田川カフェ等の運営で広く知られているLD&Kの代表=大谷秀政さんのことを皆さん知っていますか? 一見つかみ所のない人物に見えるのだけれど、切れ味鋭いコメントをポロっと言ったりする不思議な魅力の持ち主です。そんな大谷さん、改め、大谷パイセンに人生のあれこれや今流行っている何かを教えてもらうコラム「教えて、大谷パイセン!」がスタート! 第一回目はまず大谷さん自身について訊いてみました。

Q. Qeticでコラムを始めるにあたって自己紹介してください!

【大谷秀政:㈱LD&K代表1968.5生】
22歳で起業。一旦ホームレスになるも、1995年にインディーズレコード会社〈LD&K〉を立ち上げる。現在も「ガガガSP」「かりゆし58」などが所属。2001年には夜カフェブームの元祖となる「宇田川カフェ」をオープン。以後、系列カフェやライブハウスなどを20店舗ほど経営。近年「渋谷の王様」と呼ばれたりもする。

宇田川カフェ等で知られるLD&K代表、大谷秀政コラムがスタート! column150226_otani_2

Q. これまでの事業経営において刺激的だったことをいくつか教えて(音楽&飲食含めて)!

これまでにたいした刺激はない。低血圧の私は目を覚ます為に色々試みているがなかなか見合うほどの刺激がない。私はいつだって刺激を求めている。昂ぶる刺激が欲しい。今もだ。

京都のバンド「ちぇるしぃ」の面倒見てるときは良く会場に救急車を呼んだ。ギターで客の頭を割るから。笑。病院まで菓子折り持って親御さんに謝りに行った。頭割られた本人は「痛いからええやん!」とか言って全然平気。昔のバンドではよくある話だが。これは興奮した。

現在いくつかある渋谷のカフェは目が覚めない私の為につくった。濃い珈琲が飲みたいからだ。カフェイン中毒なのかもしれない。

大阪にライブハウス「梅田シャングリ・ラ」を10年前に造った時は6000万で出来る予定が6億かかった。自己資金なんて無いから、ちょっと参った様な気がする。もう参った記憶すらないけど。

数年前「渋谷チェルシーホテル」に無差別殺人犯がガソリンまいて火をつけようとした時も麻雀やってて抜けられなかったな。ああいうのは困るよ、「バンド組んでから来い」って言ってやった。そこはライブハウスだから。事件の次の日、家族でディズニーシーに行ったのは覚えてる。テロリストより妻の方が怖いからね。

Q. 新店舗(また、これからの新規事業への)の意気込みをどうぞ!

基本的に事業欲は無いからね、そんなに。社員がいるから仕方なくやってるところもある。また何もしないと眠たくなっちゃうからなんかやる。

今年は夏までに5軒ぐらい店を出すかな。そのうち1軒は自分用の小さなエロいバー。店創りの基本はエロス。そもそもハレの日の外食なんてのはエロス。薄められたSEXだからね。この小さな店さえあればやっと私の異常な出店意欲の昂ぶりが治まるような気がする。その為のお店。おもちゃみたいなもんだ。店を出すのはもうほとんど病気。

しかし眠気覚ましに店を出すのだから自ずとつまらない店にはならない。チェーン店なんて退屈で糞くらえだね。退屈は死ね。

Q. 個人的に近いうち(1~2、3年内)に達成したいコトは?

もう店なんてつくらないことだよ! 是非達成したい。あとは健康で生きていたい。皆が健康で。

Q. Qeticなどカルチャー媒体読者へひとこと!

カルチャー媒体っていうんだな、こういうの。今さら失礼な話だがこれ「Qetic」っていうの? 読んだことないんだよ。若い人は読んだ方が良いよ、なんでも。時間のある限りいろんな人の文章を読んだ方が良い。ゲームなんてやってるよりよっぽどマシだな。ただ情報とか評価とかは真に受けないほうが良いね。特に情報媒体ってのは大人の事情ってのがあるから。正当なものでなかったりもするんだぞ。まあそこらへんのことは次回だな。次回があればね(笑)。