私にとってベルリンは、すでに現実世界であって、生活拠点である。観光で訪れた時のあのフレッシュな気持ちはもはやない。それでもベルリンへの注目度は変わらず、やってくる人も問い合わせも後を絶たない。自分以外の人の目からは一体どのように映っているのか無性に知りたくなった。そこで、アップカミングと言われ続けているドイツの異端児ベルリンに様々な形で関わっている日本人クリエイターたちに一つの質問を投げかけてみた。「あなたにとって、ベルリンとは?」 興味深い回答と共に、いつもとは少し違ったコメント形式でお届けしたい。
クラブカルチャー、旅、ITなどベルリンとも深いパイプを持つスタートアップの代表は?
西木戸 秀和/Hidekazu Nishikido(サメ株式会社 代表取締役)
僕がベルリンに興味を持ったのは、多くの人がそうだと思いますが、ダンスミュージックがきっかけです。それに、友人も多いので、仕事もプライベートも兼ねて何度か足を運んでいます。とにかくクラブが充実していますよね。それに、リビングコストが安いから、世界中から素晴らしい能力を持った人々が集まってきていて、クリエイティブな活動のスタートアップにはとても最適な街だと思っています。GoogleによるFactory Berlinなどテック系スタートアップコミュニティも存在していますし、まさしく何かを“スタートアップさせる”街だと思います。おまけに、交通インフラも安定していて、公園も多く、治安も良いときてますからね、住みやすい環境が整っているんじゃないでしょうか? 犬も幸せそうですし(笑)。ただ、どこの国も同じですが、外国人であるというデメリットは必ずあると思っています。ビジネス的な話をすると、近い将来、EU圏内での横展開にチャレンジしたいと思っています。その際に適切であればベルリンに拠点を置きたいですね。
【西木戸 秀和プロフィール】
サメ株式会社 代表取締役。日本国内、海外含めた世界中のエンタテイメント体験パッケージツアーを買える、売れる、作れるオンライン・プラットフォーム「BANANA」の企画・開発をはじめとする総合ディレクションを手掛ける。DJとしても活動。
▼現在BANANAで行われているベルリンプロダクトの一例
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ひょんなきっかけからベルリンへ訪れたファッションのプロから見たベルリンとは?
Kazuyo Shinato(スタイリスト)
最初ロンドンに行こうと思ってチケットを押さえたんですけど、“何か違う”って思って、直感でベルリンに来ました(笑)。ロンドンは完成されてしまってて、おもしろさに欠けると思ったんですよね。ベルリンは、街を歩いていてもオシャレだと思う人には正直あまり出会えないんですが、ファッションだけにスポットを当てる必要はないと思ったんです。街の雰囲気とか洗練され切ってない中から感じるおもしろさとか、インスピレーションも得やすいですよね。あと、プロダクトのセンスがとても良いと思います。東京って、やっぱり生活の拠点であって、仕事をする場所なんですよね。それとは別の場所で別のラインを走らせたいと思っていて、今回ベルリンへリサーチに来ました。海外ではビジネス抜きで、自分の好きなことを思いっきりやりたいんです。ベルリンは撮影向きの街だから、次は何かシューティングしたいと思っています。
【Kazuyo Shinatoプロフィール】
東京都出身。桑沢デザイン研究所にてファッションデザインを学ぶ。以後4年間、長瀬哲朗氏を師事する。2008年独立。主に雑誌、著名人のスタイリングを提供する。最近では衣装デザインを提供する機会も多い。2013年、AVGVST所属。
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