先日の木村花さんの訃報について、このようにコラムで書かせて頂くかどうか本当に悩みました。あまりに急すぎたショックを自分の中で受け止めきれなかったのと、はっきりとした実感も沸かず、この感情をきちんと納得いく文章で表現することができない気がして。
しかし、先日の告別式で花さんにお別れの挨拶をさせて頂いた中で様々なことを考えた結果、自分がこのようにコラムを書く機会を与えて頂いてるのであれば、光り輝く花さんのレスラー人生を少しでも世の中に広めていくべきだと考え、今回のコラムを書かせて頂くことにしました。

個人的に印象に残ったシーン、僕が特に好きな木村花選手の必殺技など、一旦気持ちを切り替えて紹介していければと思います!

木村花/華麗に、そしてダイナミックに咲き誇るファンキーガール

まず僕が印象に残っているのはデビュー間もない頃、憧れの大先輩アジャコング選手からプロレス界の厳しい洗礼を受けた試合。終始圧倒されながらも、アジャコング選手の愛の鞭を全身全霊で受け止める花選手のガッツは本当に素晴らしかった。フィニッシュの垂直落下式ブレーンバスターを放つ前にアジャコング選手が叫んだ名言「よく頑張った!プロレス界にようこそ!」からは本当に溢れんばかりの愛が伝わってきましたね。

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アジャ 「プロレスするの嫌になったか?」

花 「違う。」

アジャ 「まだまだ続けていくか?」

花 「はい。」

試合後のこのやり取りを見たときは心底感動し、木村花選手のことをこれからずっと応援していこうと決めたのを覚えています。

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デビュー以降、お母さんの木村響子さんは娘の壁となり、その壁を崩すべく全力で母親超えを目指していた花選手。

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母・響子選手の引退試合で、最後に感謝や労いの言葉を贈ると見せかけて喧嘩を売る花選手。すごく衝撃的で、でもすごく花選手らしくて。ファンとしてとても嬉しかったのを覚えています。

「えっと、ひと言わせてください・・・クソババア。これで辞めるつもりですか?私、やり足りないんですよ全然。」

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この後急遽親子シングルマッチが行われて花さんが見事勝利を飾ったのですが、響子さんも全力の愛で受け止めていた様子が、見ていてとても感動しました。

その後、僕が久しぶりに花選手を見たのは、スターダムのリング。響子さんも活躍していたユニット「大江戸隊」でもの凄い存在感を確立していました。本当に美しく妖艶で華やかで、それでもって力強くて。久々に見た花選手は、確実にスター選手そのものでした。

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この華やかなコスチュームに黒髪、黒い口紅もすごく似合っていて。後に結成するユニット「TOKYO CYBER SQUAD」のスタイルもそうですが、本当に素晴らしいファッションセンスと存在感でいつも試合前の入場からファンを魅了してくれました。

大江戸隊を離れ、新ユニット「TOKYO CYBER SQUAD(以下、TCS)」を結成してからは、更にカリスマとしての存在感が爆発。独特の世界観でファンを魅了し続けたわけですが、僕の周囲でも、全然プロレスを見ようとしなかった友人達が、男女問わず花選手やTCSをきっかけに後楽園ホールへ足を運び出す事例が頻発しました。

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特に僕が衝撃を受けたのが象徴的とも言えるガスマスクの使い方。ガスマスクってこんなに可愛いアクセサリーになるものかと、一瞬目を疑いました。普段会社などで「女性に身につけてほしいアイテム」の話題になり、みんながニット帽とかアラレちゃん眼鏡(呼び方合ってるのだろうか…)などと言っている中、僕は常に迷わず「ガスマスクッ!」と答えて花さんの画像を見せていました。

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大江戸隊期間と同様、TCSでの功績を上げ始めるとキリがないですが、個人的に大好きだったのがタッグリーグで実現したDEATH山さん。との名タッグ。花さんもDEATH山さん。仕様のメイクをして、もの凄いパフォーマンスで会場を沸かせてくれました。コーナーに控えている時もDEATH山さん。ムーブに余念がなく、最高に盛り上げてくれましたね。DEATH山さん。の「デース!デース!DEATH山デース!」のムーブが長すぎていつもカウンター攻撃を食らうくだり、大好きです(笑)。

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あとは、やはりジュリア選手との因縁勃発が話題性抜群でワクワクさせてくれましたね。試合前から会見やバックヤードで壮絶な喧嘩を繰り広げ、試合も両者一歩も引かずに時間切れで決着が着かないほど、凄まじい意地と意地のぶつかり合いを見せてくれました。

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それではここで、数ある木村花選手の得意技の中から、特に僕が好きな技をいくつかご紹介したいと思います。花選手の技はどれもダイナミックで美しいので、選ぶのにすごく迷いました…。

①ドロップキック

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プロレス技としてはオーソドックスな技ですが、花選手のドロップキックは両手を大きく振り回しながら正面から放つので、すごくダイナミックでパワフル。 

②ビックブーツ

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母・響子さん譲りのビックブーツ。感情をむき出しにして一気にスピードをつけて放つことが多く、破壊力・切れ味共に抜群。

③ハイドレンジア

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木村花選手の象徴ともいえるグラウンド卍固め。美しいフォームながらも絞り方が容赦無く、僕なら2秒で肩はずれると思います(笑)。

④パッケージドライバー

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その名の通り、相手の手足をしっかりとホールドした状態で放つパイルドライバー。手足の自由が効かない状態でもろに頭から落ちるので、これは本当に強烈!

以上、木村花さんについて全て語ろうとするととても1回のコラムじゃ語り尽くせないので、今回は僕が印象に残っているシーンを中心に紹介させて頂きました。花さんの輝かしい功績の数々は、必ず語り継いでいきたいと思います。正直、今はまだ試合の映像を見返していると辛い気持ちになることもありますが、YouTubeチャンネルスターダムワールドにはオンオフに限らず沢山の木村花選手の動画がありますので、これからずっと、何度も何度も何度も何度も見返していきたいと思っています。そして、やっぱり今は悲しいけど、心よりご冥福をお祈りいたします。

次回のみちくさボンバイエもお楽しみに、それでは。

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