奏法も披露する。ジョン・ポール・ジョーンズも、ベースにキーボードといぶし銀の活躍。そして見逃せないのは、父ジョン・ボーナムの遺志を継いだ息子ジェイソンの存在感だ。見た目こそ「シティーハンター」の海坊主にクリソツだが、替えが利かないと思われた「ZEPのドラム」に挑み、パワフルなプレイで大活躍。まさに敢闘賞モノだろう。

サイド・ミュージシャンに頼らず、4人によるアンサンブルに拘っているのも大正解。楽屋裏でのヒューマン・ドキュメンタリー的要素を排除し、ライヴの臨場感を捉えることに徹底した潔さも、16台のカメラを駆使した映像美とともに作品の格を上げている。ラストを飾る“ロックン・ロール”では、バックに黄金期の映像が映し出され、火を噴く演奏とともに過去と未来が交錯する。現時点ではこれが最後のZEPオンステージ。同業の皆さんと違って再結成を安売りしないスタンスが、この夜を奇跡に導き、今も彼らを伝説足らしめているのは間違いない。ちなみにWOWOWでは、同日に田口トモロヲ司会の『洋楽主義』でもZEP特集を放映するとか。ばちかぶり×ツェッペリンだなんてイカす組み合わせ。こちらも要チェキです。

(text by Toshiya Oguma)

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Program Information

洋楽主義 #61「レッド・ツェッペリン」
2014.04.20(日)20:00
放送チャンネル:WOWOWライブ

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レッド・ツェッペリン Celebration Day/祭典の日
2014.04.20(日)21:00
放送チャンネル:WOWOWライブ

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