——話は少し変わりますが、kiLLaはプロフィールによく“ネオ東京”っていう言葉が出てくるじゃないですか。でも『AKIRA』世代ではないですよね?

BLAISE ネオ東京……って何なんですかね。

No Flower 俺らは言ったことないからね。ただ紹介文的なのがないころにその言葉が入ってるのを借りて送ったら、言われるようになった。

acuteparanoia でも外国人からしたらネオ東京はわかりやすいし、クール。昔のHIPHOPではなくて、日本の新しいHIPHOPをイメージさせる言葉だと思う。

BLAISE 俺は『AKIRA』とか見なかったな。

acuteparanoia でも『AKIRA』も2020年ぐらいの話ですよね? 

——そうですね。2019年のネオ東京が舞台で、翌年の東京オリンピックを控えている状況でストーリーが進んでいきます。

BLAISE じゃあ今ってネオ東京? いい感じじゃん。

——ネオ東京もこれからの時代を暗示させる言葉ですし、そういう意味でもアルバムタイトルの『GENESIS』はぴったりだと思ったんですが、このタイトルはみなさんで決めたんですか?

No Flower 『GENESIS』は……(acuteparanoiaの方を見る)

acuteparanoia あの……はい。

No Flower どうしたの? ぴったりじゃん。

acuteparanoia けっこう難しかった。始まりって言葉でカッコいいものを探したり、単語を組み合わせてみたりもして。『GENESIS』はバイブル(聖書)の中にもある言葉で、新たな時代や、これからっていう意味を込めてる。

【インタビュー】 渋谷が生んだ新世代クルー・kiLLaが、1stアルバム『GENESIS』で提示する世界基準のHIPHOP killa-pickup3-700x494

——ジャケットのアートワークも意外性がありました。

No Flower YDIZZYの絵を描いたりしてくれてるKEIって子なんですけど、彼の絵がkiLLaっぽいし、これまでロゴだけだったのでお願いしました。

——あとリリックをQRコードで見られるようにするらしいですね。

No Flower リリックを覚えてライブに来て欲しくて、もっと常に手元におけるようにしたかった。

——今までライブをやってきて、ハマったなと思う瞬間はありましたか?

BLAISE 個人的には……まだなんだよな。これからやりたいって感じ。ただkiLLaで言えば、台湾だったかも。

No Flower ああ……あれ一番かも。まあいろいろ含めてなんだけどね。

BLAISE それかFLATBUSHの時のやつとか。あの辺りのVISIONはけっこう全部良かったかな。

No Flower 去年の今ごろだよね。

BLAISE ライブはもっと出来たと思うことの方が多い。

——kiLLaは若い世代の中でもライブに対する意識が高いと感じてるんですが。

BLAISE 日本のHIPHOPがそこまでなってないというか、普通のことなんですけどね。俺はリハとかをちゃんとやった方が完璧に挑める。

No Flower やりたいライブがそういうライブだから。アルバムを出せば決まったセットで回るだろうし。

【インタビュー】 渋谷が生んだ新世代クルー・kiLLaが、1stアルバム『GENESIS』で提示する世界基準のHIPHOP killa-pickup4-700x494

(Arjuna登場)

Arjuna 遅くなってすみません。よろしくお願いします。

——こちらこそ。いろいろな話をしているんですが早速、Arjunaさんにもアルバムの発売が迫った今の心境を聞いてもいいですか?

Arjuna シンプルに楽しみですね。どうなるか……ぐらいですね。

一同 (笑)

Arjuna KEPHAは?

No Flower 喋らないから来ない。撮影は来るよ。

——個人的にみなさんに聞いてみたいことがあって。みなさんも関わりある木村太一監督がTwitterで、「流れというものは常に認知していないといけない。しかし個性を出したいのであれば意図的にその流れに対して反発や脱線を繰り返すべきだ」とつぶやいていて。この言葉はどこかkiLLaに当てはまるんじゃないかなと思いました。僕は今回のアルバムを聴いて、kiLLaが日本のHIPHOPシーンへの不満と、世界のHIPHOPアーティストになることへの渇望、その両方を現時点で抱えているのではないかと感じました。

Arjuna 別に日本だから……とかではなく、何て言うんだろうな。まあ俺のスタイルとkiLLaのスタイルは別だから、kiLLaのスタイルってなるとあんま言えないですけど、俺は自分の感覚っていうのを大事にしてるし、自分のスタイルを追求したい。誰がなんと言おうとも俺は俺、みたいな。そういう風にクルーとしてもなっていけばいいんじゃないかなと。個が集まった集合体というか。

BLAISE 俺はビートを聴いて感じたことをラップしてるだけなので、そんなにこうっていうこだわりをしたわけではないんですけど。

——素直な言葉が出ている?

BLAISE そうっすね。

——トラックを作る側としては、日本と世界という視点でkiLLaを今後どのようにしていきたいと考えていますか?

No Flower 海外でやることも増えてきて、日本はもちろんですが、気持ち的には海外も同時進行でやってそれぞれの国でも大きくしていきたい。日本でやってるから自然と日本の方に寄っちゃってるところはあると思うんですけど、またここで自分たちのやり方で、自分たちのタイミングで、自分たちのやりたいことだけやるっていう風にしたかった。今回のアルバムからって感じ。

——kiLLaのやり方で、kiLLaらしく。

Arjuna ムーブメントを世界に持っていきたいだけ。世界に通用するものかどうか以前に、パッションの問題だから。俺たちのやりたいことを何でもやって、ライブでは客を盛り上げてっていうのが俺らのムーブメント。俺らのムーブメントはこれっていうのを、そのまま世界に見せたい。

【インタビュー】 渋谷が生んだ新世代クルー・kiLLaが、1stアルバム『GENESIS』で提示する世界基準のHIPHOP killa-pickup5-700x993

RELEASE INFORMATION

GENESIS

【インタビュー】 渋谷が生んだ新世代クルー・kiLLaが、1stアルバム『GENESIS』で提示する世界基準のHIPHOP killa-pickup10-700x700
2018.1.24(wed)
kiLLa
¥2,500(+tax)
bpm tokyo

[TRACK LIST]
1. Inception (prod. by DZA)
2. Murasaki (prod. by No Flower)
3. Faded (prod. by acuteparanoia)
4. Like This (prod. by No Flower)
5. Whole Lotta Gang (prod. by No Flower)
6. Late Night (prod. by acuteparanoia)
7. God Bless (prod. by No Flower)
8. Tokyo Haze (prod. by acuteparanoia)
9. XXX (prod. by acuteparanoia)
10. Slowdown (prod. by No Flower)
11. Rockstar (prod. by No Flower)
12. Nakama (prod. by acuteparanoia)
13. Ue Ni Iku (prod. by acuteparanoia)
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interview&text by ラスカルNaNo.works
photo by Seiya Uehara