ホープ② johann
【特集】ジャパニーズ・インストシーンのホープ、ヨソハヨソとjohann。シーンのトレンドを交え、両者の魅力を徹底レビュー! feature131209_inst_johann_logo

★Qetic的見解! johannの成分は・・・

轟音度数25%

センチメンタル度数25%

熱血漢度数50%

★その理由は・・・?

無口とはいわずとも、男たるもの背中で語れ。関わる全ての人たちを誘導していく魅力が滲み出ている男に憧れる。そんな男気を感じさせる男でありたいと僕は思っている。“漢”と書いて“おとこ”と読ませる存在だ。

宣伝資料の“TOKYO JAPANESE WABI SABI TATAMI PRIDE”というコピーを目にして、その思い切ったテーマに一瞬、身構えてしまった。それを体現していれば唯一無二の武器となるが、もちろん逆の場合だってある。つまり諸刃なのだ。それ故に、これからjohannというバンドのアルバム『Haiku Days』の再生ボタンを押そうとする僕は、不安な気持ちに駆られてしまった。ところが、抱いていた一抹の不安は、5人の男たちから漲る人間臭さによって、ものの見事に払拭されることになる。

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至極当然のことだが、いわゆるインストバンドにあたるjohannには歌がない。しかしながら、彼らの演奏はなぜか歌心を感じさせる。血管が浮き出るぐらいに奏でる激情メロディーとリズムは、鬼気迫るテンションなのに、どこか人懐っこく、ときに切なさを帯びている。さらに、曲によって入る掛け声も歌がないだけに印象に残りやすい。歌モノバンドでいうサビにあたるものだが、そのどれもが簡単なフレーズだから、少ない言葉数を口ずさんだり熱唱したりすればいいだけなのだ。これは一見簡単なようだけれども、歌モノバンドには真似できない妙技。もちろん、他のインストバンドにもできやしない。その全ての要素が相まって、johannの音楽は、僕らが抱えている光と影を呼び起こしてくれる。なんというか、全身全霊の演奏で繰り出される暑苦しい音楽なのに、不思議と体温に近く、すっと染み込んでくるのだ。

『Haiku Days』に凝縮された熱量と切なさ、そして得体の知れないエネルギー。僕は彼らのライブを体験したことがないけれども、どこか祭り囃子のような郷愁感を帯びたサウンドに感化されて、熱血漢たちに会いたい気持ちに駆られている。祭のあとは、いつだって寂しくなるんだ。

★インディーズバンドの新しい可能性を提示するため、johannは現在「CAMPFIRE」にてクラウドファンディング実施中!

“葉月のクジラ”johann

“koyuki” by johann

(text by Shota Kato[CONTRAST])

Release Information

2013.12.11 on sale!
Artist:ヨソハヨソ
Title:neandertharloid
Tall taler records
TALL-1001
¥1,890(tax incl.)