NY、イスタンブール、ヘルシンキなど世界各地で開催されている<Black Foods Festival>とは一体なんなのだろうか? ブダペスト発、ドイツやハンガリーの飲料メーカーがスポンサードするその名の通り「黒い食べ物の祭典」がベルリンで開催された。そのレポートを現地からお届けする。

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ブラックと言えばベルリナー(ベルリンに住んでいる人の称呼)のカラーと決めつけるのはこの街を知ってる人だけかもしれない。事実、今回紹介する<Black Foods Festival>は、ここベルリンではなく、実はブダペストが発祥の地である。そのことに最初は驚いたが、ベルリンはブダペストに続き、世界で2番目に開催され、ベルリンでもお馴染みのフリッツコーラ(Fritz Kola)、チャリティ(ChariTea)といった飲料メーカーがスポンサーに付いている。昨年スタートしたばかりのこの新しいフードフェスは、すでに20都市以上で開催されており、今後も世界的フランチャイズしていくとのこと。

「Black Foods=黒い食べ物」と聞いて、まず何を思い浮かべるだろうか? 黒ごま、イカスミ、チョコレートを思い浮かべるのは安易だろうか? ファッションは否応なく自然と黒が多くなってしまうこの街に住んでいても、黒い食べ物を好き好んで食べようとは思わない。だから、想像が付きにくいのだ。

同フェスの会場となったのは、様々なフードフェスを開催していることでも有名な「ビルギット & ビール(Birgit & Bier)
普段はビアガーデンとして営業しているが、イベントスペースも所持しているためサマータイムはほぼ毎日イベントが開催されている。いかにもベルリンといったヒッピー感満載のデコレーションには感心させられる。ベルリン有数のクラブのガーデンも似たようなデコレーションのところが多い。

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天候にも恵まれたこの日、会場内はかなり混雑しており、人気のブースは長蛇の列が出来ていた。常設されている人気の釜焼きのイタリアンピザ屋もこの日は炭焼きの黒っぽいピザを提供。韓国のり巻きにはブラックライスを使用。手前の写真はキクラゲ。

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一番の人気は、並ぶのを諦めるほど行列が出来ていたこちらのハンバーガー。竹炭パウダーを練り込んだブラックバンズが印象的で、ブース前は撮影する人、一目見たい人で埋め尽くされるほど。

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来場者の特徴は、ロックバンドのTシャツ(もちろん黒)に、ボロボロのブラックデニムか革パン、鼻にピアス、そう、絵に描いたようなパンキッシュ、もしくは、ゴスの入ったファッションで年齢層も高めで、実にベルリンらしい。着いたのが遅かったのか、”ガチ”なブラックファッションの人たちはすぐさまいなくなってしまったため、写真に収めることが出来なかったのが残念だった。顔中ピアスに厳ついドーベルマンを連れている人がいたら是非とも撮影したかった。

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ちなみに、同じ全身ブラックファッションでもベルクハイン(Berghain)やもうすぐ開催されるベルリン アトナル(Berlin Atonal)にいるようなベルリン名物であるミニマルなクラブファッションの人は皆無だった。というより、わざわざエントランスの4ユーロを払ってまで、自分と同じ色のフードを食べには来ないだろう(笑)。正直、私や同行していた友人も同じ意見である。これが入場無料のフードフェスならば仕方ないと思うことは多々あるが「4ユーロ取ってこれ?」と思わずツッコミたくなることが多数あったのだ。

まず、たった1日だけの開催なのに、夜9時までのフェスで16時前の時点で完売したのかすでに閉めているブースがあり、ブラックバンズが足りなくなったらノーマルなバンズで普通のバーガーを出す(写真とは別のブース)というやる気のなさ。Facebookのイベントページに使用していたマカロンやソフトクリームがどこにもなく、全く関係のないトルコアイスに行列が出来ているという状況に思わず笑ってしまった。

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これが日本だったら絶対に許されないだろうし、入場無料でももっとクオリティーが高いだろうと思ったが、これがベルリンなのだ。毎週末数え切れないほど開催されているフードフェスは、基本フォーマットが決まっていないのではないか? と思うほど、会場も種類も入場料の有無もバラバラ。何より驚くほどクオリティーに差があるのだ。

別のフードフェスのことだが、アムステルダムから飲食の事業をしている友人がリサーチに来た時、クオリティーが低く、値段が高いことにとても驚いていた。事実、食に関してはアムステルダム、というか、オランダ全体の方がかなり進んでいる。特にアムステルダムが突き抜けているが、正直7、8年前に初めて訪れた時は、夜の9時以降にまともな食事が出来るレストランがなく、あっても高くて不味いという印象しかなかったのに、今や行きたい店だらけで選べないほど。

ベルリンももちろん進化しているのは事実である。フードフェスのことは一旦置いておいて、市内にはいろんなジャンルのレベルの高いレストランが多数存在する。日本食レストランも増加の一途であるし、きちんと選べば値段も味も何の不満もない。私自身がそれほどグルメではないからかもしれないけれど。それと、ベルリンは1店舗の敷地が広く、サマータイムはオープンテラスが設置されるのが基本的なため、開放的なのが良い。夏に限っては、そのロケーションにお金を払ってると言っても過言ではないほど心地が良い。

<Black Foods Festival>に話を戻そう。同レポートのためにオフィシャルサイトを覗いてみたら、初の開催となった去年は、下記の写真ギャラリーを見てもらえば分かるように、前売りの時点でチケットが完売するほどの盛況で、スポンサーであるドリンクの無料提供や黒いビール、黒いホットドリンク、黒いマカロンもあった! さらには、フードだけでなく、衣類やアクセサリー、アフターパーティーまで開催されていたとのこと。

昨年のBlack Foods Festivalの写真レポートはこちら

世界規模での注目度も上がり、来月にはロンドンでも開催されるという同フェスのコンセプトはユニークで面白いと思う。もっとベルリンらしさを感じれるスペシャルなブラックコンテンツと、もう少しだけクオリティーを上げて欲しいと願いつつ、このレポートを終了したい。

EVENT INFORMATION

Black Foods Festival

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