3月26日に待望のニューアルバム『リセット』を日本先行でリリースしたアタリ・ティーンエイジ・ライオット（以下、ATR）が4月9日から12日まで来日公演を行った。2011年11月の日本ツアー以来、約3年ぶりとなる単独公演は大きな盛り上がりをみせ、東京公演（4月10日）にいたってはチケットがソールドアウト、急遽1公演が追加となった。
また今回のジャパン・ツアーはATR自身もかなり楽しみにしていたらしく、事前にライブの動画撮影をファンに呼びかけていたり、来日時には事前にタワーレコード渋谷店でトーク＆ATR Sound SystemとしてのDJセットを敢行。今回、Qeticでは4月11日のライブ直前にATRにインタビュー。今のこの状況をサバイブする日本人全員への熱い熱いメッセージを受け取ったぞ！
Interview：ATARI TEENAGE RIOT ［Alec Empire、Rowdy Superstar］
──久しぶりの日本ですよね。街の人々の表情を見て感じたことはありますか？
Alec Empire（以下：Alec） いつも色々刺激をもらっているよ。特に渋谷は夜になるとまったく違う街になる。昨日は酔っぱらいのサラリーマンをたくさん見たよ！ 彼ら、昼は真面目にスーツで歩いているのに、夜はへべれけなんだよね（笑）。東京はそういうところが面白い。ここにくると広告のデザインや街にあふれる音楽や人から、たくさんのインスピレーションをもらっているよ。山を長時間歩くよりも、都会あのごちゃごちゃがATRにとっては良い刺激になるんだ。
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──前回の来日は震災の直後でしたね。
Alec そう。あの時は震災の悲しみや緊張感、身の危険を感じている雰囲気が街中に広がっていた。ドイツ人ならその感情をオープンにするから目に見えて分かったんだろうけど、日本人はそうじゃないから……。あの時はみんなが内に抱えた感情が妙な雰囲気を作っていた。今回受けた印象はどちらかと言うと、よりリラックスした感じだったね。
──昨日のライブでのファンの反応はいかがでしたか？
Alec とても素晴らしかったよ。
Rowdy Superstar（以下：Rowdy） うん、とても良かった。興奮して、４回もモッシュして落ちている人もいたんだ！
Alec 今までのライブのエンディングでは、ノイズの音だけで終わっていく場合が多かったんだけど、今回は趣向を変えて少し違うことをやってみたんだ。内容があまりに同じだと、日本のファンのサプライズにならないと思って。お気に入りのバンドがいつもと違うやり方でライブをするとブーイングするファンもいるけど、ATRのファンは自分達の進化や新しい提案を受け入れてくれる人たちだから、とても嬉しいよ。新曲も気に入ってくれたみたいだったし。
──今回はライブ当日に集まったファンにも携帯電話やデジカメでライブを撮影してもらい、それらを公MVに使用するということですが、この意図を教えていただけますか？
Alec ミュージシャンのライブには必ずプロのビデオカメラマンがいて、彼らが撮るべき瞬間は構図はある程度決まったもの。でもオーディエンスが撮れば、それはもっと自然なエナジーが撮れるだろうなと思ったんだ。それにATRとしては、カメラマンはライブ・ショーに含まれているという認識ではないけど、オーディエンスはライブの一部だと思っていて、彼らの世界を見てみたいと思ったんだ。
