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tricot、チェコ共和国フェス＜ROCK FOR PEOPLE＞のライブレポ到着！

Music ｜ 2014.07.16 Wed

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フェス飯で一番目を引いたのは、日本ではなかなか見られないごっついサイズの、ソーセージ。チェコのお祭りでは必ず見られるという国民的食べ物だ。チキンの薫製なども目を引く。チェコの物価は日本より安く、ビール一杯の値段は50コルン（約250円）程度。大体のフェス飯の一人分は50〜100コルン（約250円〜500円）であった。中には本格的なオリーブやピクルスなどの漬け物も。ちなみに量り売りだ。バドワイザーはチェコの地名が元になっているほどビールの有名なこの国で、ビールに合う本格的なフェス飯のラインアップがあるのも、音楽メインのフェスというより地域の楽しげなお祭り感を漂わせていたのかもしれない。

そんなフェスの雰囲気の中、7月4日18時10分、日本から現れた女刺客tricotのライブが行われた。背の高い紅白テントには既に千人近いお客さんが集まっていて、後方のシート席を合わせると二千人近いだろうか。tricotにとって、初めてのヨーロッパでの演奏ということもあって、ライブ開始直後はお互いの反応を伺うような、よそ行きの張りつめた緊張感がステージ上を包む。だが、ひとたび演奏が始まってしまえばそんな異国情緒もぶち壊し。いつも通りのクレイジーなtricotのステージを繰り広げ、お客さんも徐々に増え始める。もちろん全員tricotを見るのは初めてだろうし、クルクルと表情を変える変拍子サウンドに、最初は戸惑いも抱いていたかもしれない。だが、恐らく海外の人にとっては10代に見えるであろう大和撫子たちが、キレッキレなサウンドで、バッサバサとチェコのお客さんを切り倒していくものだから、自ら弄ばれることを望むかのように展開予測不能ミュージックを楽しみ始めた。

ベースアンプに日の丸を掲げて、この「Staropramenステージ」を覆う紅白が、ジャパンカラーの紅白へ変わってしまうかのように観客を完全に取り込んだのは、最後の楽曲となった“MATSURI”。キダモティフォ（Gt&Cho)が自分の背丈よりも高いステージを飛び降り、観客とを隔てる柵を乗り越え、雄叫びを上げてギターをかき鳴らす。ヒロミ・ヒロヒロ（Ba&Cho)がドラム・セットの上に乗り上げて頭を振り乱し、中嶋イッキュウ（Vo&Gt)がマイクを握りしめて、チェコにとっては訳のわからないであろう異国語で観客を捲し立ててステージを練り歩く。最後にはこのフロント三人がステージで転げ回る様を、ステージ袖で仕事を放棄した現地のスタッフ達が、携帯で動画や写真を撮り始めていた。そんなクレイジーなテンションのままメンバーがステージを去るとアンコールが起こり、見事に自分たちのライブ・パフォーマンスは万国共通であることをこの中央ヨーロッパの地で知らしめて、この後に控えるヨーロッパでのビッグ・マッチに期待しか抱けないような余韻に浸りながら、1本目の演奏は幕を閉じていった。