世界のレコードショップから知るカルチャーの最前線

ヨーロッパの近隣諸国へ取材に行く機会が増えているが、その度に出会うのが地域に密着したレコードショップである。特に、新しく出来たばかりのショップは、レコードのセレクトだけでなく、内装やグッズのセンス、スタッフからその地の旬なカルチャーを知ることが出来る貴重なスポットである。そのため、DJではない私はレコードを購入するためではなく、最新のローカルカルチャーを肌で感じるために、各地のレコードショップへと足を運ぶのだ。

これまでにもベルリン、アムステルダムにある一押しのショップを紹介してきたが、今回は、行く度に新しい発見と出会うアムステルダムと、初めて訪れたルーマニアの首都ブカレストから最新スポットをお伝えしたい。

オランダの首都であり、クラブカルチャー、リサイクル、オーガニックフード、スタートアップなど、常に様々な分野において”世界初”の試みをしている前衛的な街としても知られるアムステルダム。オランダ人のマーケティング、プレゼンテーション能力は世界トップクラスとも言われている。レコードショップに関しても、以前に取材させてもらったもはや説明不要のトップ・オブ・トップ「Rush Hour」や「Redlight Records」「ZwartGoud」「Waxwell Records」などをはじめ、それぞれ違ったジャンルを得意とする店舗が点在している。

そんなアムステルダムから今回紹介したいのは、『Black Gold』である。ここは、ニューオープンのカフェやショップが立ち並ぶ人気スポットNieumarkt（ニーウマルクト）地区に、2015年にオープンしたばかりのレコードショップ。カフェと同じ空間にあり、バリスタが選び抜いたイタリアンエスプレッソメーカーで淹れたこだわりのコーヒーが飲める。レコード以外にもアートグッズやオリジナルグッズのセンスが良く、音楽ファンでなくとも思わず欲しくなる。思わず立ち寄りたくなるスタイリッシュな外観とナチュラルウッドを基盤とした明るい店内もまた良い。さらに、スタッフが笑顔で対応してくれるとあって、何度も足を運びたくなる居心地の良い空間。