地元の大声援を受けてブース入りした最有力候補、大阪代表のDJ B=BALLはハチマキを締めて臨んだ序盤から擦りとジャグリングのバトル系スタイル。「昨年の自分に足りなかった部分を徹底的に磨いてきました。それをいきなり見せたのも戦略です」と語ったその思惑は見事に的中し、時を追うごとに会場の雰囲気は彼の独壇場に。トーン・プレイからの“Young,Wild & Free”、ビーニ・マンのダブ、そして“Mr.Roboto”と続くヤマ場では全員がゴンフィンガー。その後も邦楽×洋楽のワードプレイなどが見事にハマり、あっという間の15分間となった。

最後のファイナリスト、名古屋代表のDJ NAMUは機材トラブルで無念のリタイア。昨年の日本代表DJ RENと、カナダから来日したゲスト審査員Skratch Bastidのショウケースを経て運命の審査結果が発表。戦前の予想を上回るパフォーマンスでライバルたちを振り切ったDJ B=BALLが3度目の挑戦にして悲願の日本代表の座を勝ち取った。誰もが認める関西屈指のパーティ・ロッカーながら、この大会の高い壁にあと一歩のところで阻まれてきたB=BALL。「めちゃ嬉しいです。3年もかかっちゃいました」と勝利者インタビューでもらしたコメントは、そんな彼の本音だったに違いない。

「やはりB=BALLさんは完成度が高かった。ずっと前から世界で見てみたいって思っいてたDJが、ついにその期待に応えてくれたっていう印象です」とは、この日のジャッジを務めた初代日本王者のDJ IKU。「グルーブもスムーズだったし、凄く面白かった。やっぱり経験と努力の成果だと思うんですが、今年は凄くドライブしていてプロセスもあったし、 言うことないと思います」。同じくジャッジを務めた2013年の世界王者SHINTAROも この日の新チャンピオンにエールを送った。「彼の選曲にはすごくオリジナリティーがあったね。日本人に馴染みのある曲を使っていたし、大阪ならではの活気も伝わってきたよ。まさにその国のシーンを象徴するようなプレイで、日本代表に相応しいと感じたんだ」と、ワールドファイナルの審査も担うSkratch Bastidも太鼓判。

いまや、DJ大国のアメリカ、同競技発祥の地カナダ、そして入賞常連国のブラジルと並び、世界の強豪として認知さられている日本。しかし、今年世界20ヶ国以上から集結する凄腕DJたちの中には、常識を逸したスキルの持ち主や、 超絶キャラクターを誇るスター候補生たちがゴロゴロと潜んでいるのは間違いない。「どこまでできるかわからないけど、SHINTAROくんに続いて、”日本のDJ、またヤバいのが出て来たな”って言われるように絶対に良い結果を残すので、応援に来てください!」と力強い言葉で大会を締めくくった新王者・DJ B=BALLの大いなる躍動に期待したい!

EVENT INFORMATION

Red Bull Thre3Style 2015 World Final

日本一DJを決定!世界が注目する死闘のRed Bull大会 music150617_redbull_3
2015.09.15(火)- 20(日)計6日間
都内各所
日本代表のDJ B=BALLを含む、世界20カ国以上の代表選手。国内外の豪華DJ陣がジャッジとして参加。近日発表!

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Red Bull Thre3Style 2015

edit by Qetic
photo by Jason Halayko/Red Bull Content Pool