ここ数年のブラックミュージックの盛り上がりにおいて、誰もが認める立役者の一人であり、今年の<FUJI ROCK FESTIVAL ’17>(フジロック2017)でも、最終日のフィールド・オブ・ヘヴンのトリを飾ったサンダーキャット(Thundercat)が、大ヒット中の最新アルバム『Drunk』から“Show You The Way”のミュージックビデオを新たに公開した。

Thundercat – ‘Show You The Way (feat. Michael McDonald & Kenny Loggins)’ (Official Video)

本楽曲は、80年代を代表する名曲、ドゥービー・ブラザーズの“What a Fool Believes”を生んだマイケル・マクドナルドとケニー・ロギンスが参加したアルバムのリード曲でもあり、ケニー・ロギンスの息子とマイケル・マクドナルドの娘がサンダーキャットの大ファンだったことが共演のきっかけとなったという逸話も話題となった。

The Doobie Brothers – “What A Fool Believes” (Official Music Video)

その後3人は、米人気音楽番組「The Tonight Show Starring Jimmy Fallon」にも出演し、貴重なパフォーマンスを披露している。

Thundercat ft. Michael McDonald & Kenny Loggins: Show You the Way

今回公開されたミュージックビデオは、同じく『Drunk』に収録されている“Them Changes”のミュージックビデオと同じ侍が登場する続編的な内容となっており、サンダーキャット、マイケル・マクドナルド、ケニー・ロギンスの3人もカメオ出演している。

Thundercat – ‘Them Changes’ (Official Video)

ケンドリック・ラマー、ファレル・ウィリアムス、フライング・ロータス、マイケル・マクドナルド、ケニー・ロギンス、ウィズ・カリファ、カマシ・ワシントンら、シーンきっての人気者であるサンダーキャットでしか考えられない、超豪華アーティストが勢揃いし、20曲以上を収録したサンダーキャット待望の3rdアルバム『Drunk』は大好評発売中!

国内盤にはマック・ミラー参加のボーナストラックを含め、計24曲が収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。

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Thundercat『Drunk』

サンダーキャットが『Drunk』から“Show You The Way”の新MVを公開! thudercat-700x700

ここ数年のブラックミュージックの盛り上がりの中でもサンダーキャットがもたらしたものを考えると、その大きさに眩暈がするようだ。ケンドリック・ラマー『To Pimp A Butterfly』、カマシ・ワシントン『The Epic』、フライング・ロータス『Youʼre Dead』への客演など、目に見える成功もあるが、それだけではない。今、振り返ってみると、彼が奏でてきた音楽は、圧倒的にオリジナルなものだっただけでなく、明らかに時代を先取りしていたし、その後のシーンに少なからず影響を与えてきた。

ポップネスと即興のバランス、エレクトリックなバンドサウンドにおける音響感覚やテクスチャー、生演奏とプログラミングとの関係性、80年代的なフュージョンやシンセファンクのフィーリング etc、ブレインフィーダー周辺やLAシーンのみならず、ロバート・グラスパーをはじめとしたNYのシーンも無縁ではない。もちろんその中には、ヒップホップやビートミュージックの作品の中でジャズミュージシャンたちの生演奏が当たり前のように使われるようになったことの先鞭となったことも含まれている。

遂にリリースされる新作『Drunk』はこれまでのサンダーキャットの音楽の延⻑にありながら、更に歩を進めている。LAの敏腕ミュージシャンたちの生演奏を軸に、サンダーキャッ トがこれまでに演奏してきたヒップホップやR&B、ビートミュージックを通過した上でのコズミックでフューチャリスティック、エフェクティブなフュージョン・サウンドは健在だが、少し前にリリースされ、本作にも収録されている「Them Changes」が収録されているEP『The Beyond / Where the Giants Roam』でも多少示唆されていたように、それらは歌モノとしてブラッシュアップされ、時にAORやポップなシンセファンクの最新系のような様相もみせている。

ソングライターとしての魅力はさらに輝きを増し、ボーカリストとしての存在感はこれまでで最も大きくなり、サンダーキャットが更なる高みに達したこと がわかる。にもかかわらず、ベーシストとしての演奏は全く抑制されていない。小節を乗り越えていく自由さとメロディアスな心地よさと力強いグルーヴを兼ね備えたベースラインがポップに進化した楽曲の中でも躍動している。

そこにケンドリック・ラマー、フライング・ロータス、カマシ・ワシントン、SOUNWAVE、ミゲル・アトウッド・ファーガソンといったLAシーンの重要人物、ラッパーのウィズカリファ、更には近年評価がうなぎのぼりの新進気鋭のドラマーであり、自身のプロジェクトKNOWERなどでも知られるプロデューサーのルイス・コール、更には人力ビートのパイオ ニアとも言われるレジェンド・ドラマーのディアントニ・パークスなどがサポートする。

そして、今作ではドゥービー・ブラザーズのヒット曲を手掛けたことでも知られるウエストコースト・ロック/ポップの大御所ケニー・ロギンスとマイケル・マクドナルドまでが参加し、⻄海岸音楽の歴史までもを盛り込んでいる。

一見、自由で奔放かつ、傍若無人、泰然自若に見えるサンダーキャットだが、すべてを綿密に練って、作り込み、そして、先を見据えていることはこの『Drunk』を聴けば明らかだろう。さて、このサンダーキャットの新作はシーンにどんな影響を呼ぼしていくのだろうか。

Text by Official

サンダーキャットが『Drunk』から“Show You The Way”の新MVを公開! thundercat-700x898

RELEASE INFORMATION

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