あえて#YENJAMINの情報を遮断するヘッズも――
・7月20日(金)、代官山UNIT/SALOONにて、東京を代表するヒップホップクルー・YENTOWNの主催イベント<YENJAMIN>が開催された。
・YENTOWNによるパーティー「YENJAMIN」が代官山UNITで7月開催│SALOONフロアはYouthQuakeがプロデュース
YENTOWNが大集合するイベント「YENJAMIN」の会場限定Tシャツのデザインが公開|kzm『DIMENSION』とAwichの新曲のリリパに
2017年7月に開催された前回以降、AwichやkZmのソロアルバムのリリースを始め、楽曲面でも目覚ましい活躍を見せたYENTOWN。そして何より日本各地でのライブを経て、熱狂的なYENTOWN信者の急増ぶりは止まるところを知らない。
そして今回の〈YENJAMIN〉は、kZmの1stアルバム『DIMENSION』リリースツアーファイナルに加え、七夕にMVが公開されたAwichの新曲“What You Want ft. IO”のリリースパーティーも兼ねた一夜。Twitterを始めとするSNSでは、開催前からこの日を楽しみにするヘッズたちの声がタイムラインに並び、中には観に行けないことから、あえて#YENJAMINの情報を遮断する者すらいた。YENTOWN信者たちはこの日のためにこの数ヵ月を生きてきた――そう言っても過言ではないほどの存在に、現時点で彼らはなっているのだ。
豪華客演陣を交えた、YENTOWNにしか生み出せない熱狂
イベント当日、日が落ちた代官山の駅前には若者たちがゾロゾロと姿を現し始める。コンビニや道端、クラブの前にたむろする恐らく10代から20代の男女。彼らのファッションはいわゆるB-BOY&B-GIRLではない。この日のイベントのことを知らない人は、今日は何があるのかと思ったことだろう。ただYENTOWNのライブに足を運んだことのある人なら、すれ違う度にビビっと来たはずだ――この人も<YENJAMIN>に行くんだなと。
ただし、YENTOWNのライブに来慣れているそんな彼&彼女らも驚くようなサプライズが、この日の〈YENJAMIN〉にはあった。kZmのツアーファイナルということで、最近の傾向から5lack(“Wolves”)とBIM(“Dream Chaser”)、そしてAwichで言えばもちろんIOの登場は予想済み。ただし結果的に今回は、その予想を遥かに超えてきた。
Awichの客演としてKojoe(“BoSS RuN DeM”)、ANARCHY(“WHORU?”)、KEIJU(“Remember”)がそろい踏み。それだけでもお腹いっぱいの豪華さだが、この日は何とkiLLa、そしてYDIZZYさえも登場した。kZm、kiLLa、YENTOWN――その歴史とこれまでの経緯を知っているファンは多いかもしれないが、真実は本人たちのみぞ知るものなので割愛する。ただしkiLLa crewの成り立ちに関しては、前項のkZmのインタビューで触れているのでそちらを読んでほしい。
この日はU-LEE、WATAPACHI、Nabewalks、MARZY、JAM、ISHIKAWA、TAIKIといったDJ陣に、PETZ、MonyHorse、Awich、kZmという4人のMC、さらに揃いも揃った今を代表する客演たちによる鉄板曲のオンパレードで、息つく暇もない興奮のライブが続いた。
それと共に、PIZZA SLICEのピザを持って皆で会場入りする彼らの姿や、ライブ後にステージ上で行われたChaki Zuluのバースデーサプライズの光景などからは、彼らの微笑ましいまでのファミリーへの愛とリスペクトを感じた。YENTOWNは多くのリスナーやヘッズにとって、とてつもなくMadで、眩しいほどにPureなクルーなのだと思う。
ライブの合間に、Awichの口からは“世界”という言葉が出ていた。果たしてこれから先、YENTOWNはどこへ向かうのか? きっと今日いなかったYENTOWNにとって欠かせない男――JNKMNも帰ってくることだろう。まだまだその動向から目を離せなそうだ。