シンセ・ポップがとにかくアツい！今年のサマソニ注目アクト！

鉄板シンセ・ポップアクトその3. ウォーク・ザ・ムーン

スモール・プールズが北米のツアーでメキメキと実力をつけているときに共演したのが今最も勢いのあるバンドの一つ、ウォーク・ザ・ムーン。フロントマン、ニコラスの印象的なキーボードのメロディーと、80’s のフレイヴァーが絶妙に散りばめられたキャッチーでダンサブルなポップ・サウンドがグッドです。シングル“シャット・アップ・アンド・ダンス”が発売から１年という長い歳月をかけて大ヒット。移り変わりの激しい現代において異例のヒットとなっています。楽曲の強度があってこそなせる結果。大物になりそうなニオイがプンプンしますね。

WALK THE MOON – LIVE Full show at House of Blues Houston, Houston, TX Apr 30

「謎と遊び心を持つバンドになりたい」とニコラスが語るように、ちょっとクスッとくる曲や展開があったりします。そしてどの曲も強烈なフックがあります。ユーモアにあふれるウォーク・ザ・ムーンですが、日本でのデビュー作『トーキング・イズ・ハード』についてニコラスはこう語ります。「人は間違えるものなんだ。このアルバムは、それを乗り越えることについて表している。」誰しもが失敗を経験するもの。その後に立ち上げればいいだけの話です。ポップなサウンドに忍ばせた繊細な後押し。きっと生で観ると勇気をもらえると思います。

鉄板シンセ・ポップアクトその4. チェラブ

パッション・ピットがセカンドアルバム『ゴッサマー』をリリースし、スモールプールズがLAでデビューEP作りに励み、ウォーク・ザ・ムーンがデビューを飾った2012年。その年にアルバム『MoM & DoD』を自主リリースしたのが、当時、音楽ビジネス専攻の大学生だったデュオ、チェラブです。このデュオが放つ90年代のR&Bやポップ・メロディも取り入れたセクシーでファンキーなエレクトロ・ビート。彼らの奏でるせつないメロディーは「ナッシュビル・エレクトロ」とも言われています。日本ではまだ認知度の低い彼らですが、世界ではすでに＜ボナルー＞や＜グラストンベリー＞などのビッグフェスに引っ張りだこ状態。要チェックです。

Doses ＆ Mimosas (Live in Nashville)

先にご紹介した３組に負けず劣らずな粒ぞろいな楽曲。そしてどのアクトよりもソウルフルで色気があるんです。けど、どこかおかしい。ちょっと、ヘン。でもこれ確実に狙ってやってるんですよ。チェラブを聴いていると高田純次さんを思い出すんですよね。まじめにすっとぼけている感じ。つまりは最高です。ライブではエレクトロ・デュオなのに二人ともギター持ってくるらしいですよ。「どうもどうもレディー・ガガです」って挨拶してくれるかもしれませんね。

どうですか？　どこか琴線に触れるところがありましたでしょうか？　今回紹介した4アクト。今まで一度も聴いたこともない、という人もひとたび耳にすれば「イイかも」と感じると思います。あ、でも少しでも興味を持ったのなら、楽曲をぜひ、チェックしてみてくださいね。あまり時間もないと思いますが、2・3曲だけでもいいので。やっぱ知ってる曲がかかるとそれだけで興奮しますから。いや、もちろん知らなくても楽しめるって言いましたけど……。そう思ってますけど……。「より」、です。「より」楽しむために、です。この紹介文が少しでも皆さま＜サマソニ＞の楽しみに繋がれば幸いです。よい夏を！

※パッション・ピットはマイケル・アンジェラコスの体調不良により急遽来日がキャンセルとなりました

Billboard JAPAN Party 特設サイト
SUMMER SONIC 2015 公式サイト

text by Qetic