——唯一ダンサーではない、まつゆかさんはどんな風にチームに加わったんですか?
まつゆか 私は実は、去年の<HADO WORLD CUP 2016>に、「非少女戦士セーラームーン」という別のチームで参加していたんです(笑)。そのときはみんなと知り合う機会はなかったんですけど、そこで同じく出場していた、今はわちゃわちゃ☆ピーポーのメンバーになっている子がわちゃごな☆ピーポーと試合で当たって、それ以来「みんなで練習をしている」という話を聞いていて。そこに私も何度か誘われていたんです。でも最初はなかなか行くことができなくて、今年の7月頃に参加したのが初めてでしたね。
TAKA まつゆかはステータスが振り分けられる新バージョンでやるのはその日が初めてだったはずですけど、最初からすごく上手かったんですよ。いきなり動けるし、玉も打てるし、バリアも張れるしで、「これはセンスがあるな」と思ったんです。いきなりウチにもともといたメンバーよりも上手くなってしまって、「ぜひ参加してほしい」と誘った形ですね。
まつゆか 私はもともと大学でAR系の研究室に近いところにいたので、「AR技術」みたいなものへの距離が近かったんです。それでこういうスポーツにも抵抗はまったくなかったし、「こんなゲームがあるんだ。面白そうだな」と思って参加した感じでした。
——ダンサーとして活動する体を動かすのが得意な人たちが集まったチームに、AR分野にも近いところにいた人が加わることになったんですね。
まつゆか まぁ、ARに近しいところにいたことが役立っているかどうかは分からないですけどね(笑)。でも、このメンバーの中では私は異色なのかな、と思います。
——わちゃごな☆ピーポーさんはメンバーのみなさんが入り乱れるようにポジションを変更することも多くて、機動力で勝負するチームなのかな、というイメージがありますが、みなさん自身はどんな戦い方を大切にしていますか?
TAKA いきなり特徴を喋っちゃうとあれなんですけど(笑)、僕がよく言っているのは、とにかく「よく見ろ」ということですね。がむしゃらに動き回るんじゃなくて、「見てから避ける」「見てから撃つ」ということで。
<HADO WORLD CUP 2016>のときは『HADO』のシステム自体がまだ旧バージョンで、ひたすら走り回って、動いたチームが勝っていたんですよ。でも、今はステータスの振り分けも生まれて、それだけでは勝てなくなってきている。
それに気づいて、以降は戦い方を変えた感じですね。最初は新しいバージョンになってからも前のイメージを引きずっていて、全然勝てなかったです。でも途中で作戦を変えて、勝てるようになってきた感じで。あと、僕らの特徴としては「弾数の多さ」ですね
——ステータスも、これまではチャージに振ることが多かったイメージです。
まつゆか <HADO SUMMER CUP 2017>まではそうですね。そこからどうするか、ということが<HADO WORLD CUP 2017>に繋がっていくと思うんですけど。
TAKA そうですね。極端にチャージに振る場合は、チャージを5に振ったときに使いこなせるメンバーがいるかどうかが重要なんですよ。僕とKodaiは80発ぐらいは出せますよ。
Raimu Kodaiは一度、100以上出したこともあるんです。私は全然出来ない(笑)。
——普段ダンスをしているメンバーが多いことは、そうした戦い方に有利に働いていると思いますか? フットワークが軽いと、それが活きてくるんじゃないかと思うので。
TAKA そうですね。ダンスには腕の動きも色々ありますから。
Raimu ただ、私は走り過ぎて、エナジーボールを上手く出せなかったりするんですよ……。
TAKA そもそも、僕はフィールドを走り回るような方法は薦めていないんですけどね(笑)。
Raimu でも、私とKodaiが揃うと「ちょっと走らない?」という感じになってしまう(笑)。
——本番に向けて、最近はどんな練習をしていますか?
TAKA スピードを上げる練習はしていますよ。今は速い弾を使うチームが増えていて、それを避けなければいけないので。それに、撃つ方も遅い弾を出しても今は当たらなくなってきていて、こっちも速い弾を使わなきゃいけない。そういう意味でもスピードは大事になってきていて、それに合わせてパラメーターも変わっていくと思います。
まつゆか あとは、試合での命中率を上げるために弾を小さくして練習したりとか、パラメーターを極端に振って練習したりもしていますね。
Raimu この間は、たまたま人数が3人だったこともあって、「1 on 1」にして、残ったメンバーが無造作に撃つエナジーボールを避けながら戦う練習もしました。
TAKA これは、視覚の外から来る弾も避けられるようにする練習ですね。チーム内で紅白をやっても感じることなんですけど、僕らはかなり弾を当てづらいチームじゃないかと思いますよ。あと、初期の頃で言うと……実は今日、傘を持ってきたんですけど(笑)。
——傘ですか??
TAKA まだ『HADO』が旧バージョンの頃は、練習する場所もあまりなかったので、自分たちで練習するための道具を作ったんですよ(と言いつつ、ビニール傘を広げると、そこに相手の胸元辺りに表示されるライフがマジックで書かれている)。
——これは……!
TAKA これを脇に挟むと、ちょうど実際にライフが表示される位置と同じような感じになります(笑)。それから、顔には100均で買ったサングラスにストローを装着して、その先に同じく100均で買ったリングを付けて……。このサングラスをかけて、リングを覗いて相手を捉えながら、鬼ごっこをしたりしていました。お互いに装着して、リングの中から相手を捉えて、カラーボールを投げていくという(笑)。これをひたすら続けると、弾を避けるための最初の一歩が早くなるんですよ。
——なるほど! 初期には色々な工夫があったんですね。いよいよ目前に迫った<HADO WORLD CUP 2017>を観てくれる人には、どんなとことを注目していてほしいですか?
まつゆか まずは衣装に注目してほしいです(笑)。
——わちゃごな☆ピーポーさんの衣装は素敵ですよね。
TAKA これはRaimuとまつゆかが入る前に決めたものなんですけど、もともと最初に着ていた衣装がアメリカンなテイストだったので、それを残しつつ、和風のものにしようと考えていきました。
それでKodaiたちと一緒に話していて、「アメリカの忍者にしよう」「アメコミがいいね」「じゃあ『ミュータント・ニンジャ・タートルズ』だ!」と意気投合して(笑)。でも、SLAMDIVAの衣装が緑なので、その色は避けて今のようなデザインになりました。
——じゃあ、イメージとしては「アメコミに出て来る日本のヒーロー」という感じですか。
TAKA そんな感じです(笑)。普段のダンスのショウでも使えるものにもなっています。
Raimu 実際に、ダンスの衣装にもその形のものがあるんですよ。ロック・ダンスとかで使われるようなものですね。ただ、私はロック・ダンスが専門でもないし、二の腕も見えちゃうしで、最初は「うわぁ、派手!」という感想でした。でも、もう決まっちゃってたんで「着るしかない……!」って。
TAKA その割に、Raimuが届いて一番に着てましたけどね。ポーズも決めちゃって(笑)。
Raimu はい。すぐ着ちゃいました(笑)。
まつゆか (笑)。それが、私が初めて参加した日の話だったと思います。この衣装だと、いつもとは違う雰囲気なので、気合が入りますね。
——みなさんは9月の店舗大会で優勝して<HADO WAORLD CUP 2017>への出場を決めました。その瞬間はどんな気持ちでしたか? また、当日への意気込みは?
TAKA 出場を決めたときは、「やっと」という感じでした。僕らは<HADO SPRING CUP 2017>で負けて、<HADO SUMMER CUP 2017>でも決勝で敗れてしまったので。今回出場するからには、日本人なので「海外勢には負けない」という気持ちで臨もうと思います。
予選全勝で行くつもりですよ。(分派の)わちゃわちゃ☆ピーポーと決勝で当たれたら最高だと思います。わちゃわちゃ☆ピーポーも最近、すごく強いんですよ。勝てない(笑)。
まつゆか そうなんですよ。最大の敵!
TAKA まさに最強のライバルです。他に挙げるとしたら……僕はエクスペンダブルズ。
Raimu 私はTNW Aですね。決勝の開始1秒で4枚抜きされたことがあるんで、会うたびに「次は私が絶対4枚抜きするらね!」と言っているんです(笑)。
まつゆか 私もTNW Aですね。横浜のソプラティコで練習試合をやったときには勝ったのに、<HADO SUMMER CUP 2017>は決勝で負けてしまったので。今一番、どんな練習をやっているのか、どんな戦い方をしてくるのか、正体が分からないチームでもありますしね。
——ちなみに、先に取材をさせてもらったエクスペンダブルズさんが、「俺たちに勝てるように練習してこいよ」と言っていましたよ。
TAKA 戯言言ってる……(笑)。試合で勝ってみなよ!!
——(笑)。『HADO』をはじめて、みなさんの中で変わったことはありますか?
TAKA やっぱり、はじめてからは『HADO』中心の生活になってきたような気がします。
Raimu 最初はこんなに本気でやるとは思っていなかったんですけどね。それに「私、こんなに時間があるんだ?」とも思いました。それまで忙しい毎日を送っていると思っていた自分が、『HADO』のことになると横浜まで練習をしに行って、そこから1時間半ぐらいかけて帰ったりしていて。それを改めて考えるとちょっと不思議ですよね。
まつゆか うんうん、それは本当にそうだと思う(笑)。
——それだけみなさんが『HADO』に夢中になっているということですね。最後に、対戦する他のチーム全員に向けてメッセージをお願いできますか?
TAKA どうしようかな……。じゃあ全員で……。
(3人揃って)俺たちは強い!!
——ありがとうございました! 試合、頑張ってください!
interview & text by 杉山仁