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“一昨年のRAF SIMONSのあのジャケットが欲しい”とか、“5年前のCHANELのあのバッグが欲しい”とかメゾンに限らず、お気に入りのセレクトショップで見つけて買いそびれてしまったものや、完売してしまって買えなかったアイテムが、“ああ、まさにあれが今の気分にぴったりハマるのに…”と思ったことはないだろうか? 私個人に関して言えば、新作コレクションと同じぐらいアーカイブコレクションが欲しいと思う瞬間がある。中吊り広告に書かれた“今年の春はパステル”というようなトレンドワードに関係なく、“今着たいもの”は人それぞれ違うのだからこうゆう考えがあるのは当然のことだと。

セールも落ち着き出した辺りから、ショップのショーウィンドウディスプレイがガラッと変わり、店内のラックとフェイス用の什器には“New Arrival”のプレートが掲げられ、そのシーズンの主役たちが顔を揃える。その光景はとても美しくて見ているだけでも心躍る。しかし、そこには“今の気分にぴったりハマる”それらはない。そんなのは当たり前のことなのだが、例えば自分の好きなブランドのコレクションが歴代揃っているショップや、好きな色、好きなデザインばかり取り揃えられたショップがあったら、そこは夢のワードローブになるのではないだろうか。

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IROYA

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昨年ベルリンへ行った時、現地に住む友人から“ベルリンはヴィンテージよりセカンドハンドがオススメ。”と言われ、いくつかのショップを教えてもらった。セカンドハンドショップとはそのままの意味なのだが、誰かが着ていた、もしくは着ないまま持っていたブランド品を買取り、プロパー(正規金額)以下で販売しているショップのこと。アート作品の場合は“セカンダリー”といって、ギャラリストやコレクターなどいろんな人の手に渡っていくほど価値と値段が上がっていくけれど、ファッションに関しては全くの逆。“誰かが袖を通したもの”はたとえ新品同様であっても二番手扱いとなるのだ。限定数で販売され、シリアルナンバーが刻まれたいわゆる“レアもの”と呼ばれるものは別だが、どんな高級ブランドでも同じように値段は下がる。

ベルリンのオシャレエリア代表ミッテにはフランスの人気ブランドIsabel Marant/イザベル・マラン専門のセカンドハンドショップがあるのには驚いた。一応、他にもヴィンテージの靴やバッグなども置かれているが、ラックのほとんどがイザベルの商品で埋め尽くされている。しかも、そのクオリティーの良さと豊富な品揃え、手頃な値段には二度驚かされた。セカンドハンドビジネスは、古き良きものを大事にするドイツ人の気質に合うのかもしれないと思ったが、ヨーロッパ全体がそういった傾向にあると聞く。イザベルのショップは表通りには面してなく、アパートメントの一角にあり、セール会場の様な簡素な内装で決してスタイリッシュなショップではなかったが、他のセカンドハンドショップはカフェが隣接されていたり、最先端セレクトショップ顔負けのオシャレな内装にこだわりのディスプレイ、クオリティーの高さを持っている。

その時にはコートを探していたので、数日に渡り、足繁く通ったのだが、ヨーロッパ人向けの大きなサイズが合わず断念。こうゆうショップが日本にあったら“今の気分にぴったりハマる”アイテムのぴったりサイズを見つけれたのかもしれないと残念に思った。

そんな中、3月14日にファッション発信地のど真ん中、渋谷側の遊歩道沿いにセレクトショップIROYAがオープンした。IROYAとは毎月1つの”色”に絞って、ファッションアイテムを販売する実店舗&オンラインショップ。オープン月となった3月はホワイトデーということもあり、“白”をテーマに内装も真っ白、置かれているアイテムも白を基調としたアイテムのみを陳列。オンラインも連動させて同様の展開を行った。取扱いブランドは流動的であり、国内外からシーズン関係なくセレクトし、日本未発売のNIKEや80年代のエルメスのドラムバッグ、ハイエンドブランドのセカンドハンド、1点もののヴィンテージなど、稀少価値が高く、品質の良いものを取り揃えている。その上、値段設定はかなり良心的。

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色にフォーカスすることで、ブランドやシーズンに関係ないところからファッションを好きになって欲しい。シーズンに関係なく”今すぐ着れるもの“をユーザー目線でセレクトしています。色は季節に合わせて決めています。4月はブルー、5月はグリーンを予定しています。」とオーナーである大野氏とディレクションに携わっている玉木氏は語る。

たまたまなのかもしれないが、今シーズンは1色で統一させたワントーンコーディネートがトレンドとなっている。海外ではすでに需要の高いセカンドハンドビジネスを新しい形で取り入れ、ショッピングツールとしてもはや当たり前となっているオンラインショッピングを店舗と同じコンセプトで連動させ、どこにいても買い物を楽しむことが出来る買い手目線のシステムに早くも注目が集まっている。

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過去にもコンセプチュアルなショップは沢山あったが、雑誌には住所を掲載しない知ってる人だけ来れば良い隠れ家的ショップ、会員制のセレクトショップなど、こういったところは一般的には少し敷居が高く感じてしまうのだと思う。一部のカッティングエッジなユーザーに向けたショップも必要だ。人は背伸びをして行く場所を失ってしまったら下降していくだけだと思うから。だが、IROYAのように一般ユーザーの視点から考え出されたショップの需要はこれからもっと高まっていくだろう。新たなファッションビジネスの可能性としても。

IROYA
営業:12時~21時(不定休)
住所:東京都渋谷区神宮前5-29-10(MAP
電話番号:03-6450-6190


宮沢香奈(Kana Miyazawa)

宮沢香奈(Kana Miyazawa)

フリーランスライター/コラムニスト

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