2018年の夏フェスシーズンが到来。みなさんは今年、どんなフェスに出かけるのでしょうか? 

灼熱の太陽の下に響く音楽に身体を揺らし、仲間とともに“熱い”時間を過ごす夏フェスでの熱い現場をサポートするZIMAから主要のミュージックフェスFUJI ROCK FESTIVAL(以下、フジロック)、<ROCK IN JAPAN FESTIVAL(以下、ロッキン)>、<SUMMER SONIC(以下、サマソニ)>、それぞれのフェスをイメージしたZIMAオリジナルカクテル『3大レモンZIMAフェスカクテル』が発売。

そこで今回、夏フェス出演アーティストによるインタビュー・シリーズが始動。第3回目となる最終回は、2年連続で<サマソニ>に出演予定の向井太一さんの登場です。<サマソニ>で発売する「SONIC ZIMA」「SUMMER ZIMA」の感想や、フェスでの熱いエピソードを語ってもらいました!

Interview:向井太一

<サマソニ>に出演の向井太一が語るフェスの楽しみ方と最新EP『LOVE』で見せた変化 0807_zima_mukaitaichi_01-1200x800

「ライブをすることで、僕自身、できる曲自体が変わってきたと思うんですよ。」

——今回のテーマは、「熱い瞬間」です。音楽のことでも、それ以外のことでもいいんですが、まずは向井さんにとっての「熱い瞬間」を教えてもらえますか?

僕の場合は、やっぱり「LIVE」しかないです(笑)。僕は普段はインドア派ですし、自分がいい意味でも悪い意味でも興奮するのは音楽なので。特にライブは色んなことを考えながら進めるスタジオでの作業とはまた違って、出来上がったものを最大にしていく作業ですし、お客さんもいるので、自分のテンションがトップになるのはライブですね。

——お客さんとしていったフェスと、自分が出演したフェスがあると思いますが、お客さんとして行ったフェスで思い出に残っていることはありますか?

正直に言うと、僕はもともとフェスにはあまり行ったことがなくて、去年は<サマソニ>にも出ましたし、<フジロック>にもシークレットで出演しましたけど(yahyelのDJセット)、どっちのフェスも初めてだったぐらいなんです。それまでフェスって体力的に厳しいイメージがあったので。でも、実際に行ってみると、想像していたよりもクリーンで楽しかったですね。知らないアーティストのライブに触れることもありましたし、音源では聴いていたけど「こんなに熱いライブをする人だったんだ!」と気付くこともあったり。特に、去年の<サマソニ>ではずっと聴いていたケラーニのライブを観られたのが嬉しかったです。会場はビーチステージで、当日は雨も降っていましたけど、周りの友達のミュージシャンもたくさん観に行っていて、ライブでのパワーを感じました。あとは、ヒョゴ(HYUKOH)のライブも観たんですけど、音源で聴くよりも熱いライブで、「やっぱりバンドなんだ」と思いました。「ライブがいいアーティスト」って、本当にいいアーティストということですよね。

——お客さんとしてフェスに行った際、向井さんはどんな風に楽しむことが多いですか?

フェスによって変わりますけど、僕はやっぱり「音楽」が第1ですね。「音楽がなければフェスに行かなくてもいいんじゃないか?」というくらい、僕自身は音楽を聴きに行っているような気がするんです(笑)。もちろん、景色を楽しんだり、ご飯を楽しんだりと人によって色んな楽しみがあるとは思いますけど、僕自身が一番楽しみにしているのは音楽なので。僕は食べることもファッションも大好きですけど、そういうものとライブへの熱量って、またちょっと違う気がします。自分がライブをするときのことを考えても、あんな自分はなかなか他では出さないと思いますし。

——では、向井さんが出演したフェスで思い出に残っているものというと?

去年の<サマソニ>に出演させてもらったときは、『24』をリリースしてからしばらく経っていて、でもまだ(デビュー・アルバムの)『BLUE』は出ていなかった頃で。あの時点では、会場にいるお客さんは「僕のことなんて知らないんじゃないかな?」と思っていたんです。でも、実際にライブがはじまってみたらたくさんの人が観に来てくれて、それがすごく印象的でした。去年僕が出演した「SPACE ODD」のステージは、マウンテンステージに隣接した通路にあったので、僕のことを知らない方々も聴いてくださったと思いますし、「ひとりひとりに訴えかけよう」という一生懸命な気持ちでやっていました。とにかく楽しかったです。

——最近の向井さんのライブを観ていると、お客さんとより向き合うような雰囲気になっていたりと、昔のものとはかなり変化している印象があります。そのきっかけになった出来事は何かあったと思いますか? 

それもライブでの経験だったと思います。ライブをすることで、僕自身、できる曲自体が変わってきたと思うんですよ。以前の僕は自分のことばかり歌っていたのに、ライブで色んなことを経験していく中で、最近は「誰かに対して歌う」という意識にどんどん変わっているのを感じていて。たとえば、昔の僕のライブ写真を見ると、当時は歌っている間もほとんど目をつぶっているんですよ(笑)。でも最近は、目を開いて、お客さんの方を観て歌っていることがすごく増えていて、「誰かに対して歌う」ことを、以前よりすごく意識するようになったと思います。その中で、ライブも曲作りもどんどん変わっていった感覚があります。

<サマソニ>に出演の向井太一が語るフェスの楽しみ方と最新EP『LOVE』で見せた変化 0807_zima_mukaitaichi_02-1200x800

——最新EP『LOVE』も、向井さんの周りの人々への気持ちを歌った作品でした。

そうですね。『LOVE』を作ったときは、音楽をはじめてから新しく出会ったファンのみなさんやスタッフ、友達、家族の存在も含めて、「色んな愛を受けて今があるんだな。それって本当にありがたいな」ということをすごく感じるようになっていたんです。つまり、僕はソロシンガーとしてステージに立っていますけど、その後ろには何百人、もしかしたら何千人の人たちがかかわってくれているかもしれないということで。そういう気持ちを大切にしたいと思って、『LOVE』というストレートなタイトルで作品を作っていきました。

——サウンド的にも意識したことはありましたか?

『LOVE』では生音の配分をぐっと増やしたことは大きかったと思います。これまではクラブ・ミュージックのテイストを曲に入れることが多かったですけど、世界的にも生音への注目度がまた増してきているのを感じますし、自分がもともと聴いてきた音楽もそういうものが多かったので、そういう要素が自然に出てきた部分もあると思います。そのうえで、今までの曲とのバランスを取って、ちょうどいいバランスにできたらいいな、と思っていました。でも今回は、何よりメッセージの面を意識したことの方が大きかったです。

——つまり。“伝えたいメッセージを伝えるための作品”だったということですね。

それもあって、最近は自分が昔聴いていたジャパニーズR&Bを聴き返すことも多くなっているんですよ。そういえば、僕が中学生のとき一番最初にステージに立って歌った曲があるんですけど、実は今、そのときに歌った曲を作っていたプロデューサーと制作をしていたりもするんです。あれから10年以上経って、当時好きだった曲のプロデューサーと一緒に制作ができるなんて、すごいことですよね。もう本当に、音楽に夢中になりはじめた当時の自分に、「今その人と制作をしているよ」ということを言ってあげたいです。いつか一緒に制作をさせていただきたいとは思っていたんですけど、これまでは自分と同世代の人たちや、自分の周りの好きな人たちと一緒にやらせてもらっていて。その後、「自分は他にどんな人と音楽をつくりたいのかな?」と考えたときに、「そういえば、あの曲を最初に歌ったな」と思ったんです。ちょうどその頃、その方に実際に会う機会があって、「いつか一緒に制作をしたい」ということを話していたんですよ。それが実現することになったので、音楽っていいなぁ」という体験でした。もちろん、最近の新しいプロデューサーと作業している曲もありますし、次の作品も楽しみにしていてくれると嬉しいです。色んな要素を自分なりにちゃんと咀嚼して、愛のあるかたちで自分の音楽にできたらいいな、と思っています。

——それはものすごく楽しみですね。今年も夏フェスシーズンがはじまりましたが、今年のフェスはどんな場所にしたいと思っていますか?

これはマネージャーともよく言っているんですけど、ああいう場所には、僕らは「勝ちに行きたい」と言っているんです(笑)。フェスのような場所に行くと、僕なんてまだまだ「ちょっと名前を知ってるかな?」というぐらいの人が多いと思うので、そういう人たちにも「ライブでは雰囲気が違うな」とか、「思ってたよりよかったな」と言ってもらいたいんです。あと、フェスは普段とは雰囲気も違うので、ちょっとアッパーなセットにしたりすることもあるかもしれないです。『LOVE』にはレゲエテイストの“MALIBU”も入っていたりしますけど、そういうものも含めて、自分の音楽をどんどん伝えていこうと思っています。

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2018年8月18日(土)に<サマソニ>のSONIC STAGEに出演する向井太一。彼のフェスの楽しみ方や思い出、最新EP『LOVE』について語っていただきました。続きが見たい方はZIMAのHPをチェック! 出演控える<サマソニ>についてやオリジナルカクテル「SUMMER ZIMA」、「SONIC ZIMA」の感想をお訊きしています!

続きはZIMA.JPで!

text&interview by Jin Sugiyama
photo by 大石隼土