スイス~フランス間にまたがる三日月型の湖「レマン湖」のほとりに位置するスイスの町モントルーで、1967年に故・クロード・ノブスがスタートさせた音楽フェスティバル、<モントルー・ジャズ・フェスティバル>。世界三大ジャズ・フェスティバルのひとつとして人気を博してきたこのフェスは、ビル・エヴァンスの『アット・モントルー・ジャズ・フェスティバル』を筆頭に数々の名ライブ盤を生んだジャズの聖地でありながら、同時にジャズにこだわることなく様々なアーティストが出演。ブルース、ロック、レゲエ、ソウルなど様々なジャンルのアーティストが約2週間にわたって熱演を繰り広げる世界最大級の音楽イベントとして、今年で記念すべき開催第50回目を迎えている。
その魅力を日本に伝える<Montreux Jazz Festival Japan>も、今年で2回目の東京開催が実現。ジャズを基軸にワールド・ミュージックやクラブ・ミュージックといった様々なアーティストの出演が決定している。中でも今年のキーワードのひとつは、ブラジル出身アーティストが多数出演すること。開催2日目の恵比寿ザ・ガーデンホールには、その目玉として世界的DJジャイルス・ピーターソンがブラジルのミュージシャンたちと立ち上げた音楽プロジェクト、ソンゼイラの世界観を伝える「ソンゼイラ・ライブ・バンド」が出演。このライブ・プロジェクトは今回が世界初披露、つまりワールド・プレミアとなる。
ジャイルス・ピーターソン
映画『ブラジル・バン・バン・バン:ザ・ストーリー・オブ・ソンゼイラ ~ジャイルス・ピーターソンとパーフェクトビートを探しもとめて~』予告編
Sonzeira // Brasil Pandeiro (Official Audio)
もともとソンゼイラは、ブラジルワールドカップの開催を前にして、10代の頃からかの地の音楽を愛してやまないジャイルス・ピーターソンが立ち上げた音楽プロジェクト。伝説のサンバ・シンガー、エルザ・ソアレスを筆頭に、ナナ・ヴァスコンセロスやウィルソン・ダス・ネヴィス、俳優としても活躍するセウ・ジョルジュ、マルチナーリアまで、サンバ/ボサノヴァを代表する面々が集結し、カシンのようなブラジル新世代を象徴するプロデューサーも参加。そこに全体を統括するジャイルス・ピーターソンや、彼の朋友で元ガリアーノのロブ・ギャラガーのようなUK人脈が加わることで、ブラジル音楽の伝統を引き続きながら、現在進行形のリオの魅力を閉じ込めたものになっている。ジャイルスがプロジェクトに際して訪れたリオの様子や、レコーディングの模様については、映画『ブラジル・バン・バン・バン~ジャイルス・ピーターソンとパーフェクトビートを探しもとめて~』で目にした人も多いはず。今回のライブでは、映画でフィーチャーされていたジャイルスとブラジルを代表するアーティストたちのセッションが、目の前で繰り広げられるということだ。
Sonzeira Deconstructed Boiler Room London
映画『ブラジル・バン・バン・バン:ザ・ストーリー・オブ・ソンゼイラ ~ジャイルス・ピーターソンとパーフェクトビートを探しもとめて~』J・ピーターソン コメント動画
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