先日開催された<Hostess Club Weekender>の2日目に出演し、鉄壁のグルーヴでオーディエンスを圧倒させていたザ・サーストン・ムーア・バンド。サウンドチェック以外、ほとんどリハーサルをせずに挑んだとは思えぬパフォーマンスは、さすが歴戦練磨のプレーヤーによって結成されたグループであることを思い知らされるのに充分だった。
そして、そこでベースを弾いていたのがマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(以下、MBV)のデビー・グッギであったことは、MBVファンはもちろん、おそらくソニック・ユース(およびサーストン・ムーア)のファンにも周知の事実だろう。ドラムのスティーヴ・シェリー(元ソニック・ユース)とアイコンタクトを取りながら、ベースをぶん回す彼女の姿に2年前のMBV来日公演を重ね合わせ、目頭を熱くした人も少なくないはずだ。
MBV活動休止中は、キャサリン・ギフォード(ムーンシェイク)と共にスノウポニーを結成。その後はタクシー・ドライヴァーで生計を立てたり、プライマル・スクリームのサポート・メンバーに抜擢されたりと、波乱万丈な人生を送ってきたデビー。滅多にメディアに登場してこなかった彼女だが、このたび独占インタビューに成功した。生い立ちから音楽との出会い、MBVのメンバーへの思いやグループ脱退後の苦悩、同性愛者としての人生観など、ざっくばらんに語ってもらっている。
MBVのメンバーの中ではムードメーカーであり、姉貴的な存在でもある彼女の、愛に溢れた人柄を少しでも伝えることができたら幸いだ。
Interview:Debbie Googe
ーーパーソナルな質問から始めようと思います。小さい頃のあなたはどんな子でしたか?
6人兄弟の一番下に生まれ、サマセット州という田舎で育ったの。特に大きな困難もなく普通に育ったと思うわ。両親も仲が良かったし。音楽は好きだったけれど、14歳くらいまでチャートに載るようなポップミュージックを追いかけて、それからパンクを聞くようになった。周りではセックス・ピストルズが人気だったけれど、私はラモーンズが大好きだったわ。他にはバズコックスにザ・スリッツね。
Ramones – “It’s Alive(The Rainbow)1977 GQ”