みなさん、こんにちは! 今年もこの季節がやってきましたね。毎年この時期に開催されるジュニアの祭典<BEST OF THE SUPER Jr.>が開催中です。
今回も新日本所属の選手はもちろん、海外からもトップレスラーが集結。本当に全試合目が離せないほど豪華な顔ぶれです。今回インタビューさせて頂いたのは、エル・デスペラード選手。
いつも通りのデスペラード選手だったので、いつになく緊張感のあるインタビューとなりましたが(笑)。普段聞けないようなデスペラード選手の考えや、ドラゴン・リー選手との関係、ファンの皆さんが気になっているお勧めのベーグルのお話まで、とても丁寧にお答え頂けました。
Interview:エル・デスペラード
——メキシコから突然現れて新日本に参戦されはじめて、なかなか過去のことは明かされていませんが、プロレスラーになろうと思ったのはいつ頃ですか?
4歳、5歳のガキの頃からなるのが当たり前だと思っていたから、別にいつというのはないよ。プロレスラーになる以外考えてなかったんで。
——先日発売されたTシャツのバックプリントにデスペラード選手の成分表が載っていて、そこにもボラドール・ジュニア、アベルノ、メフィスト、エスコルビオンの4名の選手の名前が載っていましたが、昔影響を受けたり、子どもの頃に憧れていたプロレスラーって誰かいますか?
ガキの頃見てた選手で言うと、もう今はじじいばばあしか知らないような選手だから今さら言ったってしょうがないけど、俺が直接師事を受けたのはその4人だった。あのTシャツのテーマは「HECHO EN MEXICO(=英語でMADE IN MEXICO)」だから、俺の自己紹介みたいなTシャツだし。その成分表に関してもメキシコに関わることでの俺の成分を書いているわけで、日本に来てからのことは全く入れてない。
——鈴木軍に入られて約4年になりますが、すごくまとまりのある鈴木軍の中で、特にタッグで組んでやりやすい選手って誰ですか?
やってやりにくいって人間がいないから、別に誰とやったっていいよ。基本的に俺は誰かとタッグを組んだ時に俺が俺がって前に出る性格じゃないから。自分で言うのも変だけど。
まあ組むことないけど、あくまで個人的な感情は置いといて、例えばKUSHIDAや田口、ヒロムと組むことになっても、基本的に自分のパートナーが今何をしてて相手がどう動いているのかを全体的に見て、じゃあ俺は今何をするべきかを判断して動くタイプだから。まあ、ヒロムは特殊だからよくわかんないけど。誰と組んだらどうだっていうのは特にない。
——鈴木軍の中で1番闘いたくない相手って誰ですか?
そりゃボス(鈴木みのる選手)でしょ。ザックは特殊だけど、うち(鈴木軍)のヘビー級レスラーは、ランス然りスミス然り飯塚も「スーパーヘビー」だから。今日の会見でも話題に上がったし、丁度良い機会だから言っておくと、「ジュニアとヘビーのどっちが上でどっちが下だ」っていう論争は水掛け論だから、俺はその論争に参加する気は無い。じゃあジュニアとヘビーの差は何なのかって言うと、それは明確に「体重」だよ。
ザックみたいに85キロくらいの体重なのにヘビーでやってるやつは、それなりの気合いでやってるんだろうけど。ボクシング然り柔道然り、あらゆる階級制スポーツにおいて何の為に階級があるのかっていうのは、公平性を持たせるためであったり、あるいは選手を守るためでもあるわけだ。56キロ級の人間が120キロ級の人間とやった時にどうなるって言ったら、そりゃ基本ケガするだろ。だからそういう差は明確にある、と思う。ただ商品価値としてどっちが劣るかなんていう話は、俺は一切しない。
——最近タイチさんがヘビー級転向されましたが、将来的にヘビー級への転向って1つの可能性として考えてらっしゃったりしますか?
その可能性は全くのゼロ。ルチャ・リブレがジュニアに向いているからっていうのはもちろんあるけど。でも、それ以上に昔のルチャの選手たちっていうのはデカかったし、身長が足りなかったとしても、ペロ・アグアヨっていう選手も、何年か前に亡くなっちゃった息子さんのペロ・アグアヨ・ジュニアも、そんなにデカい選手ではなかったけれど、ジュニアとかヘビーとかを超越した本当の闘いというのを見せていたから。だから大きい・小さいの差はあれど、そこに商品価値の差はないと俺は思っている。でも、デカいっていう極端な例をあげれば、アンドレ・ザ・ジャイアント(※)。あんなもの歩いてたら、そりゃ人集まるだろ。それだけでものすごい商品価値があるわけで、ヘビー級というのはそういうことなんだと思う。
※身長223センチ、体重236キロで「大巨人」「人間山脈」と呼ばれたプロレスラー。1970年代は日本にも頻繁に来日し、非常に人気を集めて活躍していた。
——鈴木軍の一員として、デスペラード選手個人として、今後の展望などがもしあれば聞かせてください。
リング内のこともリング外のことも、もちろん先のことも考えてはいるが。今回同じBブロックにいる髙橋ヒロムは、なんかお互い異常に意識してしまう相手で。単純に言うと、今のところ俺はシングルのタイトルホルダーとしての実績がゼロで、あいつは今年に入って(タッグも含めて)5回タイトルマッチで負けてるんだよね。ということは、あいつはそれだけタイトルマッチをやるポジションにいるんだよ。それを利用しているわけじゃないけど、それだけのやつとシングルマッチで、しかもメインでできて、そしてお互いに意識し合ってる。そんな中だから、俺の中でもう1つ何か新たな物が生まれてくれるんじゃないかっていう期待はある。他にどうしたいこうしたいなんて、山ほどあるから特に言わない。
——ちょっとプロレスの話を離れまして。デスペラード選手といえばすごくベーグルに詳しい印象をファンも持っていると思うんですが、1番好きなベーグル屋さんってどこかありますか?
1番は今のところ決められないし、俺、すぐ名前忘れちゃうんだよね。名前が1番独特で覚えてるのはHACHIHACHI BAGELっていうのが埼玉にあって。あまりやり過ぎると菓子パンみたいになっちゃうけど、あそこはギリギリベーグルのラインで止めてて、なかなかパンチの効いたベーグルを作ってるよ。
——最近のベーグル屋さんってすごく種類がいっぱいありますよね。デスペラード選手の成分表にはクルミとメープルシロップと記載されていましたが、あれはクルミとメープルシロップのベーグルが特にお好きという事ですか?
なんだかんだ、ベーグル屋さんで探して多く出てくる店は「BAGEL&BAGEL」だと思うんだよ。あそこの中で良いと思ったのが、クルミとメープルシロップが入った「メープルウォルナッツ」と雑穀系の「スーパー13グレイン」かな。店舗だとベーグルでサンドイッチとかにもしてくれるし。ただ店舗によっても、店で焼いてるのか工場で焼いたのを包装して持ってきてるのかで味が全然違うしね。ビニールに入って売られてる店もあるけど、あれはゴールドジムでも買えるからね。
——オフの時の釣りにはどれくらいの頻度で行かれているんですか?
本当はもっと行きたいけど、基本的にチャンスさえあれば。このまえ行ったのは福岡の移動日だったけど、ボス(鈴木みのる選手)と一緒に大分に延泊して。そのホテルも3時間くらいのステイで、チェックアウトしてすぐ釣りに出発したから、あまり泊まったと言える感じでもないけど。その時は大分にいるボスの知り合いにフローター貸してもらって、竿と釣り道具だけ自分で持って行ったよ。
——基本的にはどのような魚を釣られていますか?
ボスと一緒に行く時はブラックバスだね。それ以外の時は他のヤツと海に行ったりとか。
——けっこうゲームもされている印象がありますが、最近されているゲームや気になるゲームって何かありますか?
買って満足しちゃってあんまり進んでないのは『モンスターハンター:ワールド』。Nintendo Switchを買おうかどうか悩んでるけど。『ペルソナ5』が出るからPS4を買っただけで、『ペルソナ5』にある程度満足している現状で、新たに他のタイトルを買うかっていうと、そんなに意欲が沸かなくてどうしようって思ってるところ。ドラクエはDSでやったしな。
——ニンテンドーDSも! けっこうゲーム機お持ちなんですね。
巡業だと持ち運びできた方が楽だしね。最近けっこうクラシック系のゲーム機出てるけど、巡業に持って行ったらぶっ壊れそうだし。でも今度発売されるメガドライブ・ミニはモニター付きだから、鈴木軍バスにぶっ込んでおけば、なんとかなる気がしないでもない。
——鈴木軍の他の選手もよくゲームをされるんですか?
タイチが特にゲーム好きかな。Twitter見てても、地球防衛軍がなんたらかんたらってよく言ってるし。あと、彼は本当に相撲大好きだから、相撲のゲームアプリもやってたよ。俺は、まず四股名が覚えられない…。
——「山」が付いたり「里」が付いたり、似た名前が多いですもんね(笑)
でも、メキシコ人の名前もけっこうそんな感じで。ミゲルとかアンヘルとか。名字2つと名前2つがメキシコ人の基本的パターンなんだけど、アルバラード・エルナンデス・ホセ・なんたらみたいな。ただ、それもパターンがだいたい決まってるから、順番が変わっただけのパターンもある。だからアンヘルって名前のやつがいっぱいいて、部屋で「アンヘル!」って呼ぶと4人くらいこっち向くんだよ。
——メキシコ人の名前も覚えるの大変そうですね…。
みんなマスクだから、マスクを覚えた方が日本人は楽なんじゃない? 見た目で覚えた方が。
——過去の<BEST OF THE SUPER Jr.>で記憶に残っているご自身の試合はありますか?
1つの試合というよりは、俺がBUSHIのマスクをひっぺがして勝った後、次の田口戦では俺が自分のマスクを取って動揺させて勝ったっていう。マスクの使い方だけでこれだけあるっていうのは、日本のプロレスしか知らない人にとってはセンセーショナルだったんじゃないかなって思うけどね。
——確かに、自分でマスクを取ったあの試合はけっこう衝撃を受けたファンも多かったですね。
メキシコではけっこうポピュラーなやり方なんだけどね。でも、マスクを取った瞬間はレフェリーが見てないから、日本では反則負けにならないだろうなって判断はしてた。メキシコの場合はレフェリーが見てない間にマスクとって、レフェリーが振り返った時に相手がマスク持ってて、自分が顔おさえてたら、やってないって言っても反則負けになるからね。
——<BEST OF THE SUPER Jr.>では全員皆殺しにするとおっしゃってましたが、特に早く闘いたい相手や警戒している相手はいらっしゃいますか?
個人的に、思い入れって言うと変なんだけど、Bブロックは1人1人に闘う「理由」のある選手が多いかな。ただ組まれたからやるっていう消化試合が、1つも無い。変な言い方すると俺のためのブロックみたいな。唯一、マーティ・スカルだけがちょっと異色だったかなと。今まで全く触ってねえし、「ヴィラン」って言って要はスパイダーマンに出てくるベノムみたいな立ち位置だと、自分で喋ってる割にはそこまで悪ぶってる感じでもないし、よく分からん…。
——確かドラゴン・リー選手とは日本では初対決になると思いますが、ルチャ対決となってすごく楽しみです。ドラゴン・リー選手に対しての印象は何かありますか?
日本で最初にタッグマッチで闘った時は「こいつ成長したな」って思ったね。だってメキシコにいた時、あいつまだ俺がいたクラスより1段2段下のクラスにいたから。俺が日本に来る直前にあいつが上のクラスに上がってきて、CMLLのトライアウトテスト受けてたんだけど、そのテストも俺見てるし。だからあいつのバカげたパワーはよく知ってる。
——今回の<BEST OF THE SUPER Jr.>で企みや意気込みがあれば教えてください。
会見でも話したことだけど、ここからこのシリーズ・このブロックは、俺がもっと飛び上がる為に必要だと思ってる。びっくりするくらい、俺に必要な要素がBブロックに詰まってるから、Aブロックから誰が決勝に上がってくるのかはどうでもいい。まあ話題性で言うと石森がベターなんだろうけど。Bブロックの最終戦が、確かドラゴン・リーだったな。最終戦までおいしいよね。そこでまたネジがはずれてくんのか、ドラゴン・リーと闘ってルチャが懐かしくてネジが締まって、またルチャのデスぺラードに戻るのか、そこは分からねえ。
以上、エル・デスペラード選手へのインタビューでした! 5月18日から始まっている<BEST OF THE SUPER Jr.>ですが、初日から本当に熱い闘いが繰り広げられています! 決勝戦に向けて、間違いなく日に日にヒートアップしていきますので、ぜひみなさんも会場に足をお運びください。次回のみちくさボンバイエもお楽しみに、それでは。
EVENT INFORMATION
「ファイヤープロレスリング ワールドPresents BEST OF THE SUPER Jr.25」
2018.05.18(金)〜2018.06.04(月)
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