ゲストを迎え、チェキとともに“ゆかりの街”を歩く連載シリーズ「チェキさんぽ」。第16弾目となる今回は、モデルも務める端正なルックスとソウルフルな歌声でエレクトロ/アンビエント~R&Bなどをボーダーレスに横断するシンガー・ソングライター、向井太一さんが登場です。
福岡出身の向井さんは2010年に上京。バンドのボーカリストを務めた後、13年にソロとして活動を始めると、16年3月にはデビューシングル『POOL』をリリース。同年11月に2nd シングル『24』をリリースした期待の新星です。その収録曲にして上京時のことを歌った“SLOW DOWN”の《君とならどこへでも》という歌詞がまるで音楽へのラブレターにも聞こえるように、彼の作品には古今東西のさまざまな音楽が詰め込まれています。そんな彼が「東京で最もくつろげる場所のひとつ」と語るのが、都心にありながら豊かな自然が広がる世田谷の等々力渓谷。今回は平日の昼下がりの等々力渓谷を、チェキを片手におさんぽします。
非日常を感じさせてくれて何も考えなくていい、都心の異空間。
「僕は18歳で東京に出てきたんですが、最初にここに来たのは4~5年前。僕が19~20歳の頃ですね。友達と“ふだんとは違うところに行こう”と話していて見つけました。等々力渓谷は都心なのに、ここだけ異空間のようなんですよ。気軽に来られるし、空気も澄んでいるし、木の隙間からこぼれる光がすごく好きで、いつ来てもいいなぁと思います。僕の地元は福岡の中でも田舎の地域なので、自然のある風景が落ち着くのかもしれないですね。何も目的を決めずにただ歩いたりしています。非日常を感じさせてくれて、何も考えなくていい、そんな場所ですね。」
向井太一のチェキさんぽ
豆富司 翠家(とうふつかさ みどりや)
「翠屋さんは初めて等々力渓谷に来たときに、旅行ガイドブックで見て訪れたのが最初でした。濃厚な豆腐にブルーベリーソースのようなものがかかったスイーツ豆腐が本当においしいんです。今日は売り切れているので、『とうふぷりん』と『うの花コロッケ』を買いますね。」
「翠屋さんの店先。風になびいていたのでちゃんと撮れるか自信がなかったんですけど、すごくうまく撮れていますよね!」
等々力渓谷 入り口
「この辺りは、ふだんInstagramにあげる写真を撮るような感覚が自然と出ちゃっていますね。インスタだと、風景写真でもその人の手や足が写っていることで、そのアカウントにあげる意味が出ると思うんです。でも、この後チェキを使う中で撮り方も変わっていきました。」
「犬のうしろ姿、たまらないなぁ……!」
「僕の愛があふれてしまった写真です(笑)。いい感じに老犬感が出ていて、この足の感じもすごくいいですよね。僕は動物が好きで、等々力渓谷ではよく猫に出会ったりもします。この辺りの猫は人懐っこくて、そういうところも好きですね。」
「上は水の色が緑がかっていて、すごくきれいだったので撮った写真です。下は等々力渓谷らしい抜けのよさがあって、開放感のある風景が撮れました。」
text by Jin Sugiyama
photo by ︎ Nozomu Toyoshima