CreativeDrugStoreのVaVaがAWA公式アカウントにプレイリスト『In To The Nevaland』を公開した。それに伴い、VaVaがビートメイキングについてやラップを始めた経緯、ライブ、影響について語っているインタビューが到着。
VaVa
VaVaはCreativeDrugStore所属のラッパー / ビートメイカー / DJ / プロデューサー。2012年からビートメイカーとして活動を開始し、2013年「Blue Popcorn」、2016年「Jonathan」と2枚の作品を発表した。
また、THE OTOGIBANASHI’Sの1stアルバム「TOY BOX」、2ndアルバム「BUSINESS CLASS」でのプロデュースや、平井堅「魔法って言っていいかな?」のオフィシャルRemixを手掛けるなど、その活動は多岐に渡る。
そして、昨年6月には全曲セルフプロデュースのアルバム「low mind boi」でラッパーとして活動を開始した。今年に入り、Soundcloudで「Loneliness」、YouTubeで「Call」「現実 Feelin’ on my mind」「93′ Syndrome」をマイペースに公開し、話題となっている。
VaVa
「In To The Nevaland」
VaVaはラップを始めてから、ビートメイカーだけの活動をしていた頃に比べて、ビートの作り方が変わったことをこう話す。
「ビートメイカーだけのときは、ラップの入る余地がないビートだけで完結してました。けど、ラップするようになってからは、ちょっと余裕があるビートを作るようになりましたね」
ラップを始める経緯はなんだったのか。
「高校生のときからレコーディングとビート作る機械はぜんぶ持っていて。それで、THE OTOGIBANASHI’SのBIMと共通の知り合いがいて、BIMのことを紹介してくれたんです。BIMが高校生の最後に曲を作りたいってなって、“じゃあうち来れば?”って。そこで録った曲が『POOL』でした。そこからBIMとin-dと仲良くなって、CreativeDrugStoreで一緒にやろうよってなりました。そのときはビートメイカー / DJとして活動をしようかなって感じで始めましたね。THE OTOGIBANASHI’Sの2ndアルバム『BUSINESS CLASS』までは、ビートメイカー / DJで活動していました。けど、それに飽きちゃって、ラップしてみたいなって思うようになりました。アルバム『low mind boi』の1曲目の『My Shit』をSUMMITの増田さんに送ったら、“良い感じですね。アルバム作りませんか?”ってなって始まりましたね。当時、ラッパーとしてアルバムを出すのは、CreativeDrugStoreの仲間には内緒で。仲間は『low mind spaceship』のMV公開タイミングで、ラップ始めたのを知った感じですね(笑)」
ビートメイカー / DJとして活動をしていたVaVaはラップすることに対しての抵抗はなかったのか。
「遊びでリリック書いて、ラップしたりもしてたんで、抵抗はなかったですね。アルバム『low mind boi』は自分でトラック作って、歌乗せて、ミックスして、2ヶ月で作りました。リリックは書き溜めることはなくて。書きたいテーマが思いついたり、そのときに良いトラックがあったときですね。持ってるトラックとfeelできそうだなって思ったときに書き始めます。家にいると書けないので、イヤホンつけて、紙かケータイにリリック書きながら、家の周りを永久に歩いてますね(笑)」
【LIVE】VaVa – 現実 Feelin’ on my mind
SUMMITのYouTubeチャンネルでは、4月に開催された“Creative Room@恵比寿BATICA”でのVaVaによる「現実 Feelin’ on my mind」のライブ映像が公開されたばかり。これはCreativeDrugStoreのHeiyuuが撮影した映像で、仲間に囲まれながらVaVaが楽しそうに歌っている姿が印象的だ。
「ライブの感じで、僕が憧れるのはステージに立っても同じ人なんです。人間味の見える人にすごい惹かれますね。アーティストは、自分が良いと思ってる音楽をやっているから、音楽が良いのは当たり前だと思っていて。だから、ライブとかで人間味が見えるアーティストに喰らうことが多いんです。SUMMITのアーティストはそういう人しかいないですね。周りを見ると、ラップだけでかっこいい人もいますし、ビートだけでかっこいい人もいますし、すごい人が多いんですよ。そのなかで僕は自分の世界で、楽しんでやってる感じですね。自分の好きな感じをただ作ってるだけ。前のアルバム『low mind boi』に比べると、今はゆっくり曲作って、できたら公開って感じです。今年、Youtubeにあげた『Call』『現実 Feelin’ on my mind』『93′ Syndrome』はアルバムとしては考えてなくて1曲ずつで作りました」
VaVa – Call
VaVa – 93′ Syndrome
“自分の好きな感じをただ作ってるだけ”と話すVaVaの楽曲にはゲームのネタが多く出てくるが、楽曲制作をする上でゲームからの影響はあるのだろうか。
「昔からゲームは好きでやってました。ゲームのサウンドって耳に残るじゃないですか。初めてサントラっていうものに触れたとき、ゲームしてないのに、そのときのことを思い出せることに驚きました。悲しい記憶とか、楽しかった記憶を思い出すんですよね。歌詞がないのに、メロディーだけで人の心をエグるのはすごいなって。ビートを作る上で、僕のなかでどう活かされてるか分からないけど、影響は受けてると思います。サンプリングだけじゃなく、弾いたりもするんですが、弾きだと余計に影響されてますね。日本人がエモくなるメロディーとか。そういう意味で、久石譲さんはすごいですよね。けど、いちばん好きなのはドラクエの作曲家のすぎやまこういちさんで。その人には間違いなく影響を受けてますね」
今回、VaVaにはプレイリスト『In To The Nevaland』を作ってもらったが、その1曲目が影響を受けたと話す、すぎやまこういち作曲の「ドラゴンクエスト序曲」から始まり、VaVaらしいプレイリストに仕上がっている。プレイリストを作ることは初めてだったのか。また、ストリーミングに対して、どう考えているのかを教えてもらった。
「プレイリストを作って人に聴かせるのは初めてです。DJでは四六時中やってましたけど(笑)。DJ感覚に近かったですね。操作性はまったく問題なくて、むしろ使いやすかったです。僕はストリーミング配信に関してのネガティブな印象はないですね。ネガティブになるのは、昔CDが売れてたからじゃないですか。今はストリーミングがメインだと思っていて。ストリーミングは音楽を探そうと思えばいくらでも探せるし。そのなかで僕の音楽も聴いてくれたら、嬉しいなって思います。ネガティブどころか、ありがとうございますって感じです(笑)。AWAは人が作ったプレイリストを見ることができるのも良いですよね。プレイリスト作ってるときに、検索して、初めて見ました。人が作った、チルなプレイリストのなかに、僕の『杉並地区』って曲も入ったりして。僕のなかで『杉並地区』はチルではないんですけど、そうやって聴いてくれてる人を知るのは嬉しいです」
最後に今後の展望を聞いてみた。
「家に筐体が置けるくらい余裕が欲しいですね。家を筐体だらけにしたいんですよ(笑)。あとは僕の音楽を聴いてくれる人が増えると良いなって。すでに聴いてくれてる人はありがとうございますって感じです。かっこいい人はたくさんいるんで、その中で聴いてくれてる人がいたら嬉しいです。とりあえず、インタビュー終わったと思うんで、ラーメン二郎行きません?(笑)」
Text & Photo by Toru Miyamoto