まずは<フジロック>。<フジロック>といえば、タイにタイ版<フジロック>と呼ばれる<Big Mountain Music Festival>というフェスが開催されていて、約7万人を動員する東南アジア最大のフェス。タイはアジアの中でも音楽が盛んな国の一つとして挙げられ、来日するアーティストも多くいます。バンドに限ってみても最近だけで、5月にはYellow FangとJelly Rocket、先月はTriggs&the Longest DayとBasement Tapeが来日し、来月にはCounterclockwiseが来日予定ですが、それらインディーシーンのバンドとは一線を画すスタジアム級バンドが<フジロック>に出演します。それが、3日目7月24日(日)にRED MARQUEEに出演する「Slot Machine」。

フジロック&サマソニで来日!Qetic注目のアジアン・アーティスト特集 music160715_slotmachine_1

Slot Machine

「Slot Machine」はタイのバンコクで結成された、2004年デビューの4ピース・ロックバンド。これまでに5枚のアルバムをリリースし、3万人を集めたリンキン・パークのバンコク公演や、7万人を集めたジェイソン・ムラーズのミャンマー・ヤンゴン公演など、大型公演のサポートを務めてきました。また、2014年には自身の10周年野外ライブで、1万5千人を動員し今やタイのトップに君臨するロックバンドです。YouTubeに上がっているオフィシャル・ミュージック・ビデオでは、今年公開されたばかりなのに2千万回を越える(!)再生回数の楽曲を発見。

Slot Machine – ค้น (Khon) [Official Music Video]

どうやらこの楽曲は、今年「Slot Machine」が満を持して、世界での活動を積極的に展開していくべく制作した、全曲英語詞の6枚目のアルバム『Spin The World』に収録されているシングル曲“I Know, I Know”のタイ語バージョンということが判明。そのアルバムは、ローリング・ストーンズ、U2、トーキング・ヘッズ、ザ・キラーズなどをプロデュースした、スティーヴ・リリーホワイトをプロデューサーに迎えているという。本気で世界を狙っていることが伝わります。こちらが元々アルバムに収録されている、英語詞のバージョン。

Slot Machine – I Know, I Know [Official Music Video]

昨年10月にはイギリスにてライブを敢行し、今年1月には台湾とシンガポール、そして今月には<フジロック>と韓国<JISAN VALLEY ROCK MUSIC & ARTS FESTIVAL>、台湾・<SUPER SLIPPA 2016>など大型フェスへの参戦が決まっていて、今後も更に世界での活動を加速させることでしょう。ただ、世界を視野に入れて制作したニューアルバムについて、メンバーは、

「アルバム製作の間いつもぼくらが口にしていたのは、ぼくらの音楽を聴いてくれる人たちに、これはアジア人 — 厳密にはタイという国の — バンドなんだってことがわかるようにしなきゃ、ってことだった。」

ということを述べているそう。例えば、アルバムからのリード・シングルである“Give It All To You”を聴いてみると、

Slot Machine – Give It All To You [Official Music Video]

確かに彼らの楽曲にはオリエンタルなフレーズやメロディーラインがちりばめられているし、単純な洋楽ロックの焼きましとは全く異なる楽曲を生み出しています。この“Give It All To You”でも冒頭でタイ北東部の楽器を使用したり、タイ独自のパーカッションを取り入れたりすることで親しみのあるサウンドを生み出そうとしたとのこと。そしてその楽曲を、海外に向けたリリースのリード・シングルにしたというのは、世界進出をする上でも、彼らのルーツである「タイ」や「アジア」というアイデンティティをしっかりと提示したかった想いが伝わります。

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彼らが今後世界で活躍することによって、タイとアジア、そしてアジアと世界への架け橋が生まれ、より一層アジア全体、世界全体のミュージックシーンが相互作用していくことを期待したいですね!

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