OLD NICK aka DJ HASEBEがAWAで夏におすすめな邦楽を無責任にセレクトしたプレイリスト『Tokyo Summer Groove』を公開した。

DJ HASEBEは、ヒップホップDJとしてのキャリアと、その類まれなキャッチーなポップセンスでシーンをクロスオーバーさせながら、今も第一線に立ち続けている。多くのミックスCDをリリースし、大ヒットコンピシリーズ『HONEY meets ISLAND CAFE』ではビーチスタイルミュージックの頂点に立ったDJ HASEBEが、自身のヒップホップDNAを掛け合わせ、OLD NICK名義として初めてのアルバム『natsuco』を7月11日にリリースした。

このアルバムには、PES、bird、Leyona、やけのはら、SUSHIBOYS、FUKI、Yo-Seaなどのアーティストが9組参加し、夏にぴったりの作品に仕上がっている。

Interview:OLD NICK aka DJ HASEBE

1998年に1stアルバム「adore」、2000年に2ndアルバム「HEY WORLD」、2002年に3ndアルバム「TAIL OF OLD NICK」をリリースしたDJ HASEBEが久しぶりのアルバムで、なぜOLD NICK名義としてリリースしたのか。

「『TAIL OF OLD NICK』から16年ですね。 『TAIL OF OLD NICK』を作ったとき、自分の中の本能的にやりたいことをやる小悪魔的な存在がOLD NICKっていう別キャラで。めんどくさいことをぶち壊すってコンセプトで、あのアルバムは作りましたね。OLD NICKを使って、DJ HASEBE とは違うイメージでやれたら良いなって。DJ HASEBEがヒップホップ、R&B寄りだとしたら、そことは違うイメージのロックやヨーロッパのブレイクビーツシーンだったり。白人がブラックミュージックに影響されて作ってる音楽みたいな、自分で形を変えて新しいものを作り出しているっていうのが、OLD NICK名義でやってることに近い感じですね。単にポップ路線を狙うんじゃなくて、そこを皮肉ったり、ひねりは入れたいなって思っています」

DJ HASEBEはアルバム『natsuco』をどんなイメージで作ったのか。また、参加アーティストはどのように決めたのかを教えてもらった。

「今回のアルバム『natsuco』はサーフミュージック的な要素ではあるんですけど、自分の中にあるヒップホップ感は取っ払って、インディーポップを作ってる感覚ですね。ストレートなJ-POPよりはクールな感じというか、夏と海みたいなコンセプトアルバムで。参加してもらうアーティストさんを選ぶとき、過去作品に海テーマのものや、アーティスト自体に海的なイメージ、フェスを中心に出てるとか。そういうもので最初にリストを出して、選びました。あとは純粋に自分が絡みたい、音楽を作ってみたい人ですね。PESとPONY以外は初めてでしたね」

アルバム『natsuco』には若い世代のアーティストが多く参加しているが、DJ HASEBEにとって、若い世代のアーティストと楽曲制作することについてはどう感じているのか。

「20代の若いアーティストさんとは今後も積極的に絡んでいきたいなって思いますね。当たり前の流れだと思うんですけど、自分たちの年代で固まっても面白いことやターゲットが狭くなっていくし。けど、若い方向に音楽を落とし込んでいきたいと思いますが、自分が今のトレンドなサウンドを作りたいわけではないですね。自分らしい音楽を、今の若い世代にも馴染ませたいって思います」

今回のアルバム名のnatsuco(ナツコ)とジャケットのデザインはどのように決めたのか。

「アルバム自体は女性の名前にしたいなってイメージがありました。久しぶりのアルバムで自分の彼女みたいな、ずっと付き合っていきたいイメージ。アルバムを手にした人たちが“natsucoがさ”って話してくれたら良いなって思いました。今回、カバーも『Merry X’mas in Summer』と『ガラス越しに消えた夏』の2曲を入れたのですが、80年代の昭和感というか、10代のときに影響を受けた邦楽や歌謡曲っていう流れがありました。全体の楽曲にも日本のポップカルチャーのメロディー感とか、なにかしら影響を受けてますね。70年代に資生堂のCMで『ナツコの夏』っていうのがあったんですけど、アルバム名はそこから引用したっていうのもあります。ジャケットは自分の作品周りをやってもらってる、ナイジェルグラフっていうデザイナーで。モデルはアグネス・ラムの写真を、こんな感じに描いてほしいって送ったら、似てないのがきて(笑)。それもまたナイジェルっぽくて良いなって思いました。昭和的なギミックを混ぜたアルバムになっていますね」

なるほど。今回、AWAでプレイリスト『Tokyo Summer Groove』を作ってもらったが、現場でDJを長年やっているDJ HASEBEにとってサブスクはどんなイメージなのか。

「ネガティブな印象は全くないです。サブスクの中でどう自分を表現するみたいなことを積極的に学んだ時期もあったんですよ。今のところ、日本の市場がアメリカみたいにサブスクに振り切っていないから難しい。ターゲットの世代もよるんですけど、CDなのか、デジタルダウンロードなのか、サブスクなのか、なにをメインに狙うのかがボヤっとしてる。そのあたりがまだ難しいなって思います。今回、サブスクの時代になって初めてアルバムが出せたので、これをどう表現して、どういう展開をしていくのかみたいな。これからも学んで楽しめれば良いかなって思いますね」

Interview, Text&Photo by Official

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船津晃一朗

船津晃一朗

Qetic編集部

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