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猛獣や天災から身を守るために音楽が存在し、そこから儀式や祝祭へと用いられ、同時にダンスが生まれた。人間が音楽のリズムに合わせて踊ることは生まれ持った本能であり、自然現象であり、世界の異なる文化の中で唯一の共通”言語”である。言葉が通じなくても同じ音楽で一緒に踊れば、同じ幸せを感じ、同じ笑顔が生まれる。こんなに素晴らしい表現方法は他には存在しないのではないだろうか。世界各地のPRから続々と届く今年の音楽フェスティバル情報に目を通しながら改めて音楽の存在意義について考えた。そんな今回は、世界中で開催される無数の音楽フェスティバルから、本当に行きたたい3つのフェスティバルを開催日程順に紹介する。

今年行くべきアンダーグラウンド・ミュージックフェスティバルはこれだ!!

世界に散らばる無数の音楽フェスから今年行くべき3つのフェスをピックアップ!! kana-miyazawa190304-underground-music-fes-4-1200x675

まず一つ目は、ヨーロッパのフェスの中でも開催時期の早い4月24日から28日にかけてスウェーデンのマルメで開催される<Intonal 2019 Experimental Music Festival>を紹介したい。2015年にスタートしたばかりの同フェスは、踊らせることが主な目的の他のダンスミュージックフェスとは少し異なり、より実験的で良い意味で偏ったエレクトロニックミュージックにフォーカスした異色のフェスティバル。主催は元チョコレート工場跡地を改装してイベントスペースとして活用しているINKONSTとその中にあるInter Art Centerであり、マルメを拠点に様々な形で芸術支援を行なっている。また、同フェスは7つのフェスティバルから成るネットワーク”Upnode”が新たに立ち上げたプロジェクトの一環でもあり、才能あるローカルアーティストを発掘し、支援し、世界へとアウトプットすることを目的としている。

出演者はデンマークのAstrid Sonne、Aux 88、レゲエ界のレジェンドJah Shakaなどをはじめ、北欧を代表する気鋭アーティストと世界的アーティストが名を連ねている。異色の共演が見られる貴重な機会でもあり、最終ラインナップも非常に気になるところ。

また、同フェスでは、インスタレーション、トークイベントなども予定されており、中には入場無料のイベントもあるという。教育だけでなく、芸術に関しても常に前衛的で革新的な考えを持つ北欧らしさが詰まったフェスと言える。

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特筆すべきは、会場、支援団体、協賛、出演アーティストに至るまでローカルにフォーカスしている点である。某有名フェスがローカルアーティストを完全に無視したブッキングを発表し、物議を醸し出していたが、それならわざわざ他国へと手を広げず自国だけで開催すればいいのにと思ってしまう。ローカルのアーティストが世界で日の目を見るには地域との密着が非常に重要であり、フェスを開催するにあたり、政府や自治体、現地スタッフや関係者との繋がりがいかに大切かを<Intonal Festival>が証明することとなるだろう。

<Intonal 2019 Experimental Music Festival>出演アーティスト(一部)

Jah Shaka、Astrid Sonne、Falaises、Line Katcho、Limpe Fuchs、Sebastian Mullaert & Johanna Knutsson (sleeping concert)、Rivet、Oliver Coates、JASSS、Ikonika、AUX88、MCZO & Duke、Apartment House plays Julius Eastman’s Femenine、Ilpo Väisänen、DJ Marcelle、Burnt Friedman & Mohammad Reza Mortazavi – Yek、KATE NV & Sasha Kulak、Clara! y Maoupa、O Yuki Conjugate、Vanligt Folk + much more to come

Intonal 2019 Experimental Music Festival

Intonal 2019 Trailer 2

続いては、6月12日~19日に1週間ぶっ通しでアルバニアで開催される<Kala 2019>を紹介したい。1週間開催というのはもはやヨーロッパのフェスでは珍しいことではないが、南東ヨーロッパのバルカン半島に位置するアルバニアのビーチを会場に昨年からスタートしたばかりのまだ新しい<Kala>はすでに高い評価を受けている。その背景には、ダンスミュージックを芸術としてきちんと認めている政府による正式なバックアップ、そして、何よりため息が出るほど美しいロケーションにある。Dhermi(デルミ)は今欧州人からも人気のビーチとなっており、どこまでも広がる美しいエメラルドグリーンの海、白い砂浜、まだ手付かずの豊かな自然、そこにフェスのためだけのスペシャルヴィレッジが作られることを想像して欲しい。夢のビーチで最高の音楽とダンスを楽しむことが出来るのだ。

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また、同フェスのラインナップには拍手を送りたい。ビッグフェスにありがちな”どこも似たようなラインナップ”という懸念も見事に回避した魅力的かつとんでもなく豪華である。下記を参照にして欲しいが、これでもまだ一部である。

<Kala 2019>出演アーティスト(一部)

Inner City、Jordan Rakei、Hercules & Love Affair、Fatima & The Eglo Live Band 、Joe Armon-Jones & Maxwell Owin 、The Pilotwings 、Mim Suleiman、A Man Called Adam、Hunee 、Derrick May 、Theo Parrish 、Midland & Job Jobse、Honey Dijon 、Francois K 、Jayda G 、Fred P 、LTJ Bukem、Call Super、Prins Thomas、Secretsundaze 、Bradley Zero 、Sassy J 、Jane Fitz、San Soda、Josey Rebelle、Peach、CC:DISCO!、Mafalda、Bjørn Torske、Psychemagik 、D. Tiffany 、Yu Su、Andy Blake、Øyvind Morken、Jenifa Mayanja 、Kasra V 、Nadia Ksaiba 、Jaye Ward、Iona、DJ D. Dee。Rhythm Sister 、Danielle The Menendez Brothers 、IVA 、Ollie Shapiro 、AKA Juan

Kala 2019

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そして最後は、ウクライナの首都キエフで8月24日25日に開催される<BRAVE! Factory>を紹介したい。同フェスは2017年開催時に現地取材をさせてもらい、同コラムでも度々紹介しているが、年数を重ねるごとにレベルアップしていると感じる。主催はキエフのアンダーグラウンドシーンを代表するトップクラブ”Closer”であり、クラブ、アート、ファッションなどカルチャーシーン全てを彼らが構築していると言えるほどセンスが良い。最近ではベルリンでも”Closer Night”が開催され、高い評価を得ている。そんな彼らが主催する同フェスでは広大な敷地を贅沢に使った6つのステージが用意されており、アートインスタレーションからテクノステージ、ライブステージと昼夜問わず豊富なコンテンツが待ち構えている。

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現在、以下の第一弾出演アーティストが発表となっており、これはまだほんの序章に過ぎない。今後の追加発表に期待が高まるばかり。

<BRAVE! Factory 2019>第一弾出演アーティスト

Ata Kak(live)、dOP(live)、Dubfire、Jane Fitz & Carl H、Marcel Dettmann、Model 500(live)、Oskar Offermann & Edward、Shabazz Palaces live、When Saints Go Machine(live)、Zenker Brothers

BRAVE! Factory 2019

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上記以外にも、7月19日~21日の開催日程のみを発表し、ラインナップなどの詳細はまだ明かされていない<Nation of Gondwana 2019>もオススメしたい。ベルリンから程近いGrünefeldで開催される同フェスは近年カルト的人気を誇り、Move Dがベストパーティーと賞賛しているほど。個人的にも参加したいと考えているフェスの一つである。

紹介したフェスを見てもらえれば分かるように、西ヨーロッパであっても開催地がメジャーでなく、シークレット感のあるフェス、ユーロでない独自の通貨で物価が安い東や南東ヨーロッパで開催される新しいフェスを厳選して紹介している。フェスはメジャーになればなるほど商業化の一途を辿り、オリジナリティーもアンダーグラウンドも失われ、つまらないものに変わってしまう。

フェスの楽しみ方は人それぞれであり、”こうするべきだ”と決めつけるものではないため、あくまでも私個人の”最優先事項”が究極のディープアンダーグラウンドというだけである。セレブリティーなんて当然いない、真の音好きだけが集まる、メディアも知らない、でも最高にカッコよくておもしろい。こういったフェスがヨーロッパにはまだまだ数え切れないほど存在するのだ。それを想像するだけでゾクゾクとワクワクが止まらない。

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宮沢香奈(Kana Miyazawa)

宮沢香奈(Kana Miyazawa)

フリーランスライター/コラムニスト

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