世界最大規模のプロレス団体WWE。最近では所属の日本人選手も少しずつ増えてきていますが、皆さんとても活躍されているので同じ日本人として本当に誇らしく思います。ニュースが日本に届く度に嬉しいですよね。そんな中、今回お話を伺ったのは中邑真輔選手。
先日のロイヤルランブル戦(※)で優勝し、4月に行われる世界最大のプロレスイベント「レッスルマニア」の大舞台でWWEのベルトをかけて闘います。この相手がまた運命的で、新日本プロレスで共に名勝負を繰り広げていたAJスタイルズ!! 本当に当日が楽しみすぎて、僕は最近、毎日ソワソワして過ごしています。
そんな中邑選手に、レッスルマニアに向けての意気込みや最近のライフスタイルなど、沢山興味深いお話が聞けましたのでここで紹介したいと思います。それではいってみましょう!!
※WWEのスーパースター30人が順番に入場して対戦する、特殊なバトルロイヤル形式の試合。
Interview:Shinsuke Nakamura
——まずは、初めてレッスルマニアへの出場が決まったことに関して、感想をお聞きできますか?
ロイヤルランブル優勝という1番最高な形で初出場が決まって嬉しいですね。これから先、色々なタイトルマッチをしていくと思うんですけど、きっとそれよりもロイヤルランブルで優勝することの方が難易度は高いと思うんですよね。日本で言うとG1(※)で優勝するような難しさがあると思うんですよ。今回、それを制してレッスルマニアに出場するというのは、これ以上無い出場の決まり方だと思います。
※新日本プロレスで毎年夏に行われるリーグ戦の大会「G1クライマックス」の略。
——タイトルマッチの相手もAJスタイルズという最高の相手に決まりましたが、その辺りについてはどう思われてますか?
心から尊敬できる数少ない相手と試合ができるのは嬉しいですね。興奮するというのもありますし、やってやろうっていう気持ちが非常に高まっています。
ロイヤルランブルが終わってから、やっと自分自身調子が掴めてきた感覚があるので、自分の魅せ方だったり相手の引き出し方だったり、徐々に地に足がついてきた気がします。それをレッスルマニアで一気に爆発させたいですね。
——アメリカに行かれてから過去2回レッスルマニアを現場でご覧になったと思いますが、「レッスルマニア」自体についてはどんな印象ですか?
日本のプロレス見てる感覚からすると「興行が長い」って言うかもしれないですけど(笑)やっぱり世界最大でこれ以上が無いプロレスイベントっていう意味では、それくらいのボリュームは当たり前かなって感じがしますね。でも、長丁場で試合数も多く、総合的な演出も半端ないその中で、インパクトをどう残せば良いかってことを常に考えています。こういう言い方すると良くないかもですが「長丁場でだれるのは当たり前」と思って、そんな世界中の目を覚ますようなものが求められてくると思いますね。
——WWEに入られて、レッスルマニア出場が決まるまでのスピード感に関してはご自身どう感じてらっしゃいますか?
よく早いって言われるんですけど、僕がWWEに入団して今までやってきた感覚で言うと「やっと」って感じてます。
——以前日本で闘った時と今で、AJスタイルズの印象の違いはありますか?
日本で接していた時よりも、今の方がAJの総合的な力は感じますね。例えば今僕がアメリカにいるようにAJが日本にいる時は、違う文化のもとで試合をしているという感覚があったと思うんです。その中でAJは日本であれだけの実績を残していて。それが今逆転して、僕が今、日本にいたときのAJのような立場になっているのかなと思いますね。今のAJに関しては、水を得た魚というか、しっかりと実力を発揮できているように思います。
——真輔さんご自身もアメリカに渡って何年か経ちましたが、入団当初と今で変わった事はありますでしょうか。
日々が変化の積み重ねなので、そんなに大きく変わった事は感じ取れないんですけど、WWEは選手が多くて世界中から見られてるので、やっぱり他の選手としっかり差別化を図るという事を意識的にやっています。
——WWEの環境やシステムにはもう100%慣れましたか?
100%はまだ慣れてないですね。アメリカで生活している以上、文化の違いというのはあるので。日本でも大阪の人が東京に来ると慣れる慣れないあるじゃないですか(笑)だいぶ心地良くはなってますけど、そこはまだまだかなって思います。
——今までWWEで挑戦したタイトルマッチでは惜しくもベルトが獲れなかった中で、レッスルマニアでベルトが獲れたらまた歴史的な瞬間となりますね。
そうですね、とりあえず確実に爪痕は残せるかなと思ってます。結果については勝ちたいと思っているのはもちろんですが、それよりも「中邑真輔」を全世界にアピールしたいなと思ってますね。
——日本にいた時より体格が良くなった気がしますが、普段体の管理とかはどのようにされてらっしゃいますか?
こっちだと自分で運転して移動したり宿泊探したりしないといけない分、スケジュール管理を厳しくしないといけないですが、その中で体の管理もしっかりやってます。年間200試合くらいあって、尚且つ飛行機移動や自分で運転する車移動をしていて、トレーニングはいろんな場所で自分でジムを探さないといけないので、うまく管理しながらやってますよ。あとは食事の管理が大きいと思います。
——「食事」って移動が多いので外食中心になってしまいませんか?
そういう意味では、日本はどこに行っても美味しいものが溢れてるじゃないですか。アメリカだとそこまで期待できないので、ダイエットに対する誘惑が少なくて済むんですよ(笑)タコベルとかマクドナルドはどこにでもありますけど、ちゃんとした日本食を探そうとすると、ものすごく難易度高いですから。あと、アメリカではヘルシーフードやジム通いが流行しているので、自己管理をしっかりとする環境に普段から接しやすいですね。
——最近はマイクで話すことも多いですが、マイクパフォーマンスに関しての手応えはどうですか?
まあ100点でないことは確かですが。発音の悪さなんていうのは、捉え方次第ではそれもフックになるかもなんて思ってますけどね。アメリカにいてもアクセントや発音の悪い人なんてそこらじゅうにいるわけですから、コミュニケーションはとれているのであまり気にしてないです。
——最近のコスチュームに関してこだわっていることはありますか?
レッスルマニアのコスチュームは、かなり時間と、あとお金を(笑)。日本で作られてた方がちょっと辞められてしまって、しばらくはアメリカで作ってたんですけど、どうしてもクオリティの差が顕著で。今はまた日本で作ってくれる方を探して、アメリカまで来てもらって作ってます。だからレッスルマニアのコスチュームに関しては、ちゃんと自分のテーマに沿ったものが作れると思いますよ。
——アメリカでももうだいぶ有名人だと思いますが、街中とかで声はかけられますか?
アメリカでは結構カジュアルに声かけてきますよ。「ヘイ!シンスケ!」くらいの感じで声かけてくるので、「あれ、友達だったっけな?」と思いながらよく世間話をしてますね(笑)
——Instagramではよくサーフィンの写真があがっていますが、どのくらいの頻度で行かれてますか?
行ければ毎週行ってますよ。できれば毎日行きたいんですが、それは不可能なので。SNSは普段メディアで伝えきれない自分も伝えられるという意味では色々と活用してますが、サーフィンに関してはただ単に自分の記録という意味もありますし、どっかサーフィンのスポンサー付いてくれないかなっていう気持ちもあります(笑)。
——バレンタインの時に赤福がSNSにあがってましたが、あれはどうやって手に入れたんですか?
コスチュームのデザイナーをアメリカに呼んだ時に、賞味期限が切れる事を前提にお願いしました。赤福は賞味期限2、3日だと思いますが、日本にいる時も自己責任のもと1週間くらいかけて食べてましたからね。あれ1日でサラッと食えないでしょ(笑)。
——けっこうな長時間、車を運転されると思いますが、その時間って車中で何してるんですか?
えっとですね……英語の教材聞いたりとか(笑)。あとはYouTubeで落語聞いたりしてますかね。画面見なくていいから。他のレスラーといる時はダラダラ喋ったりしてますよ。
——昔から落語って聞いてましたっけ?
聞いてなかったですね。なんか無いかなって探してる時に、たまたまYouTubeのお勧めで出てきたので、それをそのまま垂れ流しで聴いてます(笑)。音楽も普通に聴いてますが、それだけだと飽きるので。
そういえばこのまえ雪が降って道路が凍結してた時、朝方ハイウェイを走ってたら100mくらい先で鹿の群れが道路を横断しようとしてたんですよ。高速だったので僕の運転も時速30kmくらいまでスローにしたんですけど、横断したはずの鹿が6匹くらい横断しきれてなくて。急に向きを変えて、僕の借りてるレンタカーに激突していきました(笑)。スローだったんで大丈夫ではあったんですけど、サイドミラー吹っ飛んでドアも2ヶ所凹んだので、レンタカー会社に連絡して車を交換してもらいました。冬のアメリカ北部の洗礼を受けましたね。
——日本のファンに「レッスルマニアの楽しみ方」を教えるとすると、どういった事を伝えたいですか?
やっぱり1番の醍醐味は、どでかい会場で世界中の人と一緒に楽しむという事だと思いますが。まあとにかく感じてほしいですね。
——それでは最後に、レッスルマニアとWWE日本公演に向けて、日本のファンにメッセージをお願いします。
レッスルマニアでは最高の形で出場できるので。そこでベルトを手にして、また最高の形で日本公演に臨めたら良いなって思います。
以上、中邑真輔選手へのインタビューでした。インタビューの中で中邑選手ご自身もおっしゃてた通り、レッスルマニアでしっかりとベルトを獲ってもらって、WWEのベルトを持って日本に凱旋してほしいものですね。ぜひ、皆さんも一緒にワクワクしながら待ちましょう!次回にみちくさボンバイエもお楽しみに、それでは。
EVENT INFORMATION
WWE日本公演 2018
2018.06.29(金)〜2018.06.30(土)
両国国技館
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WWE最大の祭典<レッスルマニア34>は日本時間4月9日(月)にWWEネットワーク(日本語実況版有り)で生配信される。