皆さん、こんにちは! 僕は8歳の頃からプロレスファンなんですが、子どもの頃はいろんなレスラーになりきって遊んでいました。美術の時間に絵の具で顔にペイントしてグレート・ムタになって先生に怒られたり、新聞紙でハルクホーガンのTシャツを作って破く真似をしたり。そして、父親にホームセンターで買ってもらった三度笠をかぶっていつも真似をしていたのが当時みちのくプロレスで大活躍されていたTAKAみちのく選手の入場シーン。日本で、メキシコで、アメリカで大活躍されて、WWF(現:WWE)ではベルトも巻き、日本人で初めて<レッスルマニア>にも出場されたTAKAさん。WWF時代は映画の吹き替えのようなアテレコマイクパフォーマンスが名物になっていて大好きでした。

【WWF】TAKAみちのく VS タジリ 2001 6/19【SmackDown!】

日本に帰ってきて現在まで、KAIENTAI DOJOの代表として、鈴木軍の一員として大活躍のTAKAさんですが、今年でなんとデビュー25周年を迎えられます! 人生の半分以上を第1線のプロレスラーとして過ごされてて本当に素晴らしいですよね。今回はそんなTAKAみちのくさんにインタビューをさせて頂きましたので、9月4日(月)に後楽園ホールで行われる25周年記念大会の試合カードに込めた思いと、その他インタビューで聞けた貴重なお話を色々とご紹介していきたいと思います。

Interview:TAKAみちのく

——まずは25周年を迎えらえて、率直な今の心境を聞かせてください。

私は生涯現役なので、25年周年とはいえ自分にとっては通過点です。でも、4分の1世紀プロレスラーとして生きてきて、この25年間は非常に濃かったなぁと思いますね。メキシコ行けて、アメリカも行けて、世界の最大手の舞台も体験できて、名もなきインディー団体でデビューしたのにいわゆるメジャー団体の全日本・新日本・ノアを渡り歩いてベルトを獲ったりもできたので、まぁそれなりに充実してたとは思いますね。でも、25年とはいえ上には上がいるんで。30年40年やってる人もいるので、本当にまだまだ通過点です。

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——25年間の中で特に印象を残ってるシーンはありますか?

本当に色々ありすぎて「これだ!」ってのは選べないですね。でもこの体で世界最大手のリングに立てて、ベルトも獲れて、今でこそ日本人もいっぱいWWEに行ってるけど当時はそんなにいなかったので、<レッスルマニア>とか<サマースラム>に出れたのは良い経験なのかなぁと思います。同じプロレスとはいえ、全く別ジャンルのものだったのでカルチャーショックでしたよ。

——それから日本に帰られて千葉にKAIENTAI DOJOを設立されて、もちろんご自身も活躍されながら、TAKAさんはいつも下のレスラー達を育てているという印象がありますが。

自分がプロレスラーとして充実した日々を送ってこれたのもいろんな人達の助けがあるし、やっぱりプロレスに対しての感謝があるから、プロレスに何か恩返しがしたくて。何ができるのかを考えた時に後進育成かなって思うんですよ。良い選手を育てたいって気持ちもあったし、とにかくプロレスに恩返しをしたいという思いでやってます。

あとKAIENTAI DOJOに関しては、自分がプロレスできなくなったらどうしようって考えた時に、ちゃんこ屋やラーメン屋みたいに飲食店やってる人もたくさんいるけど、自分にはそういうの向かないなぁと思って(笑)。自分にできるのはやっぱりプロレスだけなので、団体を持っていれば自分がプロレスできなくなっても興行はできると思ったんです。プロレスに一生関わって生きていきたい、プロレスで生きてプロレスで死にたいと考えた結果、KAIENTAI DOJOの設立に至りました。

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——それでは9月4日の25周年記念大会に関して、発表された試合カードを組んだ意図などを1試合ずつ伺っていきたいと思います。全試合のカードを拝見しましたが、本当にいろんな意味がこもっていそうな組合せでしたね。

そうですね、この25年間の全てをここに凝縮したつもりで考えました。

——第0試合からお話伺っていきたいのですが。まず、最近KAIENTAI DOJOは練習生がすごく増えましたよね。

だいぶ増えました。入門テストで入った練習生+突然やってくる外国人が何人かいますね(笑)。以前から「トレーニングしたい」「プロレスを学びたい」みたいなメールは外国からちょくちょく来るんですよ。でもアメリカの船木からの紹介だったり、他にも誰かの紹介みたいな余程の安心材料がないと、基本的にはあまりメールに対して連絡などの対応はしてないんです。

そしたらね、最近は突然道場に押しかけてくるんですよ。道場着いたらなんか怪しい外国人いるなと思って、なんだおまえって聞いたら「トレーニングしたい」とか言って。来ちゃったからしょうがないと思って練習自体は参加させてあげて、良ければ試合に出してみたりするんですけど。それはそれでうちの選手も外国人のスタイルと向き合う良い経験になったり、学ぶ事もあるのかなと思ってますけどね。だって今、呼んでもない外国人が4人くらいいますもん(笑)。あとはERINAみたいに僕から声かけてスカウトして、実際レスラーや練習生になるパターンもありますね。

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そして9月4日の練習生によるエキシビジョンマッチですが、まだやるかどうかはわからないです。いくらエキシビジョンとはいえお客さんの前でやるわけですから、それに見合った技術が当日までにあればやらせようと思ってます。ただ、ダークマッチ(※)はやります。せっかくの25周年記念でおそらく超満員になるであろう後楽園ホール、その超満員の前でやらせてあげたいなと思って。KAIENTAI DOJOのメンバーで全6試合からあふれた選手がいるわけですよ。そういう選手にチャンスを与えたいと思って、第0試合でやらせようと思ってます。ダークマッチは絶対やりますが、エキシビジョンは練習生の出来次第。

(※ダークマッチ:プロレス興行で開場から第1試合の間に行われる試合。)

——第1試合 KAIENTAI DOJO 一期生スペシャルタッグマッチ:Hi69、ヤス・ウラノvs.柏大五郎、MIYAWAKI

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このメンバーは全員プエルトリコでKAIENTAI DOJOを立ち上げた時の1期生。今レギュラーで出ているのは柏大五郎だけですが、アメリカのプエルトリコで設立した時の何もない状態で集まってくれたメンバーですから、やっぱり思い入れがあるんですよね。1発目は1期生揃えたいなって思っていたらみんな快く出るって言ってくれたので、このタッグマッチに決めました。

——第2試合 女子スペシャルタッグマッチ:紫雷イオ、HZK vs.バンビ、ERINA

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今回、25周年ということで自分に縁のある選手たちプラス、プロレス界のトップを呼びたいって気持ちがあったんですよ。うちにはバンビとERINAという女子レスラーがいて他団体とも交流してるけども、普段あたる事がない選手と試合させてあげたいなと考えた時に、今の女子プロレス界のトップとして紫雷イオ選手が自分の中で浮かんだんですよ。

紫雷さんが所属するスターダムってそんなに外に出たりしないし良い機会だなと思って。紫雷選手は今間違いなく女子プロレスのトップにいる人だしHZK選手も若くて勢いある選手なんで、まだ初勝利をあげていないうちの若いERINAが、ここでスターダム喰ったらすごいでかいだろうと思って。だからこの試合はKAIENTAI DOJO女子が女子プロレス界トップにどこまで挑めるか、喰えるか。ぜひ喰ってくれって感じですね。

——第3試合 みちのくレジェンドスペシャル6人タッグマッチ:ザ・グレート・サスケ、スペル・デルフィン、ディック東郷 vs.吉野コータロー、ダイナソー拓真、リッキー・フジ

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まず、この25周年記念大会はどこを切ってもどの世代が見ても「おっ!」と思えるカードにしたかったんですよ。それで、この試合はあの当時のみちのくプロレスを見てた人たちがまさに「おっ!」と思ってくれるような試合ですよね。

——この試合は僕の世代のファンにはたまらないですよね。試合カードを見ただけで感動しました。

サスケ、デルフィン、ディック東郷ってしれっと並んでますけど、みちのく時代この3人はそれぞれユニットで争ってたので3人が組むことって1度もなかったんですよ。20年の時を経て初めてのトリオなんですよ、実は。当時バリバリだった3人が快く引き受けてくれて。

対戦相手の吉野とダイナソーは、今KAIENTAI DOJOで僕がイチオシしてる勢いあるタッグなので、願わくばレジェンドを喰ってほしいという意図を込めています。レジェンドだからありがたいと思うだけでなく結果を出してほしい、そんな試合です。

——第4試合 KAIENTAI DOJOザ・ベスト8人タッグマッチ:タンク永井、本田アユム、十嶋くにお、最上九 vs.梶トマト、滝澤大志、旭志織、遊馬

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自分がみちのくプロレスにいた時に「みちのくザ・ベスト」っていう誰と誰が組んでも外さないという試合がよくあったんですけど、「これぞKAIENTAIだ」という試合を見せてほしいという願いを込めて4人ずつを厳選して決めました。できれば全6試合の中で、名前では負けるかもしれないけど試合内容では1位をとってほしい試合ですね。でも、それができる8人だと思ってます。

——第5試合 スペシャルシングルマッチ:鈴木みのるvs.GO浅川

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ボス(鈴木みのる)が出てくれるのは確定していて、絶対シングルだって決めてたんですよ。そこから誰をあてようか色々考えました。滝澤だったりトマトだったり。でも、今若手で伸びてきてるのがGO浅川なんです。こいつだったら遠慮なくガンガン行くんじゃないかなと思って。どうせ、どうせボコボコにされるわけなんですよ。だったらガンガンいってボコボコにされてほしい。勝ち目は薄いかもしれないですけど、若さと爆発力で「もしかして」「あわや」というのを見せてくれるのがGO浅川じゃないかと思います。

勢いがあるので遠慮なくいって、ボスを本気にさせてほしい、ボスがブチギレるくらいいってほしいと思います。試合時間は短くてもいいんですよ、3分とか5分でやられてもいいんです。その代わりボスを怒らせてほしいですね。本気のボスに叩き潰されるのが、絶対良い経験になるので。自分も20周年の時にボスと初めてシングルやって、鈴木みのるって人とのシングルは、すごくプラスになるのでレスラーは絶対1度やっとくべきだと思いましたね。それを今回はGO浅川に託しました。自分は1度やって、ボスとは2度とやりたくないと思いましたが。

——第6試合 TAKAみちのく25周年記念スペシャルタッグマッチ:オカダ・カズチカ、外道 vs.TAKAみちのく、飯伏幸太

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自分には25年間やってきて代表とプレイヤーという顔がありますけど、どうしてもプレイヤーとしての維持とプライドがあるわけですよ。まだ俺は終わってないと。まぁ年々衰えていくのは感じるけども、負けたくないというプレイヤーとしての維持があって。それで、バンビたちに女子プロレス界のトップをあてたように、世界のトップレベルはどんなもんなんだろうって考えた時にやっぱりオカダ・カズチカが浮かんだんです。

新日本のリングで鈴木軍として何度か絡んでますけど、そんな深い関わりはなかったんで。今のトップがどんなものなのか、がっちりあたってみたいですね。実は決まった順番でいうと、昔周年記念の試合で負けたことがあったので、そのリベンジも含めてまず外道さんから決まったんです。あの人こそ「能ある鷹は爪を隠す」なんですよ、外に出ると普段見せないものを見せてくるんですよね。最近新日本ではやることあっても、新日本ではあの人爪を隠してるので、絶対外道さんとはやりたいと思ってました。

そして、もう1人誰にしようって考えた時に、トップといえばオカダ・カズチカ、外道さんといえばオカダ・カズチカなので。その後に自分のパートナーを考えてて、相手に見合ったパートナーが必要だと思ったんですが残念ながらKAIENTAI DOJOの中でそれに見合ったものを見つけられなかった。そこで飯伏に声をかけました。この試合、自分の25周年記念の試合なんですが、ヘタするとオカダと飯伏に全部見せ場持っていかれるかもしれないじゃないですか。主役であるべき私が脇役になる可能性、そことの闘いでもあるわけですよ。オカダと飯伏はおそらくすごい攻防をすると思いますが、それ以上の事をしないといけないと、レスラーとしてのハードルを上げて自分を追い込んでいます。実は今まで10周年とか15周年とか、自分の大事な試合で負けてるんですよ。だから、ここは1番に目立って勝ちたいです。

——それでは最後に、Qeticの読者、このコラムの読者の方達に向けてひと言お願いします。

9月4日の後楽園ホールはKAIENTAI DOJOを知らない人がKAIENTAI DOJOを知る良いきかっけになると思います。オカダのファンだったり飯伏のファン、紫雷イオのファンが来て、KAIENTAI DOJOを初めて見る入り口になる可能性があります。どこを切っても楽しめるカードにしているつもりなんで、月曜ですがぜひ足を運んでもらいたいですね。これだけのメンバー集めたから「余裕で超満員でしょ」って言われるんですけど、そんなあまい時代じゃないんですよ。今必死に営業活動してて是が非でも超満員にします。KAIENTAI DOJOの選手たちに超満員の後楽園ホールで試合をさせてあげて、プロレス界のトップを目の当たりにして成長させてあげたいですね。25周年頑張ってきた私の政治力も活かして、プロレスっていいなって思えるプロレス界のオールスター戦みたいなカードを組ませて頂きましたので、ぜひ会場に足をお運びください!

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以上、今年25周年を迎えられたTAKAみちのくさんへのインタビューでした。TAKAさんのプロレスへの愛、育ててきたKAIENTAI DOJOへの愛、レスラーとしてのプライドがすごく伝わってきたインタビューだったと思います。本当に豪華なカードが目白押しの25周年記念大会、ぜひ皆さん会場に足をお運びください。僕ももちろん行きますので会場でお会いしましょう!

次回のみちくさボンバイエもお楽しみに、それでは。

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EVENT INFORMATION

KAIENTAI DOJO TAKAみちのく25周年記念大会

2017.09.04(月)
後楽園ホール
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撮影協力:TGIフライデーズ 東京ドームシティ店
©️KAIENTAI DOJO, All Rights Reserved.