デヴィッド・ボウイやケンドリック・ラマーを筆頭に近年多くのアーティストに影響を与え、あらゆるジャンルを横断しながら躍進を続ける新世代のジャズ・ミュージシャンたち。その中でも屈指のスターの一組として、ビルボード誌とiTunesに「04年以降最も売れているジャズ・バンド」として認定されているスナーキー・パピーの最新作『ファミリー・ディナー vol.2』が、リリースされた。
Snarky Puppy’s Family Dinner – Volume Two (Official Trailer)
総勢40人以上!? メンバーが流動的に参加する鉄壁のジャズ・バンド
スナーキー・パピーは、中心人物のマイケル・リーグ(B)を中心とした総勢40名を超える流動的なメンバー構成のジャズ・バンド。04年にテキサスで活動をスタートさせると、その後NYに拠点を移し、メンバーの増加などに伴ってブルース、フォーク、アフロ、ラテン、ブラジリアンなどが融合した初期のワールド・ミュージック的な作風からソウル・ミュージックにまで接近。そこにデトロイト・テクノやディープ・ハウスといったクラブ・ミュージック的な要素も加えることで、自らが「jafunkadansion」と表現するジャズとファンク、フュージョン、ダンス・ミュージックを融合させたサウンドを生み出している。12年の『グラウンド・アップ』でiTunesジャズ部門の「Best Of 2012 Album」を獲得すると、13年の『ファミリー・ディナー vol.1』では楽曲ごとに豪華ゲストを招集。そこに収録されたレイラ・ハサウェイとの“サムシング”がグラミー賞のベストR&Bパフォーマンス部門を受賞し、一躍ジャズ界代表するバンドの一組になった。
Snarky Puppy feat. Lalah Hathaway – Something (Family Dinner – Volume One)
音楽性同様、ジャンルを超えて広がりゆく歴代の豪華共演者たち
もともと、『ファミリー・ディナー vol.1』も以前から各メンバーが様々なアーティストと進めていた活動をヒントに生まれた作品だったということもあり、彼らの魅力を知るためには多岐に亘るコラボレーションを見てみるのがいいかもしれない。バンド名義での共演からメンバー個々の活動までを含めると、これまで関わったのはロバート・グラスパーやロイ・ハーグローヴ、メトロポール・オーケストラなどに加えて、グラスパーの『ブラック・レディオ』にも参加したエリカ・バドゥやジャスティン・ティンバーレイク、スヌープ・ドッグといったジャンルも世代も超えた面々。最近ではドラマーのロバート・シーライトがケンドリック・ラマーの新作『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』に参加したことも話題になるなど、「個」としても実力のあるプレイヤーたちが集まって「バンド」として他ジャンルに開かれた探求心を突き詰めていくその佇まいは、まさに新世代ジャズ勢ならではのものと言えるはず。
Kendrick Lamar – Alright
Robert Glasper Experiment – Afro Blue (Feat. Erykah Badu)
Justin Timberlake – Rock Your Body – BBC Live Lounge 2013
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